花嫁レベルマイナス99ーご馳走を作ったら何故か毒薬になりますー

茜カナコ

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プロポーズ

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「私なんて、何にもできないんです」
「そんな事ないよ、レイニー」
「そう言ってくれるのはあなただけよ、サニー」
レイニーとサニーの2人は森の外れの泉で水浴びをしていた。

「僕たち結婚しないか?」
サニーがレイニーに聞いた。
プロポーズだ。

レイニーは首を横に振った。
「ダメよ、私と結婚しても幸せになれないわ」
サニーはレイニーを抱きしめて言った。
「僕がレイニーを幸せにする。結婚しよう」

今度はレイニーはうなづいた。
「そこまでいってくれるなら、結婚しようか」
そうして2人の新婚生活が始まった。

2人は街の小さな教会で結婚式を挙げた。
レイニーは結婚式に遅刻した。
サニーは待たされることに慣れていた。

レイニーは小柄な体にウェディングドレスを身に纏って現れた。
その頭にはティアラが載っていなかった。
サニーは何も言わずに、ブーケから白い薔薇を一本引き抜き、レイニーの髪に飾った。
「健やかなる時もやめる時も愛し愛されることを誓います」
2人は誰もいない教会で愛を誓うと、キスをした。

誰もいない2人だけの結婚式。
そして2人の指には結婚指輪がはめられた。
「今日から晴れて夫婦だなレイニー」
「よろしくね、サニー」

新居はサニーの家にする事にした。
レイニーの家は小さく物で溢れかえっていたからだ。
サニーの家は台所にリビング、二階の物置も片付いていた。
レイニーはサニーの家の二階に引っ越しする事にした。

「おじゃまします」
「ただいま、だろ?」
レイニーはサニーに笑いながら訂正されると、頭をかいた。
レイニーは自分の家から運んできた衣料品を二階に置くと、リビングに行った。
「サニー、棚も持って来た方がよかったかしら」

サニーは笑顔で答えた。
「作りつけの棚を作ればいいよ」
「今日から一緒に住むのね。変なかんじ」
レイニーがそう言うと、サニーは笑ってキスをした。

サニーはレイニーに言った。
「せっかくだから今日はご馳走にしよう」
「ご馳走って?」
レイニーは長い髪を束ねながらレイニーに尋ねた。

「ドラゴンのステーキなんてどうかな?」
「ドラゴン退治は久しぶりね。いいわよ」
レイニーは二階からドラゴンスレイヤーを取り出すと、リビングに戻って来た。

「じゃあ、森の洞窟に早速出かけよう」
サニーはそう言うと、装備を整えて出かける準備をした。
サニーは一流の魔法使いだ。
レイニーとサニーの名前を知らないのは、よっぽどの冒険初心者だけだった。

森の洞窟にはドラゴンがウヨウヨいた。
サニーとレイニーはそのうちの一匹に狙いを定めると、洞窟から外へとおびき寄せた。
「行くわよ!」
レイニーはそう言うとドラゴンスレイヤーを振りかざした。
「気を付けろよレイニー!」
サニーはそう言ってから炎の魔法を唱え始めた。

レイニーはドラゴンの攻撃を避けながら、ドラゴンの首を一撃ではねた。
サニーはその様子を見て、呪文を唱えるのをやめた。
「レイニー凄いな」
「えっへん」

レイニーは胸を張って、ドラゴンの首を持ち上げた。
「さあ、ステーキにしましょう」
「おいおい、食べるのは身体だろ?」
「頭も美味しいかもしれないじゃない」

サニーは首を振って、魔法でドラゴンの体を持ち上げると、2人の家へ帰って行った。

ドラゴンとしては小ぶりだったが、解体するとその肉の量は二人分には多すぎた。
サニーはステーキの分をよけて、干し肉を作ろうと下準備を始めた。
レイニーは、持ち帰ったドラゴンの頭を焼き始めた。
「レイニー、本当に食べるのかい?」
「そうよ、サニー。目玉なんてなかなか食べられないわよ」
嬉しそうなレイニーを横目にサニーはやれやれと首を振って、干し肉作りの続きをした。

レイニーは料理が得意ではない。というか、塩を振って焼けばできあがりだと思っていた。
サニーはレイニーの大胆さが気に入っていたが、同じものを食べるのはちょっと遠慮したかった。
「なかなか焼けないわね」
レイニーはそう言いながら、たき火に薪をくべて、ドラゴンの頭を焼き続けている。
サニーはこっそりと解毒の魔法を、ドラゴンの焼かれている頭にかけた。

「サニーは順調そうね」
「ああ」
そう言いながらサニーは干し肉と、スモーク肉という長期保存に適した加工をテキパキとこなしていく。そしてサニーはステーキを焼いた。
しばらくすると二人とも作業は完了し、肉汁のしたたるドラゴンの頭とステーキが食卓に並んだ。

「レイニー、料理は僕がするよ」
白目をむいたドラゴンの頭をみながらサニーは言った。
レイニーはわかったわ、と言ってドラゴンの頭にフォークを刺した。
二人の新婚生活は始まったばかり。
これからうまくいくのかは、神様しか知らない。
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