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いつもの様にギルバートは、ケイトに出掛けないかと手紙を書く。
だがケイトからの返事は「忙しい」と最近は会ってくれない。
2、3回なら忙しいのだと信じられた。
だが4回目になり、あれ?と思い、5回目になると確信に思えた。
ケイトに好きな人が出来のではないか!?
だから私と会う事を止めたのだ。
そう思ったら、馬車に乗りドルス侯爵家へと向かっていた。
「お嬢様、モルス伯爵家のギルバート様が訪問されておりますが、如何致しますか?」
執事のロイドに言われ、ケイトは驚いた。
ここ最近、ギルバートの誘いは断っていた。
彼が女性と歩く姿を見てから「恋人が出来た。結婚する」と聞きたくなくて避けていたのだ。
屋敷まで訪ねて来たのなら、会わない訳にはいかない。
応接室へと通す様に指示し、着替える。
「ギルバート様。突然のご訪問、どうされたのですか?」
「ケイトっ!!良かった。会ってくれなかったら、どうしようかと思っていた」
使用人にお茶を淹れさせ、その間に気持ちを落ち着かせた。
「ケイト…その…好きな人が出来た?」
「そうですか…」
「やはりそうだったのか?一体それは誰だ!?」
「?」
あれ?なんか話が食い違ってる様な…?
「教えてくれ…。何処の子息を好きになったのだ?もう話が進んでいるのか?」
「ギルバート様が、お付き合いされている令嬢が居るのですよね?」
「はぁ!?居るわけ無いだろう?私が好きなのはケイト・ドルス、君だけだよ」
「で、でも、わたくしギルバート様がご令嬢と一緒に仲良く宝石店に入るのを見ましたわ…」
「宝石店…あれを見ていたのか?」
ほら、やっぱりデートしていたのだ。
「ち、違う、誤解だ!!一緒に居たのは友人の奥方で、友人も一緒に居た筈だ。その…もう直ぐ君の誕生日だから、友人の奥方に頼んで、女性が喜ぶ物を選んで貰ったんだ」
誤解だったの?
ホッとした事で、私は泣いてしまった。
慌ててギルバート様はハンカチを差し出す。
「ケイト。私の好きなのは君だけだ。誕生日にプレゼントを渡して、もう1度結婚の申し込みをするつもりだった」
「ケイト・ドルス嬢、私ギルバート・モルスと結婚して頂けませんか?」
「ギルバート・モルス様、喜んでお受け致します」
「へっ!?えっ?本当に?」
ギルバート様の目を見て頷く。
「やったぁー!!!」
ギルバート様は私を抱き締め
「必ず幸せにする。絶対に、絶対に浮気はしないと誓う!」
私達は見詰め合い、ギルバート様の唇が、そっと私の唇に触れた。
その後、両家の親に報告をした。
モルス伯爵は、直ぐに結婚式の準備を始めようと喜んでいる。
お父様は、最初、渋い顔をされたがケイトが選んだのならと最終的に祝福してくれた。
私も、まさかケイト・モルスに戻る日が来るなんて思わなかったが、ギルバート様なら幸せにしてくれると信じている。
だがケイトからの返事は「忙しい」と最近は会ってくれない。
2、3回なら忙しいのだと信じられた。
だが4回目になり、あれ?と思い、5回目になると確信に思えた。
ケイトに好きな人が出来のではないか!?
だから私と会う事を止めたのだ。
そう思ったら、馬車に乗りドルス侯爵家へと向かっていた。
「お嬢様、モルス伯爵家のギルバート様が訪問されておりますが、如何致しますか?」
執事のロイドに言われ、ケイトは驚いた。
ここ最近、ギルバートの誘いは断っていた。
彼が女性と歩く姿を見てから「恋人が出来た。結婚する」と聞きたくなくて避けていたのだ。
屋敷まで訪ねて来たのなら、会わない訳にはいかない。
応接室へと通す様に指示し、着替える。
「ギルバート様。突然のご訪問、どうされたのですか?」
「ケイトっ!!良かった。会ってくれなかったら、どうしようかと思っていた」
使用人にお茶を淹れさせ、その間に気持ちを落ち着かせた。
「ケイト…その…好きな人が出来た?」
「そうですか…」
「やはりそうだったのか?一体それは誰だ!?」
「?」
あれ?なんか話が食い違ってる様な…?
「教えてくれ…。何処の子息を好きになったのだ?もう話が進んでいるのか?」
「ギルバート様が、お付き合いされている令嬢が居るのですよね?」
「はぁ!?居るわけ無いだろう?私が好きなのはケイト・ドルス、君だけだよ」
「で、でも、わたくしギルバート様がご令嬢と一緒に仲良く宝石店に入るのを見ましたわ…」
「宝石店…あれを見ていたのか?」
ほら、やっぱりデートしていたのだ。
「ち、違う、誤解だ!!一緒に居たのは友人の奥方で、友人も一緒に居た筈だ。その…もう直ぐ君の誕生日だから、友人の奥方に頼んで、女性が喜ぶ物を選んで貰ったんだ」
誤解だったの?
ホッとした事で、私は泣いてしまった。
慌ててギルバート様はハンカチを差し出す。
「ケイト。私の好きなのは君だけだ。誕生日にプレゼントを渡して、もう1度結婚の申し込みをするつもりだった」
「ケイト・ドルス嬢、私ギルバート・モルスと結婚して頂けませんか?」
「ギルバート・モルス様、喜んでお受け致します」
「へっ!?えっ?本当に?」
ギルバート様の目を見て頷く。
「やったぁー!!!」
ギルバート様は私を抱き締め
「必ず幸せにする。絶対に、絶対に浮気はしないと誓う!」
私達は見詰め合い、ギルバート様の唇が、そっと私の唇に触れた。
その後、両家の親に報告をした。
モルス伯爵は、直ぐに結婚式の準備を始めようと喜んでいる。
お父様は、最初、渋い顔をされたがケイトが選んだのならと最終的に祝福してくれた。
私も、まさかケイト・モルスに戻る日が来るなんて思わなかったが、ギルバート様なら幸せにしてくれると信じている。
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