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7 (その後の2人)
☆ブルース
ケイトから離縁された。
彼女とは政略結婚だった。
浮気をしたのは、ケイトが嫌いだった訳ではない。
とても可愛いし、好きだったと思う。
義母であるマリアと浮気したのは、好きだったからではない。
彼女の豊満な身体に据え膳食わぬは男の恥と思ったからだ。
激怒した父から、リバルド辺境伯の所に修行に出される。
伯父の子爵家を継ぐ事が決まっていた私は、まともに剣さえ振れない。
伯爵家の子息で有る私が、平民達に顎で使われ、しごかれる。
屈辱的だった。
「ブルース。お前が何故ここに来させられたのか分かっているか?お前の腐った根性を直すためだろう?なのにお前ときたら…明日、ブルボイザ山にお前も連れていく。山頂に着いたら他の者達より、お前は1日後から下山を始めろ。1人で山から屋敷まで戻って来るのだ」
「そ、そんなの無理です。死んでしまう」
「人間やる気になれば出来ない事は無い」
次の日から山頂まで4日掛けて登った。
ブルースを残し、皆は次の日に下山をした。
こっそり後を付いて行こうかと考えたが、バレた時にボコボコにされる事を考えて止めた。
このブルボイザ山の訓練は、自分で飲み水と食べ物を確保しながら登山し下山する。
登山の時は、一緒に居た者達が食料を調達してくれた。でも下山は1人だ。
動物を追いかけ、川で魚を狙う。
「…駄目だ。今日は水と果物で過ごすしかない。腹減ったなぁー」
2日目も狩りは成功しない。
このままでは下山出来ずに死んでしまう。
人間死ぬ気になれば出来るもので、3日目に兎を捕らえた。
4日で下山出来る所を6日掛けて降りて来たブルースは、前の軟弱なブルースではなかった。
兄の結婚式でケイトと再会したブルースは心から謝罪した。
その後、自らリバルド辺境伯領に戻り、騎士として生涯仕えた。
◈◈◈◈◈
☆マリア
突然、旦那様に離縁すると言われ、なぜ離縁されるのか理由が分からなかった。
まさかブルースとの浮気がバレていたなんて…。
ドルス侯爵は、私よりも12歳上の40歳。
奥様を亡くしてから再婚せずに子供達と暮らしていた。
5年経っても子供が授からず、前の夫から離縁され戻った私を不憫に思ったお父様が、お祖父様が前ドルス侯爵当主を助けた事があり、それを恩着せがましく使い頼み込んで私を再婚させた。
侯爵家の生活は子爵家とは違い贅沢三昧。
執事には嫌な顔をされたけれど、旦那様が何も言わないんだから気にしない。
低位貴族と高位貴族ではマナーも違う為、この歳になって家庭教師を付けられた。
28年も下位貴族として生きてきたのよ。癖は簡単に直せないのよ!
「そうでは有りません」「違います!」と何回も同じ事を言われて…旦那様にはマナーが出来なければパーティーには一緒に連れて行けないと言われ…。
ストレス溜まって、旦那様に可愛がって貰おう寝室に行っても相手にして貰えず自分の寝室へと帰される。
まだギリギリ20代のこの身体に指1本触れない何て不能なの!?
そんな時だった。
旦那様に用があり、ブルースが屋敷を訪ねて来たのだ。
旦那様は、仕事で外出していて30分位戻らない。
待っている間、話でもしましょうとブルースを誘った。
暑くも無いのに、暑いと言ってドレスの胸元を引きパタパタと扇ぐ振りをする。
今日は胸の開いたドレスを着ていて良かった。
ブルースの目は、すっかり私の胸に釘付けだ。
ゴクッ!とブルースが喉を鳴らした。
最後の一押し。
「旦那様が、冷たくて…可愛がってくれないの…」
嘘泣きをする。
「義母上、いやマリア」
そう言ってブルースは、私に覆い被さった。
深く口付けされ、手が胸へと移った時
「旦那様が戻られるわ。それに、ここでは駄目よ」
「来週から1週間、旅行に行こう」
目立たないように、地味なワンピースを着てギブソン領に行った。
まさか、そこに知り合いが居るなんて思わずに…。
少し遊んでみたかった…火照った身体の熱を誰かに冷まして欲しかった。
相手は誰でも良かったのだ。
たまたま近くにブルースが居ただけ…。
離縁された後、実家にも行った。
縁を切ると伝え聞いたけれど、まさか本当に娘を見捨てるなんて有り得ない。
だが門が開く事はなかった。
こうなればブルースに囲ってもらうしかないと会いに行けば、兄のギルバートに追い帰された。
行く宛もなくトボトボと歩いていると昔、付き合っていたガンイ男爵に声を掛けられる。
ガンイ男爵は、私を散々抱き、飽きると娼館に連れて行き、売った。
少しすると妊娠している事に気が付く。
私、不妊じゃなかった…。
私は娼館を逃げ出した。
やっと授かった子だ。
産みたい。たとえ自分を裏切った憎い男爵の子だとしても…。
だが彼女の願いは空しく消えた。
追ってから逃れる為、土手を走っていた時に足を滑らせ転落した。
マリアは、頭を強く打ち、2度と目を開ける事はなかった…。
ケイトから離縁された。
彼女とは政略結婚だった。
浮気をしたのは、ケイトが嫌いだった訳ではない。
とても可愛いし、好きだったと思う。
義母であるマリアと浮気したのは、好きだったからではない。
彼女の豊満な身体に据え膳食わぬは男の恥と思ったからだ。
激怒した父から、リバルド辺境伯の所に修行に出される。
伯父の子爵家を継ぐ事が決まっていた私は、まともに剣さえ振れない。
伯爵家の子息で有る私が、平民達に顎で使われ、しごかれる。
屈辱的だった。
「ブルース。お前が何故ここに来させられたのか分かっているか?お前の腐った根性を直すためだろう?なのにお前ときたら…明日、ブルボイザ山にお前も連れていく。山頂に着いたら他の者達より、お前は1日後から下山を始めろ。1人で山から屋敷まで戻って来るのだ」
「そ、そんなの無理です。死んでしまう」
「人間やる気になれば出来ない事は無い」
次の日から山頂まで4日掛けて登った。
ブルースを残し、皆は次の日に下山をした。
こっそり後を付いて行こうかと考えたが、バレた時にボコボコにされる事を考えて止めた。
このブルボイザ山の訓練は、自分で飲み水と食べ物を確保しながら登山し下山する。
登山の時は、一緒に居た者達が食料を調達してくれた。でも下山は1人だ。
動物を追いかけ、川で魚を狙う。
「…駄目だ。今日は水と果物で過ごすしかない。腹減ったなぁー」
2日目も狩りは成功しない。
このままでは下山出来ずに死んでしまう。
人間死ぬ気になれば出来るもので、3日目に兎を捕らえた。
4日で下山出来る所を6日掛けて降りて来たブルースは、前の軟弱なブルースではなかった。
兄の結婚式でケイトと再会したブルースは心から謝罪した。
その後、自らリバルド辺境伯領に戻り、騎士として生涯仕えた。
◈◈◈◈◈
☆マリア
突然、旦那様に離縁すると言われ、なぜ離縁されるのか理由が分からなかった。
まさかブルースとの浮気がバレていたなんて…。
ドルス侯爵は、私よりも12歳上の40歳。
奥様を亡くしてから再婚せずに子供達と暮らしていた。
5年経っても子供が授からず、前の夫から離縁され戻った私を不憫に思ったお父様が、お祖父様が前ドルス侯爵当主を助けた事があり、それを恩着せがましく使い頼み込んで私を再婚させた。
侯爵家の生活は子爵家とは違い贅沢三昧。
執事には嫌な顔をされたけれど、旦那様が何も言わないんだから気にしない。
低位貴族と高位貴族ではマナーも違う為、この歳になって家庭教師を付けられた。
28年も下位貴族として生きてきたのよ。癖は簡単に直せないのよ!
「そうでは有りません」「違います!」と何回も同じ事を言われて…旦那様にはマナーが出来なければパーティーには一緒に連れて行けないと言われ…。
ストレス溜まって、旦那様に可愛がって貰おう寝室に行っても相手にして貰えず自分の寝室へと帰される。
まだギリギリ20代のこの身体に指1本触れない何て不能なの!?
そんな時だった。
旦那様に用があり、ブルースが屋敷を訪ねて来たのだ。
旦那様は、仕事で外出していて30分位戻らない。
待っている間、話でもしましょうとブルースを誘った。
暑くも無いのに、暑いと言ってドレスの胸元を引きパタパタと扇ぐ振りをする。
今日は胸の開いたドレスを着ていて良かった。
ブルースの目は、すっかり私の胸に釘付けだ。
ゴクッ!とブルースが喉を鳴らした。
最後の一押し。
「旦那様が、冷たくて…可愛がってくれないの…」
嘘泣きをする。
「義母上、いやマリア」
そう言ってブルースは、私に覆い被さった。
深く口付けされ、手が胸へと移った時
「旦那様が戻られるわ。それに、ここでは駄目よ」
「来週から1週間、旅行に行こう」
目立たないように、地味なワンピースを着てギブソン領に行った。
まさか、そこに知り合いが居るなんて思わずに…。
少し遊んでみたかった…火照った身体の熱を誰かに冷まして欲しかった。
相手は誰でも良かったのだ。
たまたま近くにブルースが居ただけ…。
離縁された後、実家にも行った。
縁を切ると伝え聞いたけれど、まさか本当に娘を見捨てるなんて有り得ない。
だが門が開く事はなかった。
こうなればブルースに囲ってもらうしかないと会いに行けば、兄のギルバートに追い帰された。
行く宛もなくトボトボと歩いていると昔、付き合っていたガンイ男爵に声を掛けられる。
ガンイ男爵は、私を散々抱き、飽きると娼館に連れて行き、売った。
少しすると妊娠している事に気が付く。
私、不妊じゃなかった…。
私は娼館を逃げ出した。
やっと授かった子だ。
産みたい。たとえ自分を裏切った憎い男爵の子だとしても…。
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