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「おはよう、マリアーナ」
「おはようございます、グリード殿…グリード様。昨日は、素敵なドレスを贈って頂き有り難う御座います」
「気に入って貰えたかな?」
「とても素敵で、わたくしなどには勿体無いドレスで御座います」
「君に似合う様にと思い、私が自ら選んだのだ。喜んでくれたのなら嬉しい。もちろん当日は迎えに行くから、そのつもりで待っていて欲しい」
「まぁグリード様がお迎えに来ていだだけるのですか?お忙しいのに、どうかご無理はなさらないで下さい」
忙しい合間をぬって、グリードはドレスを選んでくれたのだろう。
その気持ちが、とても嬉しい。
クリスマスパーティーまで、 後1週間。
このまま何事もなく終われば良いのだけれど、セリアが黙って何もせずにいるとは、とても思えない。
そんな事を考えていたせいか、移動教室に忘れ物をしてきた事に気が付いた。
一緒に行動していた令嬢達に声を掛け、先に教室に戻ってくれる様に告げると、私は1人で元の教室に戻る。
「ちょっと、あんた待ちなさいよ!」
乱暴に腕を掴み引き止められ、私は驚き、悲鳴をあげた。
「きゃあっ、痛い!!…えっ?セリアさん。声も掛けずに急に腕を掴み呼び止めるなんて、淑女として如何なものかと思いますよ」
「そんな事は、どうでも良いのよ!それより、あんた、一体いつまでグリードに付き纏っているのよ!彼は、あたしと結ばれる人なの!!あんたが邪魔するからグリードが、あたしといつまで経っても恋人になれないじゃない!!」
私が、グリードに付き纏っている?
どちらかと言うと彼の方が私に付き纏って…ゴホンッ!
「グリード様を呼び捨てにするなんて不敬ですよ。それに私はグリード様に付き纏ってなど…」
「いるじゃない!!彼が、本当は嫌がっているのが分からないの!?ほんと空気読めない人ねぇー。グリードは、あたしをクリスマスパーティーでエスコートしたいのよ!グリードが、あたしに近付こうとするのを邪魔するから、彼は、あたしを誘う事も出来ないのよ。あんたは、侯爵令嬢なんだから、その立場を使えば、グリードじゃなくてもエスコートしてくれる人が他に居るでしょう?まったく…パーティーまで後1週間なのよ…そろそろグリードから、あたし宛てに素敵なドレスが届いて…うふふ、ヒロインはあたしなんだもの…」
ごめんなさーい。
グリードからのドレスは、いつまで待っても届かないかなぁー。
私の所に、昨日届いたからね。
貴女、自分をヒロインと言っているけれど、漫画の中のヒロインは、貴女みたいに性格悪くなかったよね!?
貴女も、読んで知っているでしょう?
健気で可愛い子だったでしょう?
『実は、私も貴女と同じ転生者なの。
まさか漫画の世界に2人も転生するなんてねぇ~』
なんて言ったなら、貴女は、どういう反応するのかなぁ?
グリードと上手く行かないのは、私がシナリオを知っていて、先回りして邪魔してると思うのかな?
うん、思うよね!
怖いから言うのは止めよう!言うつもりもないけれど…。
「ちょっと人の話を…あっ!誰か来た!?そういう事だから、あたしとグリードの邪魔をしないでよねっ!」
そう言うと慌てて走って行ってしまった。
あの人、自分がヒロインだから何をしても許されると思っているのよね。
グリードに好かれたいなら、私に構っていないで性格直して、淑女教育を頑張りなさいよ。
なぜ彼女がヒロインに選ばれ、転生したのか謎だわ!
「おはようございます、グリード殿…グリード様。昨日は、素敵なドレスを贈って頂き有り難う御座います」
「気に入って貰えたかな?」
「とても素敵で、わたくしなどには勿体無いドレスで御座います」
「君に似合う様にと思い、私が自ら選んだのだ。喜んでくれたのなら嬉しい。もちろん当日は迎えに行くから、そのつもりで待っていて欲しい」
「まぁグリード様がお迎えに来ていだだけるのですか?お忙しいのに、どうかご無理はなさらないで下さい」
忙しい合間をぬって、グリードはドレスを選んでくれたのだろう。
その気持ちが、とても嬉しい。
クリスマスパーティーまで、 後1週間。
このまま何事もなく終われば良いのだけれど、セリアが黙って何もせずにいるとは、とても思えない。
そんな事を考えていたせいか、移動教室に忘れ物をしてきた事に気が付いた。
一緒に行動していた令嬢達に声を掛け、先に教室に戻ってくれる様に告げると、私は1人で元の教室に戻る。
「ちょっと、あんた待ちなさいよ!」
乱暴に腕を掴み引き止められ、私は驚き、悲鳴をあげた。
「きゃあっ、痛い!!…えっ?セリアさん。声も掛けずに急に腕を掴み呼び止めるなんて、淑女として如何なものかと思いますよ」
「そんな事は、どうでも良いのよ!それより、あんた、一体いつまでグリードに付き纏っているのよ!彼は、あたしと結ばれる人なの!!あんたが邪魔するからグリードが、あたしといつまで経っても恋人になれないじゃない!!」
私が、グリードに付き纏っている?
どちらかと言うと彼の方が私に付き纏って…ゴホンッ!
「グリード様を呼び捨てにするなんて不敬ですよ。それに私はグリード様に付き纏ってなど…」
「いるじゃない!!彼が、本当は嫌がっているのが分からないの!?ほんと空気読めない人ねぇー。グリードは、あたしをクリスマスパーティーでエスコートしたいのよ!グリードが、あたしに近付こうとするのを邪魔するから、彼は、あたしを誘う事も出来ないのよ。あんたは、侯爵令嬢なんだから、その立場を使えば、グリードじゃなくてもエスコートしてくれる人が他に居るでしょう?まったく…パーティーまで後1週間なのよ…そろそろグリードから、あたし宛てに素敵なドレスが届いて…うふふ、ヒロインはあたしなんだもの…」
ごめんなさーい。
グリードからのドレスは、いつまで待っても届かないかなぁー。
私の所に、昨日届いたからね。
貴女、自分をヒロインと言っているけれど、漫画の中のヒロインは、貴女みたいに性格悪くなかったよね!?
貴女も、読んで知っているでしょう?
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『実は、私も貴女と同じ転生者なの。
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うん、思うよね!
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そう言うと慌てて走って行ってしまった。
あの人、自分がヒロインだから何をしても許されると思っているのよね。
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