公爵夫人は愛されている事に気が付かない

山葵

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「ティア、私が離れたばかりに辛い思いをさせたね。ごめんね…」

「謝らなくて大丈夫です。それに、いつもの事ですから馴れております」

アーノルドの顔がピクッとして引き吊った。

「…今までにも言われていたのか?そんな事、馴れるものじゃないだろう!?」

「ご、ごめんなさい…」

アーノルドが激怒した事が怖くて、私は俯いて震えてしまった。

「ごめん。ティアに怒っているんじゃないんだよ」

アーノルドが私を抱き締めて頭に口付けをする。

「ただ私が、その事に今まで気が付かなかった事に腹が立ってね…」

「アーノルドは、悪くないわ。私が不細工だから…」

「ティアが不細工だって!?誰が、そんな事を言ったんだ!?ランド侯爵夫人とコイド伯爵夫人かっ?」

「…昔から皆が言っていたわ。私も自分で分かっているから…」

「ティアは何を言っているんだ?」

「ごめんなさい。私がアーノルドに相応しくないと分かっているのに…政略結婚だから断れなかったのよね…」

アーノルドは、愕然とした。
ティアナに自分の気持ちが伝わっていなかったのかと…。

「ティア、私は君を愛しているよ」

「私に気を遣わなくても大丈夫よ」

「ティアは、私の言葉を信じてくれないの?私は誰よりも君を1番愛しているというのに」

「そんなの…嘘よ。私を慰めるだけに嘘を言わないで…余計に惨めになるわ」

「嘘じゃない!結婚式の日に私はティアを守ると約束したじゃないか?君を愛していると告げたじゃないか!」

ティアナの動きが止まり、何かを思い出している。

「アーノルド。私は貴方に愛していると言われた事はないわ。守るとは言って貰ったけれど…」

今度はアーノルドが固まり考えている…。

「す、すまない。私は何回も告白の妄想をしていたから、守ると言って肝心の愛の告白をしていなかった…」

アーノルドは、姿勢をただし、片膝を付き跪くとティアナの手を取った。

「ティアナ・クライマス夫人。私アーノルド・クライマスは、貴女を愛している。一生君を守ると誓おう。どうか私の気持ちを受け入れて欲しい」

「私の様な不細工な者で良いのですか?」

「ティアは、可愛いよ」

「貴方の隣に立つ相応しい人がきっと居ますよ?」

「ティアが良い。ティア以外要らない」

「私もアーノルドの隣に立っていたい。その座を誰にも譲りたくは有りません。アーノルド、愛しております」

アーノルドは、喜び「2人の気持ちが繋がった初めての夜だね。今夜は初夜のやり直しだ」と言って、私を抱き上げると寝室へと向かった。
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