私の好きなお兄様

山葵

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お父様は、夕食の後に時間を作ってくれた。

私が実の子ではなく、お母様の兄であるフリーマン侯爵の子。
両親は、事故で亡くなってしまった事を告げられた。

成人して私が爵位を次げる歳まで、お父様がフリーマン侯爵領地を治めてくれている事も知らされた。

「まさか他の者から知らされるとは思わず…すまない。お前が学園に上がる前に話す事にしていたんだ」

「謝らないで下さい!お父様、お母様…今までありがとうございます」

私がフリーマン侯爵家の当主…。

あっ…お兄様も私も跡取り…だからお兄様は…。

お父様の話を聞いて、お兄様が私を避けた理由が分かったわ。

「父上、俺はリリアナと結婚する」

お、お兄様!?

あれ?お兄様の突然の爆弾発言にもお父様もお母様も動じない!?

「そうか…どちらかの爵位を返上するか…」

えっ?そんな簡単に?

今までフリーマン侯爵家も治めてくれていたのに??

お母様を見ると複雑そうな顔をしている。

どちらもお母様にとっては大切なもの…。

「お兄様、結婚の事は少し考えさせて下さい」

「リリアナ、なぜ!?」

「ごめんなさい…」

お兄様と結婚したい…。

けれど今まで育ててくれたお母様を悲しませるのは違う気がする。

呆然とするお兄様を残し、私は自分の部屋へと戻った。
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