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最近、カイルの様子がおかしい…。
そう思ったのは3ヶ月前の事。
何故なら、そろそろ次の子をと言っていたのに、私との夜を拒む様になったから。
浮気をしているかも…と思いながらも調べる事はしなかった。
私とカイルは、政略結婚だったが、お互いに気が合い結婚する頃には恋愛感情も芽生えていた。
だが、彼は、仕事面で無能…まぁ使い物にならない。
我が男爵家は、お祖父様の代から商会として成功し爵位を賜った。
まぁ成り上がり男爵だ。
一人娘だった私が婿養子を貰い、お父様の補佐として働いている。
カイルも、結婚してからは商会で働いているのだが、事務仕事は向かず、仕入れ担当にもなれず、営業も出来ず、配送に回った。
多分、浮気相手とは配送先で知り合ったのだろう。
息子のアスベスの事を思えば、父親が居た方が良いと見て見ぬふりをした。
カイルもアスベスを可愛がっていたし、実家の融資の事も有り、離縁はする事は無い。と思っていたのかもしれない。
だから、カイルが離縁を言って来た時、まさかと戸惑った。
「真実の愛」と告げたカイルに未練は捨てた。
ただ、これからのカイルの生活を考え一切の関係をたち切らないといけない。
書類を作り相手にも同意させサインをさせよう。
カイルに相手を呼んで来るように言って、私は執事と一緒に書類を急いで作成した。
相手の娘はカイルより10歳下のマリア。
隣の領地に住む没落男爵の娘…。
あぁカイルが金持ちだと思って近付いたのね。
書類を作成して良かったわ。
こんな寄生虫に付かれるなんて冗談じゃない。
サインをした2人を見て、私は心の中で
『馬鹿な人達、何が真実の愛よ』と笑いながら
「幸せになって下さいね♪」
執事からの合図を待っていた。
私が、これから言う事で、離婚を撤回されては困る。
使用人が屋敷を出たとの合図を貰い、私は、カイルとマリアに言った。
「私とアスベスは、明日より1週間、旅行に行って来ます。カイルは、あら、ごめんなさい、カイルさんは、その間に荷物を纏めて出て行って下さいね♪」
驚くカイルとマリア。
やはり分かっていなかったのね…。
本当に馬鹿なカイル。
「では、私は旅行の準備をしないといけませんので…カイルさんもマリアさんに手伝って頂いて荷物を纏められては?明日と言わずに今日出ていかれても構いませんよ。あぁ言い忘れていました。書類にも書いてあった通り、結婚後に購入した貴金属類などの金目の物は呉々も持ち出ししませんように。元夫を盗人にしたくは御座いませんから…見張りとして執事を付けますね。では、さようなら。お元気で…」
「なっ!ちょっと待て!!」
引き止め様とするカイルを無視して私は部屋を出た。
そう思ったのは3ヶ月前の事。
何故なら、そろそろ次の子をと言っていたのに、私との夜を拒む様になったから。
浮気をしているかも…と思いながらも調べる事はしなかった。
私とカイルは、政略結婚だったが、お互いに気が合い結婚する頃には恋愛感情も芽生えていた。
だが、彼は、仕事面で無能…まぁ使い物にならない。
我が男爵家は、お祖父様の代から商会として成功し爵位を賜った。
まぁ成り上がり男爵だ。
一人娘だった私が婿養子を貰い、お父様の補佐として働いている。
カイルも、結婚してからは商会で働いているのだが、事務仕事は向かず、仕入れ担当にもなれず、営業も出来ず、配送に回った。
多分、浮気相手とは配送先で知り合ったのだろう。
息子のアスベスの事を思えば、父親が居た方が良いと見て見ぬふりをした。
カイルもアスベスを可愛がっていたし、実家の融資の事も有り、離縁はする事は無い。と思っていたのかもしれない。
だから、カイルが離縁を言って来た時、まさかと戸惑った。
「真実の愛」と告げたカイルに未練は捨てた。
ただ、これからのカイルの生活を考え一切の関係をたち切らないといけない。
書類を作り相手にも同意させサインをさせよう。
カイルに相手を呼んで来るように言って、私は執事と一緒に書類を急いで作成した。
相手の娘はカイルより10歳下のマリア。
隣の領地に住む没落男爵の娘…。
あぁカイルが金持ちだと思って近付いたのね。
書類を作成して良かったわ。
こんな寄生虫に付かれるなんて冗談じゃない。
サインをした2人を見て、私は心の中で
『馬鹿な人達、何が真実の愛よ』と笑いながら
「幸せになって下さいね♪」
執事からの合図を待っていた。
私が、これから言う事で、離婚を撤回されては困る。
使用人が屋敷を出たとの合図を貰い、私は、カイルとマリアに言った。
「私とアスベスは、明日より1週間、旅行に行って来ます。カイルは、あら、ごめんなさい、カイルさんは、その間に荷物を纏めて出て行って下さいね♪」
驚くカイルとマリア。
やはり分かっていなかったのね…。
本当に馬鹿なカイル。
「では、私は旅行の準備をしないといけませんので…カイルさんもマリアさんに手伝って頂いて荷物を纏められては?明日と言わずに今日出ていかれても構いませんよ。あぁ言い忘れていました。書類にも書いてあった通り、結婚後に購入した貴金属類などの金目の物は呉々も持ち出ししませんように。元夫を盗人にしたくは御座いませんから…見張りとして執事を付けますね。では、さようなら。お元気で…」
「なっ!ちょっと待て!!」
引き止め様とするカイルを無視して私は部屋を出た。
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