【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵

文字の大きさ
3 / 11

3

しおりを挟む
最近、カイルの様子がおかしい…。

そう思ったのは3ヶ月前の事。
何故なら、そろそろ次の子をと言っていたのに、私との夜を拒む様になったから。

浮気をしているかも…と思いながらも調べる事はしなかった。

私とカイルは、政略結婚だったが、お互いに気が合い結婚する頃には恋愛感情も芽生えていた。

だが、彼は、仕事面で無能…まぁ使い物にならない。

我が男爵家は、お祖父様の代から商会として成功し爵位を賜った。
まぁ成り上がり男爵だ。

一人娘だった私が婿養子を貰い、お父様の補佐として働いている。

カイルも、結婚してからは商会で働いているのだが、事務仕事は向かず、仕入れ担当にもなれず、営業も出来ず、配送に回った。

多分、浮気相手とは配送先で知り合ったのだろう。

息子のアスベスの事を思えば、父親が居た方が良いと見て見ぬふりをした。

カイルもアスベスを可愛がっていたし、実家の融資の事も有り、離縁はする事は無い。と思っていたのかもしれない。

だから、カイルが離縁を言って来た時、まさかと戸惑った。

「真実の愛」と告げたカイルに未練は捨てた。

ただ、これからのカイルの生活を考え一切の関係をたち切らないといけない。

書類を作り相手にも同意させサインをさせよう。

カイルに相手を呼んで来るように言って、私は執事と一緒に書類を急いで作成した。

相手の娘はカイルより10歳下のマリア。
隣の領地に住む没落男爵の娘…。

あぁカイルが金持ちだと思って近付いたのね。
書類を作成して良かったわ。
こんな寄生虫に付かれるなんて冗談じゃない。

サインをした2人を見て、私は心の中で
『馬鹿な人達、何が真実の愛よ』と笑いながら

「幸せになって下さいね♪」

執事からの合図を待っていた。

私が、これから言う事で、離婚を撤回されては困る。

使用人が屋敷を出たとの合図を貰い、私は、カイルとマリアに言った。

「私とアスベスは、明日より1週間、旅行に行って来ます。カイルは、あら、ごめんなさい、カイルさんは、その間に荷物を纏めて出て行って下さいね♪」

驚くカイルとマリア。

やはり分かっていなかったのね…。
本当に馬鹿なカイル。

「では、私は旅行の準備をしないといけませんので…カイルさんもマリアさんに手伝って頂いて荷物を纏められては?明日と言わずに今日出ていかれても構いませんよ。あぁ言い忘れていました。書類にも書いてあった通り、結婚後に購入した貴金属類などの金目の物は呉々も持ち出ししませんように。元夫を盗人にしたくは御座いませんから…見張りとして執事を付けますね。では、さようなら。お元気で…」

「なっ!ちょっと待て!!」

引き止め様とするカイルを無視して私は部屋を出た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

〖完結〗残念ですが、お義姉様はこの侯爵家を継ぐことは出来ません。

藍川みいな
恋愛
五年間婚約していたジョゼフ様に、学園の中庭に呼び出され婚約破棄を告げられた。その隣でなぜか私に怯える義姉のバーバラの姿があった。 バーバラは私にいじめられたと嘘をつき、婚約者を奪った。 五年も婚約していたのに、私ではなく、バーバラの嘘を信じた婚約者。学園の生徒達も彼女の嘘を信じ、親友だと思っていた人にまで裏切られた。 バーバラの目的は、ワイヤット侯爵家を継ぐことのようだ。 だが、彼女には絶対に継ぐことは出来ない。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 感想の返信が出来ず、申し訳ありません。

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

〖完結〗愛人が離婚しろと乗り込んで来たのですが、私達はもう離婚していますよ?

藍川みいな
恋愛
「ライナス様と離婚して、とっととこの邸から出て行ってよっ!」 愛人が乗り込んで来たのは、これで何人目でしょう? 私はもう離婚していますし、この邸はお父様のものですから、決してライナス様のものにはなりません。 離婚の理由は、ライナス様が私を一度も抱くことがなかったからなのですが、不能だと思っていたライナス様は愛人を何人も作っていました。 そして親友だと思っていたマリーまで、ライナス様の愛人でした。 愛人を何人も作っていたくせに、やり直したいとか……頭がおかしいのですか? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

〖完結〗その愛、お断りします。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚して一年、幸せな毎日を送っていた。それが、一瞬で消え去った…… 彼は突然愛人と子供を連れて来て、離れに住まわせると言った。愛する人に裏切られていたことを知り、胸が苦しくなる。 邪魔なのは、私だ。 そう思った私は離婚を決意し、邸を出て行こうとしたところを彼に見つかり部屋に閉じ込められてしまう。 「君を愛してる」と、何度も口にする彼。愛していれば、何をしても許されると思っているのだろうか。 冗談じゃない。私は、彼の思い通りになどならない! *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

二人の妻に愛されていたはずだった

ぽんちゃん
恋愛
 傾いていた伯爵家を復興すべく尽力するジェフリーには、第一夫人のアナスタシアと第二夫人のクララ。そして、クララとの愛の結晶であるジェイクと共に幸せな日々を過ごしていた。  二人の妻に愛され、クララに似た可愛い跡継ぎに囲まれて、幸せの絶頂にいたジェフリー。  アナスタシアとの結婚記念日に会いにいくのだが、離縁が成立した書類が残されていた。    アナスタシアのことは愛しているし、もちろん彼女も自分を愛していたはずだ。  何かの間違いだと調べるうちに、真実に辿り着く。  全二十八話。  十六話あたりまで苦しい内容ですが、堪えて頂けたら幸いです(><)

〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。

藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。 「……旦那様、何をしているのですか?」 その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。 そして妹は、 「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と… 旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。 信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

妹が約束を破ったので、もう借金の肩代わりはやめます

なかの豹吏
恋愛
  「わたしも好きだけど……いいよ、姉さんに譲ってあげる」  双子の妹のステラリアはそう言った。  幼なじみのリオネル、わたしはずっと好きだった。 妹もそうだと思ってたから、この時は本当に嬉しかった。  なのに、王子と婚約したステラリアは、王子妃教育に耐えきれずに家に帰ってきた。 そして、 「やっぱり女は初恋を追うものよね、姉さんはこんな身体だし、わたし、リオネルの妻になるわっ!」  なんて、身勝手な事を言ってきたのだった。 ※この作品は他サイトにも掲載されています。

処理中です...