2 / 7
2
しおりを挟む
「3ヶ月後に開かれるコンバット侯爵家嫡男ジルフィード殿の誕生日パーティーに我が家も招待された。どうやら誕生日パーティーには嫡男殿と見合うご令嬢が招待されている様だ。」
お父様の言葉に、そう言えば前もジルフィード様の誕生日パーティーに家族で出席したんだっけ。あの日にジルフィード様に見初められて婚約したんだと思い出す。
あー。私を恨んでいる人、1人居たわ。
ジルフィード様の幼馴染みで彼に恋しているガバラ子爵家のアリスさん。
家格の違いからジルフィード様の婚約者候補にも挙げられなかった彼女だが、ジルフィード様と婚約が出来ないのは私が邪魔をしているせいだと勘違いからの逆恨みをして、学園に入学して私と会う様になると嫌がらせをし始めた。それがジルフィード様にバレて子爵家からも追い出された。
あの後追い出されたアリスさんは、どうなったのかしら?
彼女が屋敷の誰かと内通して私に毒を?
自分の事をジルフィード様が愛していると思い込んでいた彼女は、激怒したジルフィード様からの暴言に心が壊れてしまった様に見えた。
そんな彼女が人を使う?
「コンバット侯爵家のジルフィード様は確か、まだ婚約者は決まってないんですよね?ではお姉様や私がジルフィード様と婚約する事もあるんですよね?お母様、私のドレスは会場で一番目立つデザインにして欲しいです。他のご令嬢に負けないドレスにして下さい!」
アリアナは、ジルフィード様の目に留まろうとしていたんだ…。
私なんて、侯爵家のパーティーに出席出来ると聞いて楽しみで浮かれていただけだったのに。
アリアナは、リボンを沢山付けたローズピンクのフリフリドレスを、私はリボンは控え目のレースを取り入れたクリーム色のドレスを作ってもらった。
前回は、アリアナと似たデザインでオレンジで2人で目立って居たっけ。
婚約者となったジルフィード様の事は会う度に彼を知り好きになっていった。
だが命を掛けてまで婚約したいかといえば否。
私は自分が可愛い、死にたくないのだ。
犯人が誰であるか分からない以上、アリスさんとの関係は避けたい。
それに私が気が付いていなかっただけで、ジルフィード様との婚約で恨みを買っていた可能性もある。
皆に祝福されていたと思っていたが、腹黒な貴族ほど笑顔でおべっかを使ってくる。
ジルフィード様との婚約で舞い上がっていた私は周りが見えず本当に馬鹿だったわ。
でも、もし…もしも地味な私でもジルフィード様がまた見初めてくれたのならと淡い期待を抱いてしまうのは、彼を好きだという気持ちを捨てきれないから…駄目ね。
偶然、私に嫌がらせをするアリスさんとの場に現れたジルフィード様は、アリスさんの言い訳も聞く事なく私を抱き締めながら、彼女に罵声を浴びせていた。
幼馴染みの彼女よりも私を庇ってくれた事が嬉しく泣いてしまった。
後日、モルク伯爵家を訪ねてきたジルフィード様から、改めて謝罪された。
「ソフィア、ごめん。僕がもっと早く気が付いていれば。アリスの好意には気が付いていた。だけど僕はアリスに幼馴染み以上の感情は持てなくて、アリスにもそれとなく伝えていたんだ。こんな事になるなら、もっとハッキリとアリスに伝えていれば良かった。まさかソフィアに危害を加えるなんて。どこをどう捉えれば、伯爵家の君が侯爵家の僕を脅して無理矢理婚約者になったなんて事になるんだ?僕が本当はアリスを愛しているのに泣く泣くソフィアと結婚するんだとなるんだ?父上が子爵家には抗議文を送ったからアリスが僕達の前に現れる事は2度とない。ソフィア、こんな事が合ったからと婚約解消なんて思わないで。僕はソフィアが好きなんだ。もう2度と君を傷付けさせない。必ず守るから、どうか側に居て欲しい!」
そう言って、私に跪き手の項に口付けをしてくれたジルフィード様。
そんな彼が私を殺すとは思えないし、思いたくもなかった。
お父様の言葉に、そう言えば前もジルフィード様の誕生日パーティーに家族で出席したんだっけ。あの日にジルフィード様に見初められて婚約したんだと思い出す。
あー。私を恨んでいる人、1人居たわ。
ジルフィード様の幼馴染みで彼に恋しているガバラ子爵家のアリスさん。
家格の違いからジルフィード様の婚約者候補にも挙げられなかった彼女だが、ジルフィード様と婚約が出来ないのは私が邪魔をしているせいだと勘違いからの逆恨みをして、学園に入学して私と会う様になると嫌がらせをし始めた。それがジルフィード様にバレて子爵家からも追い出された。
あの後追い出されたアリスさんは、どうなったのかしら?
彼女が屋敷の誰かと内通して私に毒を?
自分の事をジルフィード様が愛していると思い込んでいた彼女は、激怒したジルフィード様からの暴言に心が壊れてしまった様に見えた。
そんな彼女が人を使う?
「コンバット侯爵家のジルフィード様は確か、まだ婚約者は決まってないんですよね?ではお姉様や私がジルフィード様と婚約する事もあるんですよね?お母様、私のドレスは会場で一番目立つデザインにして欲しいです。他のご令嬢に負けないドレスにして下さい!」
アリアナは、ジルフィード様の目に留まろうとしていたんだ…。
私なんて、侯爵家のパーティーに出席出来ると聞いて楽しみで浮かれていただけだったのに。
アリアナは、リボンを沢山付けたローズピンクのフリフリドレスを、私はリボンは控え目のレースを取り入れたクリーム色のドレスを作ってもらった。
前回は、アリアナと似たデザインでオレンジで2人で目立って居たっけ。
婚約者となったジルフィード様の事は会う度に彼を知り好きになっていった。
だが命を掛けてまで婚約したいかといえば否。
私は自分が可愛い、死にたくないのだ。
犯人が誰であるか分からない以上、アリスさんとの関係は避けたい。
それに私が気が付いていなかっただけで、ジルフィード様との婚約で恨みを買っていた可能性もある。
皆に祝福されていたと思っていたが、腹黒な貴族ほど笑顔でおべっかを使ってくる。
ジルフィード様との婚約で舞い上がっていた私は周りが見えず本当に馬鹿だったわ。
でも、もし…もしも地味な私でもジルフィード様がまた見初めてくれたのならと淡い期待を抱いてしまうのは、彼を好きだという気持ちを捨てきれないから…駄目ね。
偶然、私に嫌がらせをするアリスさんとの場に現れたジルフィード様は、アリスさんの言い訳も聞く事なく私を抱き締めながら、彼女に罵声を浴びせていた。
幼馴染みの彼女よりも私を庇ってくれた事が嬉しく泣いてしまった。
後日、モルク伯爵家を訪ねてきたジルフィード様から、改めて謝罪された。
「ソフィア、ごめん。僕がもっと早く気が付いていれば。アリスの好意には気が付いていた。だけど僕はアリスに幼馴染み以上の感情は持てなくて、アリスにもそれとなく伝えていたんだ。こんな事になるなら、もっとハッキリとアリスに伝えていれば良かった。まさかソフィアに危害を加えるなんて。どこをどう捉えれば、伯爵家の君が侯爵家の僕を脅して無理矢理婚約者になったなんて事になるんだ?僕が本当はアリスを愛しているのに泣く泣くソフィアと結婚するんだとなるんだ?父上が子爵家には抗議文を送ったからアリスが僕達の前に現れる事は2度とない。ソフィア、こんな事が合ったからと婚約解消なんて思わないで。僕はソフィアが好きなんだ。もう2度と君を傷付けさせない。必ず守るから、どうか側に居て欲しい!」
そう言って、私に跪き手の項に口付けをしてくれたジルフィード様。
そんな彼が私を殺すとは思えないし、思いたくもなかった。
156
あなたにおすすめの小説
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
幼馴染の公爵令嬢が、私の婚約者を狙っていたので、流れに身を任せてみる事にした。
完菜
恋愛
公爵令嬢のアンジェラは、自分の婚約者が大嫌いだった。アンジェラの婚約者は、エール王国の第二王子、アレックス・モーリア・エール。彼は、誰からも愛される美貌の持ち主。何度、アンジェラは、婚約を羨ましがられたかわからない。でもアンジェラ自身は、5歳の時に婚約してから一度も嬉しいなんて思った事はない。アンジェラの唯一の幼馴染、公爵令嬢エリーもアンジェラの婚約者を羨ましがったうちの一人。アンジェラが、何度この婚約が良いものではないと説明しても信じて貰えなかった。アンジェラ、エリー、アレックス、この三人が貴族学園に通い始めると同時に、物語は動き出す。
王宮図書館の司書は、第二王子のお気に入りです
碧井 汐桜香
恋愛
格上であるサーベンディリアンヌ公爵家とその令嬢ファメリアについて、蔑んで語るファメリアの婚約者ナッツル・キリグランド伯爵令息。
いつものように友人たちに嘆いていると、第二王子であるメルフラッツォがその会話に混ざってきた。
悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
婚約者に好きな人ができたらしい(※ただし事実とは異なります)
彗星
恋愛
主人公ミアと、婚約者リアムとのすれ違いもの。学園の人気者であるリアムを、婚約者を持つミアは、公爵家のご令嬢であるマリーナに「彼は私のことが好きだ」と言われる。その言葉が引っかかったことで、リアムと婚約解消した方がいいのではないかと考え始める。しかし、リアムの気持ちは、ミアが考えることとは違うらしく…。
一年付き合ってるイケメン彼氏ともっと深い関係になりたいのに、あっちはその気がないみたいです…
ツキノトモリ
恋愛
伯爵令嬢のウラリーは伯爵令息のビクトルに告白され、付き合うことになった。彼は優しくてかっこよくて、まさに理想の恋人!だが、ある日ウラリーは一年も交際しているのにビクトルとキスをしたことがないことに気付いてしまった。そこでウラリーが取った行動とは…?!
【完結】殿下は私を溺愛してくれますが、あなたの“真実の愛”の相手は私ではありません
Rohdea
恋愛
──私は“彼女”の身代わり。
彼が今も愛しているのは亡くなった元婚約者の王女様だけだから──……
公爵令嬢のユディットは、王太子バーナードの婚約者。
しかし、それは殿下の婚約者だった隣国の王女が亡くなってしまい、
国内の令嬢の中から一番身分が高い……それだけの理由で新たに選ばれただけ。
バーナード殿下はユディットの事をいつも優しく、大切にしてくれる。
だけど、その度にユディットの心は苦しくなっていく。
こんな自分が彼の婚約者でいていいのか。
自分のような理由で互いの気持ちを無視して決められた婚約者は、
バーナードが再び心惹かれる“真実の愛”の相手を見つける邪魔になっているだけなのでは?
そんな心揺れる日々の中、
二人の前に、亡くなった王女とそっくりの女性が現れる。
実は、王女は襲撃の日、こっそり逃がされていて実は生きている……
なんて噂もあって────
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる