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喉の乾きに目を覚まし、私はベッドの横のテーブルの上の水差しを手に取った。
コップに水を移すと一気に飲み干した。
身体のダルさから、食事も取らずに寝入ってしまった。
ふっと水差しの横に飴やクッキーがお皿に置かれていた。
疲れた時は甘いものと、クッキーを1つ手に取り口に含む。
ゲホッ、ゲホッ!
く、苦しい、誰か…たす……。
声を出す事も出来ず、私はそのまま意識が朦朧とする中で女の人の声が聞こえた。
『お願い神様。ソフィアを…』
私の意識はそこで事切れた。
「……様、起き下さいませフィオナお嬢様」
「う~ん、リナ?……えっ!?朝!?」
「はい、お目覚めの時間ですよ。もしかして夜中にお目覚めになって眠れずに夜更かしなさってしまったのですか?」
夜中に目が覚めて水を飲みクッキーを食べて、私は死んだはず。
なのに、私は生きて朝を迎えている。
あの出来事は夢だったのだろうか?
「さぁ朝食の時間に遅れてしまいます。急いで支度をしますよ。」
リナに言われてベッドから降りようとして違和感に気が付く。
微妙にベッドが高くなっている?
周りを見渡せば、ベッドに置かれているぬいぐるみや、ラナが着替えとして選んでいるワンピース、それに私の身体が縮んでるっ!?
「な、何でぇー!?」
私の叫び声にリナは驚き、慌てて駆け寄ってきた。
「フィオナお嬢様、どうされましたか?」
「リ、リナ。わ、私、ち、縮んじゃったぁー!何で?どうして!?」
パニックを起こしていた私をリナは、失礼します!と言ってギュッと抱き締めた。
「落ち着いて下さい、フィオナお嬢様。悪い夢でも見てしまったのですね。大丈夫です。リナが近くにおります。」
落ち着きを取り戻し出した私の背中をポンッポンッとリズム良く叩いてくれる。
「リナ、ありがとう。もう大丈夫。……その夢で私は15歳で…」
「15歳ですか?うふふ、そうですね、10歳のお嬢様とは背も身体付きも違いますから縮んでると思ってしまいますね。さあ、もう完全に目は覚めましたよね?では急いで支度をしましょう。きっと皆様、食堂でフィオナお嬢様をお待ちですよ!」
それからのリナは早かった。
私が顔を洗うと着替えさせて髪を整えてくれた。
お陰で、皆を待たせる事なく食堂に行く事が出来た。
私の家族は、モルク伯爵当主のお父様、伯爵夫人のお母様、次期当主であるロバートお兄様、妹のアリアナの5人だ。
家族仲は良く、いつも笑顔が絶えない。
私は、誰かに殺されたのよね?
クッキーを食べて死んだのだから毒殺よね。
私に毒を盛ったのは一体誰なのか…。
恨まれている自覚はなかった。
けれど相手に取って私は殺したいほど憎い人だったのだろう。
家族の中に居るとは思いたくない。
では使用人?
クッキーを作った料理長?
粗相をすれば注意する事はあった。
けれど殺されるほど叱責した覚えはない。
それに我が家は使用人達とも皆仲良くしている。
考えても思い当たる人が分からない。
15歳までの5年間に人に恨みを買い殺されるなんて…。
犯人も分からないのに、どう回避すれば良いのだろう?
コップに水を移すと一気に飲み干した。
身体のダルさから、食事も取らずに寝入ってしまった。
ふっと水差しの横に飴やクッキーがお皿に置かれていた。
疲れた時は甘いものと、クッキーを1つ手に取り口に含む。
ゲホッ、ゲホッ!
く、苦しい、誰か…たす……。
声を出す事も出来ず、私はそのまま意識が朦朧とする中で女の人の声が聞こえた。
『お願い神様。ソフィアを…』
私の意識はそこで事切れた。
「……様、起き下さいませフィオナお嬢様」
「う~ん、リナ?……えっ!?朝!?」
「はい、お目覚めの時間ですよ。もしかして夜中にお目覚めになって眠れずに夜更かしなさってしまったのですか?」
夜中に目が覚めて水を飲みクッキーを食べて、私は死んだはず。
なのに、私は生きて朝を迎えている。
あの出来事は夢だったのだろうか?
「さぁ朝食の時間に遅れてしまいます。急いで支度をしますよ。」
リナに言われてベッドから降りようとして違和感に気が付く。
微妙にベッドが高くなっている?
周りを見渡せば、ベッドに置かれているぬいぐるみや、ラナが着替えとして選んでいるワンピース、それに私の身体が縮んでるっ!?
「な、何でぇー!?」
私の叫び声にリナは驚き、慌てて駆け寄ってきた。
「フィオナお嬢様、どうされましたか?」
「リ、リナ。わ、私、ち、縮んじゃったぁー!何で?どうして!?」
パニックを起こしていた私をリナは、失礼します!と言ってギュッと抱き締めた。
「落ち着いて下さい、フィオナお嬢様。悪い夢でも見てしまったのですね。大丈夫です。リナが近くにおります。」
落ち着きを取り戻し出した私の背中をポンッポンッとリズム良く叩いてくれる。
「リナ、ありがとう。もう大丈夫。……その夢で私は15歳で…」
「15歳ですか?うふふ、そうですね、10歳のお嬢様とは背も身体付きも違いますから縮んでると思ってしまいますね。さあ、もう完全に目は覚めましたよね?では急いで支度をしましょう。きっと皆様、食堂でフィオナお嬢様をお待ちですよ!」
それからのリナは早かった。
私が顔を洗うと着替えさせて髪を整えてくれた。
お陰で、皆を待たせる事なく食堂に行く事が出来た。
私の家族は、モルク伯爵当主のお父様、伯爵夫人のお母様、次期当主であるロバートお兄様、妹のアリアナの5人だ。
家族仲は良く、いつも笑顔が絶えない。
私は、誰かに殺されたのよね?
クッキーを食べて死んだのだから毒殺よね。
私に毒を盛ったのは一体誰なのか…。
恨まれている自覚はなかった。
けれど相手に取って私は殺したいほど憎い人だったのだろう。
家族の中に居るとは思いたくない。
では使用人?
クッキーを作った料理長?
粗相をすれば注意する事はあった。
けれど殺されるほど叱責した覚えはない。
それに我が家は使用人達とも皆仲良くしている。
考えても思い当たる人が分からない。
15歳までの5年間に人に恨みを買い殺されるなんて…。
犯人も分からないのに、どう回避すれば良いのだろう?
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