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「まったくお前はいつも小言ばかり…男の俺を立てる事を知らないのか?俺がミスしそうなら黙ってフォローするのが婚約者のお前の務めだろう!?伯爵令嬢ごときが次期公爵の俺に嫁げるんだぞ!?ああーもう良い、お前との婚約は解消する!」
「婚約破棄という事で宜しいですか?承りました」
学園の食堂で俺は婚約者シャロン・リバンナに婚約を解消すると言った。
シャロンは、困り俺に許しを請うだろうと思っての発言だった。
「おい、聞いたか?シャロン様が婚約破棄されたぞ。こうしてはおれん!!」
「リバンナ伯爵令嬢、もし宜しければ私と婚約して頂けませんか?」
「おい、狡いぞ!私が先に並んでいただろう!?」
なんだ!?シャロンの前には いつの間にか貴族令息達が列を作り婚約の申し込みをしている。
「ちょ、ちょっと待てっ!シャロンは、俺の婚約者…「元婚約者だろう?」殿下!?」
第2王子までシャロンの前に跪き、婚姻の申し込みをし始めた。
第2王子が申し込みをしたのを見た貴族令息達は勝ち目はないと残念そうに見ている。
「で、殿下。お戯れはおよし下さい。シャロンは、私の婚約者…「だから元ね。君は先程、皆の前で婚約を解消すると言った。シャロン嬢は、それを受けた。もう2人は婚約者ではない」
「ま、まだ正式に書類を…「それならば大丈夫。君の発言を受けて、側近のローランを公爵家に向かわせた。そろそろ公爵も知っている頃だろう」
「はっ!?なんでそんな事を!」
「私は、いやこの場に居る子息達は優秀で優しく、賢いシャロン嬢に憧れていたんだ。しかしシャロン嬢の横には横柄な態度で彼女の良さが分からない馬鹿な婚約者が居た。そんな馬鹿で横柄な男が婚約を解消すると言ったんだよ。このチャンスを逃す愚かな者は、その馬鹿な元婚約者しかいないさっ」
俺は狼狽えた。
ちょっと脅しただけなんだ。
本気で婚約を解消しようなんて思っていない。
「シャ、シャロン。先程の事は謝る。許してくれ。婚約解消は冗談だったんだ。まさかシャロンが本気にするなんて思ってもみなかったんだ」
「ダイダル様」
シャロンが微笑みながら俺の名前を呼んでいる。
大丈夫だ。シャロンは、分かってくれていたのだ。
「はぁー冗談で言って良い事と悪い事の判断も出来ないのですか?わたくしはダイダル様の婚約破棄を本気にし了承したのです。今更、冗談と言われても覆りませんわ。ああそれとダ、あらもう婚約者では御座いませんでしたわ。失礼致しました。ブランガ公爵令息様に確認しましたよね?婚約破棄かと。勿論、慰謝料の請求もさせて頂きますので、そのおつもりで」
「それから皆様、婚姻の申し込みはリバンナ伯爵である父を通してお願いします。ではブランガ公爵令息様、屋敷に帰って婚約破棄の手続きを父にお願いしますので失礼させて頂きます」
ほら逃がした魚は大きかったでしょう!?と殿下は笑って、さぁ父上に頼んでリバンナ伯爵にお願いして貰おう!と言って去っていった。
「ただいま戻…フガァー!!」
玄関を入れば待ち構えていた父上が殴り付けて来た。
「お、お前は自分が何をしたのか分かっているのか!?公爵家の爵位を使って、やっとリバンナ伯爵に了承させたのに。シャロンは、この国の土壌改良に貢献し陛下から賞賛され爵位も賜っている。彼女の知識を使えば我がブランガ公爵家は安泰が約束されたも同然だったものをっ!ブランガ公爵家はお前でなくガダルに継がせる。ガダルの婚約者もシャロンには負けるが優秀だからな。お前は学園を卒業したら屋敷を出て好きに暮らすが良い」
「そんな、父上」
「学園を卒業するまで通わせてやるのだ、有り難いと思え。卒業までの2年で職を見つけろ!」
その後、シャロンは、第2王子と婚約した。
俺は、それからの2年間、死に物狂いで勉強し何とか王宮での文官の職を手に入れた。
卒業後は、官寮に住み、細々と暮らしている。
たまに王宮でシャロン王子妃を見かける。
隣にいる殿下と仲良く楽しそうに話をして歩いている。
どこで間違ったのだろう…。
彼女は俺と結婚するはずだったのに…。
いや、もう過去を悔やむのは止めよう。
私も、いつか横で笑ってくれる人に巡り会いたい…。
END
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最後まで読んで頂き ありがとうございます。
「婚約破棄という事で宜しいですか?承りました」
学園の食堂で俺は婚約者シャロン・リバンナに婚約を解消すると言った。
シャロンは、困り俺に許しを請うだろうと思っての発言だった。
「おい、聞いたか?シャロン様が婚約破棄されたぞ。こうしてはおれん!!」
「リバンナ伯爵令嬢、もし宜しければ私と婚約して頂けませんか?」
「おい、狡いぞ!私が先に並んでいただろう!?」
なんだ!?シャロンの前には いつの間にか貴族令息達が列を作り婚約の申し込みをしている。
「ちょ、ちょっと待てっ!シャロンは、俺の婚約者…「元婚約者だろう?」殿下!?」
第2王子までシャロンの前に跪き、婚姻の申し込みをし始めた。
第2王子が申し込みをしたのを見た貴族令息達は勝ち目はないと残念そうに見ている。
「で、殿下。お戯れはおよし下さい。シャロンは、私の婚約者…「だから元ね。君は先程、皆の前で婚約を解消すると言った。シャロン嬢は、それを受けた。もう2人は婚約者ではない」
「ま、まだ正式に書類を…「それならば大丈夫。君の発言を受けて、側近のローランを公爵家に向かわせた。そろそろ公爵も知っている頃だろう」
「はっ!?なんでそんな事を!」
「私は、いやこの場に居る子息達は優秀で優しく、賢いシャロン嬢に憧れていたんだ。しかしシャロン嬢の横には横柄な態度で彼女の良さが分からない馬鹿な婚約者が居た。そんな馬鹿で横柄な男が婚約を解消すると言ったんだよ。このチャンスを逃す愚かな者は、その馬鹿な元婚約者しかいないさっ」
俺は狼狽えた。
ちょっと脅しただけなんだ。
本気で婚約を解消しようなんて思っていない。
「シャ、シャロン。先程の事は謝る。許してくれ。婚約解消は冗談だったんだ。まさかシャロンが本気にするなんて思ってもみなかったんだ」
「ダイダル様」
シャロンが微笑みながら俺の名前を呼んでいる。
大丈夫だ。シャロンは、分かってくれていたのだ。
「はぁー冗談で言って良い事と悪い事の判断も出来ないのですか?わたくしはダイダル様の婚約破棄を本気にし了承したのです。今更、冗談と言われても覆りませんわ。ああそれとダ、あらもう婚約者では御座いませんでしたわ。失礼致しました。ブランガ公爵令息様に確認しましたよね?婚約破棄かと。勿論、慰謝料の請求もさせて頂きますので、そのおつもりで」
「それから皆様、婚姻の申し込みはリバンナ伯爵である父を通してお願いします。ではブランガ公爵令息様、屋敷に帰って婚約破棄の手続きを父にお願いしますので失礼させて頂きます」
ほら逃がした魚は大きかったでしょう!?と殿下は笑って、さぁ父上に頼んでリバンナ伯爵にお願いして貰おう!と言って去っていった。
「ただいま戻…フガァー!!」
玄関を入れば待ち構えていた父上が殴り付けて来た。
「お、お前は自分が何をしたのか分かっているのか!?公爵家の爵位を使って、やっとリバンナ伯爵に了承させたのに。シャロンは、この国の土壌改良に貢献し陛下から賞賛され爵位も賜っている。彼女の知識を使えば我がブランガ公爵家は安泰が約束されたも同然だったものをっ!ブランガ公爵家はお前でなくガダルに継がせる。ガダルの婚約者もシャロンには負けるが優秀だからな。お前は学園を卒業したら屋敷を出て好きに暮らすが良い」
「そんな、父上」
「学園を卒業するまで通わせてやるのだ、有り難いと思え。卒業までの2年で職を見つけろ!」
その後、シャロンは、第2王子と婚約した。
俺は、それからの2年間、死に物狂いで勉強し何とか王宮での文官の職を手に入れた。
卒業後は、官寮に住み、細々と暮らしている。
たまに王宮でシャロン王子妃を見かける。
隣にいる殿下と仲良く楽しそうに話をして歩いている。
どこで間違ったのだろう…。
彼女は俺と結婚するはずだったのに…。
いや、もう過去を悔やむのは止めよう。
私も、いつか横で笑ってくれる人に巡り会いたい…。
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