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四章
性徒会執行部、始動 3
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「と、とにかく俺が言いたいのは、陰口として貧乳を馬鹿にするのは構わない。でも、この子が気にしてるであろうことを目の前で馬鹿にしたことが許せないんだ! この子に謝れ!」
何としても謝らせる。これだけは譲れない。おっぱいを持たざる男が、女性にだけ許された神聖なものを、馬鹿にしていい男がこの世に一人もいていいはずがないんだ。
「謝れ? 俺が? こいつに? 別にBだろうが貧乳にかわりねーだろ。わざわざ謝るようなことを俺がしたとは思えないね。勝手に出てきてなんだよお前ら」
「俺は……。いや、俺たちは性徒会執行部だ!」
こんなやつがいるなんて俺は許せない。井上先輩は自信のおっぱいを使って争いを無くす。その井上先輩の考えは間違ってないと思う。
ただ、こういうおっぱいを馬鹿にするやつもいるし、巨乳派、貧乳派、色々な好みの人間がいる。だったら、俺は性徒会執行部として、おっぱいで争いをすることを無くす活動をする。
これだって立派におっぱいで争いを無くすにはいるだろう。性徒会執行部に入ったことにもう後悔はない。絶対におっぱいで争いなんてさせない!
「ちが……違うのいっくん!」
「何が違うんだよ」
「あの……その、私……」
……?
「実は……、その……」
なんか、流れが変わったような気がするんだけど……。
「早く言えや!」
「ごめんなさい、本当はCカップなの。それで、成長中なの!!」
「え、まじか!」
えええええええええええ!!!
「うん……、貧乳じゃなかったら嫌われると思って黙ってたの……。ごめんなさい」
「あ、え!? ま、まじで言ってんの? うわー、まじか。俺の方もごめんな、かな」
「うん……。いっくん、私のこと捨てないでくれる?」
「もちろんだよ、かな。あんなこと言ってごめんな?」
「いいの、いっくん。大好き」
「あ、そういえばさ、胸って揉めば大きくなるっていうよな。こうしちゃいられねぇ。今すぐ俺の家来いかな。めちゃくちゃ揉んでやるよ」
「……うん」
「え、ちょ。待てよお前ら!」
え、なにこの展開!? しかもかなって呼ばれてた子、顔赤くしていっくんとか言うやつについて行ったよ。
「は? え? 嘘だろ!? おいってば!」
二人は俺の呼びかけにこたえることなく正門の方へと歩いて行っている。その後ろ姿をみていると、いっくんってやつは右手をかなって子のお尻に回していた。それどころか、左手が胸を触りにいってるように見えるんだけど!?
そんなことをされているっていうのに、かなって子は首を肩に預けてる、だと!?
「あれ……何でこうなったの……?」
「悠斗……」
二人が見えない様に、井上先輩は俺の前へと割りこんで肩を叩いてきた。
「悠斗、大丈夫か? ここは私が慰めてあげる、さぁ」
そういうと、両手を広げて飛び込んでこいと慈悲深い顔を俺に向けてきた。
俺は迷わず顔をその胸へと押し込むと、包み込むようにしてそのまま井上先輩は抱きついてきた。
「あんな、あんなことがあって良いんですか?」
俺の声は今にも泣き出しそうなくらいに震えていた。なんとも情けない。
「悠斗、お前の雄姿はかっこよかったぞ。それに、悠斗が割りこまずに私が胸を触らせていたら、いっくんとかなの二人の関係は崩れていただろう。それを復縁させたんだ、悠斗のやったことは何一つ間違えてない。むしろ誇って良いんだ。危うく私は性徒会執行部の理念である、おっぱいで争いを無くすに反する行動をするところだった。私からもお礼を言わせてもらおう」
あの二人にはドン引きされたけど、井上先輩は引くどころか感謝すらしてくれた。心なしか、抱きしめる力が増したような気もする。
「俺、おっぱいで争うとか嫌なんです。だから、おっぱいで争うことをなくすような活動、してもいいんですかね? 性徒会執行部で」
「ああ、それは私にはできないことだ。悠斗、お前を部活に誘って良かったよ」
そういうと、先輩は俺の頭を撫でてくれた。
「今回は駄目だったけど、次からはおっぱいで争っているところには悠斗に行ってもらう」
「……はい」
「別に悠斗の考えを押し付けてもいいんだぞ? 「別に無理に貧乳の良さをお前に押し付けようとは思わない」なんて言っていたけど、おっぱいの良さを伝えればいいんだ。それでも考えを変えないならそれまでだ。言うだけは言ってもいいんだぞ? 悠斗」
「……はい」
「今回は、お疲れ様」
井上先輩はポンポンと頭を優しく叩いてくれた。まるで泣きじゃくる子供をあやすかのように。そのにじみ出る優しさは胸にまで行き渡っていて、俺を優しく包み込んでくれていた。
溜めに溜めた涙は崩壊するかのように、目から流れてて、俺は声を出して泣いた。
すると、より一層愛おしいものを愛するように、先輩は力を込めて抱いてくれる。その優しさが今の俺には本当にありがたかった。
あんな俺を肯定してくれて、自分の意見を押し付けても言いと言ってくれた。これが頼れる先輩というものなんだろう。
泣くだけ泣いた俺は、先輩から離れようとしたけど、全く放してくれなかった。息をすることも忘れて泣いていたみたいで、急に苦しくなってきた。
放してもらえないなら、せめて酸素をと、俺の頭をしっかりと包み込んでいる先輩の胸を広げようとした。けど、その胸は柔らかさのあまり俺の手をも吸い込む。
「あっ……悠斗」
なぜだか先輩は感じているみたいで、さらに腕の力が増した。
もがけばもがくほど酸素を消費し、蛇のように先輩も力が増していく。
どうすることもできず、俺は先輩の胸の中で窒息した。
何としても謝らせる。これだけは譲れない。おっぱいを持たざる男が、女性にだけ許された神聖なものを、馬鹿にしていい男がこの世に一人もいていいはずがないんだ。
「謝れ? 俺が? こいつに? 別にBだろうが貧乳にかわりねーだろ。わざわざ謝るようなことを俺がしたとは思えないね。勝手に出てきてなんだよお前ら」
「俺は……。いや、俺たちは性徒会執行部だ!」
こんなやつがいるなんて俺は許せない。井上先輩は自信のおっぱいを使って争いを無くす。その井上先輩の考えは間違ってないと思う。
ただ、こういうおっぱいを馬鹿にするやつもいるし、巨乳派、貧乳派、色々な好みの人間がいる。だったら、俺は性徒会執行部として、おっぱいで争いをすることを無くす活動をする。
これだって立派におっぱいで争いを無くすにはいるだろう。性徒会執行部に入ったことにもう後悔はない。絶対におっぱいで争いなんてさせない!
「ちが……違うのいっくん!」
「何が違うんだよ」
「あの……その、私……」
……?
「実は……、その……」
なんか、流れが変わったような気がするんだけど……。
「早く言えや!」
「ごめんなさい、本当はCカップなの。それで、成長中なの!!」
「え、まじか!」
えええええええええええ!!!
「うん……、貧乳じゃなかったら嫌われると思って黙ってたの……。ごめんなさい」
「あ、え!? ま、まじで言ってんの? うわー、まじか。俺の方もごめんな、かな」
「うん……。いっくん、私のこと捨てないでくれる?」
「もちろんだよ、かな。あんなこと言ってごめんな?」
「いいの、いっくん。大好き」
「あ、そういえばさ、胸って揉めば大きくなるっていうよな。こうしちゃいられねぇ。今すぐ俺の家来いかな。めちゃくちゃ揉んでやるよ」
「……うん」
「え、ちょ。待てよお前ら!」
え、なにこの展開!? しかもかなって呼ばれてた子、顔赤くしていっくんとか言うやつについて行ったよ。
「は? え? 嘘だろ!? おいってば!」
二人は俺の呼びかけにこたえることなく正門の方へと歩いて行っている。その後ろ姿をみていると、いっくんってやつは右手をかなって子のお尻に回していた。それどころか、左手が胸を触りにいってるように見えるんだけど!?
そんなことをされているっていうのに、かなって子は首を肩に預けてる、だと!?
「あれ……何でこうなったの……?」
「悠斗……」
二人が見えない様に、井上先輩は俺の前へと割りこんで肩を叩いてきた。
「悠斗、大丈夫か? ここは私が慰めてあげる、さぁ」
そういうと、両手を広げて飛び込んでこいと慈悲深い顔を俺に向けてきた。
俺は迷わず顔をその胸へと押し込むと、包み込むようにしてそのまま井上先輩は抱きついてきた。
「あんな、あんなことがあって良いんですか?」
俺の声は今にも泣き出しそうなくらいに震えていた。なんとも情けない。
「悠斗、お前の雄姿はかっこよかったぞ。それに、悠斗が割りこまずに私が胸を触らせていたら、いっくんとかなの二人の関係は崩れていただろう。それを復縁させたんだ、悠斗のやったことは何一つ間違えてない。むしろ誇って良いんだ。危うく私は性徒会執行部の理念である、おっぱいで争いを無くすに反する行動をするところだった。私からもお礼を言わせてもらおう」
あの二人にはドン引きされたけど、井上先輩は引くどころか感謝すらしてくれた。心なしか、抱きしめる力が増したような気もする。
「俺、おっぱいで争うとか嫌なんです。だから、おっぱいで争うことをなくすような活動、してもいいんですかね? 性徒会執行部で」
「ああ、それは私にはできないことだ。悠斗、お前を部活に誘って良かったよ」
そういうと、先輩は俺の頭を撫でてくれた。
「今回は駄目だったけど、次からはおっぱいで争っているところには悠斗に行ってもらう」
「……はい」
「別に悠斗の考えを押し付けてもいいんだぞ? 「別に無理に貧乳の良さをお前に押し付けようとは思わない」なんて言っていたけど、おっぱいの良さを伝えればいいんだ。それでも考えを変えないならそれまでだ。言うだけは言ってもいいんだぞ? 悠斗」
「……はい」
「今回は、お疲れ様」
井上先輩はポンポンと頭を優しく叩いてくれた。まるで泣きじゃくる子供をあやすかのように。そのにじみ出る優しさは胸にまで行き渡っていて、俺を優しく包み込んでくれていた。
溜めに溜めた涙は崩壊するかのように、目から流れてて、俺は声を出して泣いた。
すると、より一層愛おしいものを愛するように、先輩は力を込めて抱いてくれる。その優しさが今の俺には本当にありがたかった。
あんな俺を肯定してくれて、自分の意見を押し付けても言いと言ってくれた。これが頼れる先輩というものなんだろう。
泣くだけ泣いた俺は、先輩から離れようとしたけど、全く放してくれなかった。息をすることも忘れて泣いていたみたいで、急に苦しくなってきた。
放してもらえないなら、せめて酸素をと、俺の頭をしっかりと包み込んでいる先輩の胸を広げようとした。けど、その胸は柔らかさのあまり俺の手をも吸い込む。
「あっ……悠斗」
なぜだか先輩は感じているみたいで、さらに腕の力が増した。
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