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坂本龍馬暗殺の黒幕
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御存じ坂本龍馬、しかし近年ではその評価は下降気味である。
坂本龍馬といえば、大政奉還の立役者。
若くして暗殺に倒れた悲運の英雄として小説や漫画のモデルとなったあまりにも有名な人物である。
土佐藩の郷士の家に生まれ姉の乙女から、武術や学問の教えを受けて育てられたというエピソードは皆さんもよく知るところではないだろうか。
後に江戸に出てからは北辰一刀流の桶町千葉道場の門人となり、現存する資料では目録でしかないが、塾頭を務めるほど優れた剣客であったのは確からしい。
天下の北辰一刀流の塾頭ともなると、下手をすると新撰組より凄腕であった可能性もある。
好奇心旺盛であった龍馬は剣術修行のかたわら、小栗兵法を学んだり、オランダ語を学んだりと頭角を現していくが、盟友である武市半平太が土佐勤皇党を旗揚げするとこれに参加。
土佐藩を脱藩して京都に向かい勤皇活動を開始するが、この時点では成果ははかばかしいものではなかった。
龍馬の展望が開けるのは、なんといっても勝海舟と出会ってからのことである。
開国論者である勝を斬りにいって、逆に弟子入りしたというエピソードは有名だが、その後の龍馬の躍進を考えると、最初から弟子入りするための仕込みだったのではないかと勘繰りたくなるほどだ。
航海術や万国公法、各藩の要人とのパイプを確保した龍馬は亀山社中を立ち上げ、物資経済面から薩摩、長州に接近する。
やがて薩長同盟を成し遂げ、幕府から命を狙われることとなった龍馬は、大政奉還とともに将軍徳川慶喜から、捕縛禁止の命令が出たことで安心しきっていたところを京都見回り組今井信郎たちによって
暗殺される。享年32歳。
巷では新撰組の原田左ノ助が真犯人である、とか薩摩藩が黒幕であるなど数々の真犯人が疑われる坂本龍馬の暗殺であるが、残された資料や証言を考えるに、犯人は京都見回り組で動かない。
しかしその背後には、京都見回り組を動かした黒幕がいたのではないか。
その間接的な証拠が明らかにする黒幕の正体は実に意外な人物であった。
京都東山区霊山歴史館には、京都見回り組の桂早之助が残した暗殺犯の面接評価表が現存する。
要するに彼らは、龍馬暗殺をするにあたって、経歴や実績を調べ面接試験を行ったのである。
それほどに龍馬暗殺は綿密な計画のもとに遂行された作戦であった。
にもかかわらず、ここで一人だけ、面接が行われず、暗殺の数日前に江戸からやってきて、いつの間にか暗殺グループに入り込んだ人物がいる。
――――龍馬を実際に斬った人物とされる今井信郎である。
確かに今井は直心影流の達者であったが、わざわざ彼を江戸から京都へ送り込んだ幕府の人物とは誰だったのだろうか。
面白いことに函館戦争で捕虜になった今井信郎は、龍馬暗殺の罪に問われ静岡の地に収監されたことになっているのだが、収監されていたとは名ばかりで、当時の静岡藩出納記録には逆に今井信郎の生活費として、毎月現在のお金で30万円以上が支給されていたのである。
これは間違っても罪人に対する対応ではない。
いったい誰がそんな真似を?
今井の生活費を工面したその人物とは、当時静岡藩幹事であった坂本龍馬の師匠にして江戸無血開城の立役者として知られる勝海舟であった。
この勝であるが、幕府から給料をもらっていながら、筋金入りの反幕府人で、江戸無血開城も西郷から多額のわいろをもらって江戸を売り飛ばしたという都市伝説があるくらいである。
なんと楠正成を参り、勤皇を誓ったという記述もある。
幕府の高級軍人に裏切り者がいたのだから、幕府もたまったものではなかったろう。
ではいったいなぜ勝海舟は龍馬を殺さなければならなかったのか。
その手掛かりが下関市立長府博物館に残されていた。
ここには龍馬が残した直筆の新政府原案とも言うべき試案が述べられている。
まず第一に、新政府の閣僚のなかに、西郷や大久保の名とともに、龍馬の名前はあるが勝の名前はない。
そして何よりも、新政府の内閣総理大臣とも言うべき首班に指名された人物が問題であった。
――――徳川慶喜。
そう、坂本龍馬は大政奉還の交渉のやり取りの中で、いつの間にか徳川将軍側の人間として取りこまれていたのだ。
よく考えてみれば龍馬は良い、と思いこんだらたちまち主義主張を翻す人物である。
勝海舟を斬りにいったのに弟子入りしてしまったのはそのよい事例であろう。
詳しいことは興味があれば調べてほしいが、このときの徳川慶喜の政治手腕は空恐ろしいもので、鳥羽伏見の戦いが順当に幕府の勝利に終わっていれば、薩摩と長州が新政府を開くことは不可能であったはずだ。
おそらくは坂本龍馬はいつもの癖で、徳川慶喜の持つ器量と識見に惚れこんでしまったのではないか、と管理人は思う。
もちろん勝からすれば、これは龍馬の裏切りであり、勝が目指す幕府なき新政府とは相いれないものであった。
――――このままでは維新は慶喜によって骨抜きにされる。
そうした危機感のもと、維新をソフトランディングに終わらせようとする龍馬は勝にとって許すことのできない敵となった。
状況証拠でしかないが、そうした推論は許されるのではないか。
ところで坂本龍馬を斬った男、今井信郎は直心影流の免許皆伝で、幕府講武所で剣術の師範を務めていた。
勝海舟もまた、同時期講武所で師範を務めており、二人は同じ直心影流を学んだ同門でもあったのである。
坂本龍馬を暗殺するにあたり、信用がおけ、さらに剣の腕を良く知る今井は勝にとって都合のいい人物であったことは間違いない。
北海道で捕虜となった今井信郎は、その後たった5年の禁固刑で、しかも2年で恩赦を与えらえれていることを書き加えておく。
とはいえ、龍馬は山師な面があり、いろは丸沈没事件では紀伊藩に殺されても文句が言えないほど恨みを買っている。
また勝海舟は人の好き嫌いが激しい人物ではあるが、明治以降徳川慶喜の身柄の安全に尽力した人物である。
この説も龍馬をめぐるひとつの珍説と呼ぶべきであろうか。
坂本龍馬といえば、大政奉還の立役者。
若くして暗殺に倒れた悲運の英雄として小説や漫画のモデルとなったあまりにも有名な人物である。
土佐藩の郷士の家に生まれ姉の乙女から、武術や学問の教えを受けて育てられたというエピソードは皆さんもよく知るところではないだろうか。
後に江戸に出てからは北辰一刀流の桶町千葉道場の門人となり、現存する資料では目録でしかないが、塾頭を務めるほど優れた剣客であったのは確からしい。
天下の北辰一刀流の塾頭ともなると、下手をすると新撰組より凄腕であった可能性もある。
好奇心旺盛であった龍馬は剣術修行のかたわら、小栗兵法を学んだり、オランダ語を学んだりと頭角を現していくが、盟友である武市半平太が土佐勤皇党を旗揚げするとこれに参加。
土佐藩を脱藩して京都に向かい勤皇活動を開始するが、この時点では成果ははかばかしいものではなかった。
龍馬の展望が開けるのは、なんといっても勝海舟と出会ってからのことである。
開国論者である勝を斬りにいって、逆に弟子入りしたというエピソードは有名だが、その後の龍馬の躍進を考えると、最初から弟子入りするための仕込みだったのではないかと勘繰りたくなるほどだ。
航海術や万国公法、各藩の要人とのパイプを確保した龍馬は亀山社中を立ち上げ、物資経済面から薩摩、長州に接近する。
やがて薩長同盟を成し遂げ、幕府から命を狙われることとなった龍馬は、大政奉還とともに将軍徳川慶喜から、捕縛禁止の命令が出たことで安心しきっていたところを京都見回り組今井信郎たちによって
暗殺される。享年32歳。
巷では新撰組の原田左ノ助が真犯人である、とか薩摩藩が黒幕であるなど数々の真犯人が疑われる坂本龍馬の暗殺であるが、残された資料や証言を考えるに、犯人は京都見回り組で動かない。
しかしその背後には、京都見回り組を動かした黒幕がいたのではないか。
その間接的な証拠が明らかにする黒幕の正体は実に意外な人物であった。
京都東山区霊山歴史館には、京都見回り組の桂早之助が残した暗殺犯の面接評価表が現存する。
要するに彼らは、龍馬暗殺をするにあたって、経歴や実績を調べ面接試験を行ったのである。
それほどに龍馬暗殺は綿密な計画のもとに遂行された作戦であった。
にもかかわらず、ここで一人だけ、面接が行われず、暗殺の数日前に江戸からやってきて、いつの間にか暗殺グループに入り込んだ人物がいる。
――――龍馬を実際に斬った人物とされる今井信郎である。
確かに今井は直心影流の達者であったが、わざわざ彼を江戸から京都へ送り込んだ幕府の人物とは誰だったのだろうか。
面白いことに函館戦争で捕虜になった今井信郎は、龍馬暗殺の罪に問われ静岡の地に収監されたことになっているのだが、収監されていたとは名ばかりで、当時の静岡藩出納記録には逆に今井信郎の生活費として、毎月現在のお金で30万円以上が支給されていたのである。
これは間違っても罪人に対する対応ではない。
いったい誰がそんな真似を?
今井の生活費を工面したその人物とは、当時静岡藩幹事であった坂本龍馬の師匠にして江戸無血開城の立役者として知られる勝海舟であった。
この勝であるが、幕府から給料をもらっていながら、筋金入りの反幕府人で、江戸無血開城も西郷から多額のわいろをもらって江戸を売り飛ばしたという都市伝説があるくらいである。
なんと楠正成を参り、勤皇を誓ったという記述もある。
幕府の高級軍人に裏切り者がいたのだから、幕府もたまったものではなかったろう。
ではいったいなぜ勝海舟は龍馬を殺さなければならなかったのか。
その手掛かりが下関市立長府博物館に残されていた。
ここには龍馬が残した直筆の新政府原案とも言うべき試案が述べられている。
まず第一に、新政府の閣僚のなかに、西郷や大久保の名とともに、龍馬の名前はあるが勝の名前はない。
そして何よりも、新政府の内閣総理大臣とも言うべき首班に指名された人物が問題であった。
――――徳川慶喜。
そう、坂本龍馬は大政奉還の交渉のやり取りの中で、いつの間にか徳川将軍側の人間として取りこまれていたのだ。
よく考えてみれば龍馬は良い、と思いこんだらたちまち主義主張を翻す人物である。
勝海舟を斬りにいったのに弟子入りしてしまったのはそのよい事例であろう。
詳しいことは興味があれば調べてほしいが、このときの徳川慶喜の政治手腕は空恐ろしいもので、鳥羽伏見の戦いが順当に幕府の勝利に終わっていれば、薩摩と長州が新政府を開くことは不可能であったはずだ。
おそらくは坂本龍馬はいつもの癖で、徳川慶喜の持つ器量と識見に惚れこんでしまったのではないか、と管理人は思う。
もちろん勝からすれば、これは龍馬の裏切りであり、勝が目指す幕府なき新政府とは相いれないものであった。
――――このままでは維新は慶喜によって骨抜きにされる。
そうした危機感のもと、維新をソフトランディングに終わらせようとする龍馬は勝にとって許すことのできない敵となった。
状況証拠でしかないが、そうした推論は許されるのではないか。
ところで坂本龍馬を斬った男、今井信郎は直心影流の免許皆伝で、幕府講武所で剣術の師範を務めていた。
勝海舟もまた、同時期講武所で師範を務めており、二人は同じ直心影流を学んだ同門でもあったのである。
坂本龍馬を暗殺するにあたり、信用がおけ、さらに剣の腕を良く知る今井は勝にとって都合のいい人物であったことは間違いない。
北海道で捕虜となった今井信郎は、その後たった5年の禁固刑で、しかも2年で恩赦を与えらえれていることを書き加えておく。
とはいえ、龍馬は山師な面があり、いろは丸沈没事件では紀伊藩に殺されても文句が言えないほど恨みを買っている。
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