托卵された公爵

はまち

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ミハイルは私の?というよりも公爵家の預かりになって扱いは使用人と同等にすると夜の食事で決めた。

「お兄様、それ本人気にしませんか?チヤホヤされてきたのでしょう?」
「母親…故人だけど自分の身分が低いから謙虚にいろって躾られてきたみたいだから気にしないよ。」
「ヴェロニカに拾われた時点ででかい態度取れるわけないし。」
「「学園でへなちょこって呼んでても怒らなかったし。」」

  母親の身分がアレでも学生時代にへなちょこって呼んでも怒らないって……

「お兄様達、どうしてそんな渾名に??」
「女官の派閥によって食事が残飯だったり」
「護衛より刺客ばかり付けられていたから。」

   それにも気付いていないからへなちょこ。学生時代兄達が影でこっそり?刺客に嫌がらせをして辞めさせたり昼食を無理矢理分けてちゃんと食事を取らせていたらしい。そこまで兄達が甲斐甲斐しく世話をしていたのなら持ち帰ればいいのに。
   兄達はイクス様と翌日昼食を一緒にして顔繋ぎだけしてあっさり帰った。
   馬車だと日数がかかるから帰るらしい。



「公女殿下とお呼びすればよろしいのでしょうか?」
「使用人は姫様で統一されてるからそれで。こんな仮面を付けた小娘の使用人にされる事に抵抗感ないのですか?」
「…????別に。デオンとリオンから美人過ぎて余計な男を寄せ付けない為だと何度も聞かされましたし、雇用関係に年齢は関係ないかと思うので。2人から聞いているかと思いますが、私……それなりに鈍臭いと言いますか……」
「それは別に。これから色々覚えてもらうだけです。」

   起き上がって歩き回るくらいにはなるだろうし、大きな怪我や病気もない。
   判断力もきちんと戻ってから雇用契約にサインをしてもらおう。肉付きも良くなってきた。手を伸ばして顔や腕腹部等をぺたぺたと触る。

「えと、姫様???」
「もう少しかかるかな?取り敢えず必要な知識とかの本を持ってきてあるから読んでおいて。」

   資料をドサドサと積み上げて医者とメイドに無茶をさせない程度に治療優先。衣装は使用人と同じ質のものを用意して置くように伝えた。

   学園生活開始まで時間は多く残っていない。なるべく万全の体制にしておきたいけれど難しいだろう。
   アンジュにマッサージをしてもらいながらしないといけないことを整理するが忙しすぎる。

「姫様?」
「ん?色々しないといけなくて頭が痛いなぁってだけ。」
「今日は髪乾かしたら早めに眠りましょうね。」
「大丈夫だよ。そこまでしなくても。」
「姫様の健康が1番です。」

   あっという間に寝る準備を整えられてしまった。書類まで全て片付けられて寝るしか無くなってしまった。

「心配し過ぎだと思うんだけど。」
「成長期の姫様には睡眠も不可欠です。」
「そうだけど…分かった。寝るからその凄く困った顔しない。」

   私の人造人間達はものすごく困った顔をする。無言の訴えで折れてしまう。折れるしかない。もそもそと布団に入るとポンポンと撫でられて寝ることにした。こういう時結構強情だ。

   人を増やす必要があるならさっさと白状しろ。と、使用人達にははるか昔から伝えていてメイドが妊娠出産で辞める、では無く休職歓迎だ。元々契約している農場から山羊の乳なり乳母になる人の伝を残しておくのは大切だし、落ち着いて職場復帰大歓迎だ。
  色々覚えてくれたのに手放すのは勿体ない。
 




「……お父様、お兄様達の婚姻ってどうなってるのですか?」
「特に考えてないようだが、向こうで遠縁の親戚を妻として迎える事になるだろう。」
「良いのですか?結構適当のような……」
「適当だな。公爵領内貴族であれば相応の教育を受けているし、問題は無い。領内土地無し貴族はシュヴァリエの臣下の家計の貴族しかいないから。」

   王族が何かやらかして数日徹夜で城から出られなかった父が帰ってきてさっさと眠ったらいいのに。と、思っていたら娘を抱き枕に始めた。
   子供の時にこんなことなかったのに……眠りそうになかったから話題を振ってみたが眠いのか本心なのかとても適当だ。
   疲れきって娘に手を出すのかと思ったけれど……抱き枕止まりか?

「お父様、眠らないと……」
「そうだな……ヴェロニカとこうするのもあまりないから眠気が覚めそうだ。」

   腕枕をは断ったが、髪を撫でる手がとても優しい。あのアベリアの男達は呪ってやりたくなるのに父にはこれ以上苦労させたくない。

「お父様、寝て下さらないとナイトドレスを少しずつ脱ぎますよ?」
「それは困るな。」

   同じように髪を撫でると瞼が重くなったのかすぅっと眠りについた。

「……私、自分の事理解した上でお父様がお父様だと思ってますよ。」

   抱きしめる力が強くなった気がするが気にしないで眠りに着くことにした。聞こえていてもいいし、聞こえていなくてもこの人が父親で私がシュヴァリエの後継者であることに変わりはない。
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