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33お金にまつわること
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名前も知らずに院長ということを覚えていただけだ。侯爵家の本邸の応接室に一直線だった。今日はユーリ様が邸にいるから???いつもなら別邸なのに。と、思っていたがさっきまでの威勢の良さも無くなった院長が執事に案内されてきた。
「すみません、兄上。」
「いや、良いんだよ。」
お茶の用意もされるのだけれども院長は縮こまっているし、何だかセンスがない。それから貴族向けの話し方でユーリと院長が話をするけれど断片的にしか分からず首を傾げたくなるが扉のそばに立っていたイザークがダメだと首を横に振る。
貴族はどこで繋がっているかが分からないから揚げ足を取らせないために表現を改めると聞いていたけれど…
「ミカエラの意見は?」
「私の事で貴族対応に関してはユーリ様に一任しておりますので、侯爵家にとって良きに取り計らって下さい。そういうお話でしたし。」
よく分からんから任せた。と、言っているようなものだ。ミカエラはニッコリと逃げた。めんどくさいと顔には出ているだろうが、顔の作り方も覚えている。
院長が帰ったけれどホッと一息を着く。話のほとんどが分からなかった。
「ミカエラ、さっきの話どこまで分かった?」
「うぐっ…恵みとか憐れみとかそういう表現なのでお金の無心…でしょうか。名前が多分広まったのかと。」
「どこで知ったのかは王城よりもナビエ子爵からの情報だろうね。賑やかで後暗い貴族の集まりみたいだから。大体あってるよ。孤児院の運営が厳しくて子供たちも職員も困っているから独り立ちしてゆとりのあるミカエラが金銭的補助すべきって。」
「…自分の装飾品売れば孤児院の運営の数年分に加えてお釣りでますよ。」
「足りるはずなんだけどね、財務の人間は市場価格と人件費をキチンと計算して商業ギルドにも試算出させているから。」
「ミカエラがお金出す必要ないよ??」
レオンハルトが心配そうな顔で足元に跪いて手を握る。そういう顔をしていたの???
「出しませんよ。院長の私財の話ではなく公金のお話なので私がお金を出す方がおかしいですし。」
「アレはこちらで何とかするからミカエラは気にしないで仕事と勉強で良いよ。」
放火のことやで院長のこと…親候補とか。城で何が起きてるのだろう。ミカエラはお茶を飲んでため息をつく。
「大丈夫?」
「…大丈夫ですよ。城に呼ばれてから親候補多数の話とか家が燃えたり死体が出たり…ご対応して頂いているのはユーリ様や侯爵様なので私が疲れるのも可笑しいのですが…」
「こういうことに慣れてるか慣れてないかの違いだよ。」
そういう問題なのだろうか。仕事をしていたら夜も深くなっていた。月明かりと作業台のランプの明かりだけだった。集中しすぎていた。
「肩が凝る…」
肩こり軽減ネックレスでも治っている訳でもない。窓を開けて建物の外に出る。夜風が気持ちいい。前の家だと夜は危ないから外に出られなかったがここでは監視もあるだろうけれど干渉はされない。
「私のだとあれが限界かな。」
そもそも魔力がない。魔石に魔力を込めたとしても私が負ける。魔力は身長が止まると同じぐらいに成長も止まる。
草の踏み分ける音がして振り返る。護衛だろうか。そう思っていたけれど、視界に入ったのは銀色の犬というより狼。傷だらけなんだけれど…侯爵家の犬??番犬??
「言葉分かります?今治療の準備しますので大人しく出来ますか?」
歩み寄って触れてみるが威嚇もしないで大人しかった。出血量が多い。部屋に戻り自分用に作ってある魔力増強の石だ。それを直列で繋げて狼の元に行く。
近くで見るとこの狼、紫と青の瞳で魔獣のようにも見えた。
回復魔法しか使えないけれど自分で増幅させた魔力でこの大きな狼の傷を治す。失った血液は戻らないけれど一命は取り留めたはずだ。
「まだ動いたらダメだよ。」
触れて撫でて窘めると諦めて横になっていた。呼吸も落ち着いている。毛並みが銀色のはずだ血で汚れているから明日にでも人を呼んで洗ってあげた方が良さそうだ。
ぶえっくし!!!
顔を逸らしてくしゃみを派手にする。寒い。このワンコが血塗れじゃなかったら抱き着いてモフモフするけれど、相手は血塗れで貧血かもしれないので自力でたちあがれるか明日の朝人が来るまで様子見をしよう。石の予備もある。まだ代用ポーションくらいは出来る。
「すみません、兄上。」
「いや、良いんだよ。」
お茶の用意もされるのだけれども院長は縮こまっているし、何だかセンスがない。それから貴族向けの話し方でユーリと院長が話をするけれど断片的にしか分からず首を傾げたくなるが扉のそばに立っていたイザークがダメだと首を横に振る。
貴族はどこで繋がっているかが分からないから揚げ足を取らせないために表現を改めると聞いていたけれど…
「ミカエラの意見は?」
「私の事で貴族対応に関してはユーリ様に一任しておりますので、侯爵家にとって良きに取り計らって下さい。そういうお話でしたし。」
よく分からんから任せた。と、言っているようなものだ。ミカエラはニッコリと逃げた。めんどくさいと顔には出ているだろうが、顔の作り方も覚えている。
院長が帰ったけれどホッと一息を着く。話のほとんどが分からなかった。
「ミカエラ、さっきの話どこまで分かった?」
「うぐっ…恵みとか憐れみとかそういう表現なのでお金の無心…でしょうか。名前が多分広まったのかと。」
「どこで知ったのかは王城よりもナビエ子爵からの情報だろうね。賑やかで後暗い貴族の集まりみたいだから。大体あってるよ。孤児院の運営が厳しくて子供たちも職員も困っているから独り立ちしてゆとりのあるミカエラが金銭的補助すべきって。」
「…自分の装飾品売れば孤児院の運営の数年分に加えてお釣りでますよ。」
「足りるはずなんだけどね、財務の人間は市場価格と人件費をキチンと計算して商業ギルドにも試算出させているから。」
「ミカエラがお金出す必要ないよ??」
レオンハルトが心配そうな顔で足元に跪いて手を握る。そういう顔をしていたの???
「出しませんよ。院長の私財の話ではなく公金のお話なので私がお金を出す方がおかしいですし。」
「アレはこちらで何とかするからミカエラは気にしないで仕事と勉強で良いよ。」
放火のことやで院長のこと…親候補とか。城で何が起きてるのだろう。ミカエラはお茶を飲んでため息をつく。
「大丈夫?」
「…大丈夫ですよ。城に呼ばれてから親候補多数の話とか家が燃えたり死体が出たり…ご対応して頂いているのはユーリ様や侯爵様なので私が疲れるのも可笑しいのですが…」
「こういうことに慣れてるか慣れてないかの違いだよ。」
そういう問題なのだろうか。仕事をしていたら夜も深くなっていた。月明かりと作業台のランプの明かりだけだった。集中しすぎていた。
「肩が凝る…」
肩こり軽減ネックレスでも治っている訳でもない。窓を開けて建物の外に出る。夜風が気持ちいい。前の家だと夜は危ないから外に出られなかったがここでは監視もあるだろうけれど干渉はされない。
「私のだとあれが限界かな。」
そもそも魔力がない。魔石に魔力を込めたとしても私が負ける。魔力は身長が止まると同じぐらいに成長も止まる。
草の踏み分ける音がして振り返る。護衛だろうか。そう思っていたけれど、視界に入ったのは銀色の犬というより狼。傷だらけなんだけれど…侯爵家の犬??番犬??
「言葉分かります?今治療の準備しますので大人しく出来ますか?」
歩み寄って触れてみるが威嚇もしないで大人しかった。出血量が多い。部屋に戻り自分用に作ってある魔力増強の石だ。それを直列で繋げて狼の元に行く。
近くで見るとこの狼、紫と青の瞳で魔獣のようにも見えた。
回復魔法しか使えないけれど自分で増幅させた魔力でこの大きな狼の傷を治す。失った血液は戻らないけれど一命は取り留めたはずだ。
「まだ動いたらダメだよ。」
触れて撫でて窘めると諦めて横になっていた。呼吸も落ち着いている。毛並みが銀色のはずだ血で汚れているから明日にでも人を呼んで洗ってあげた方が良さそうだ。
ぶえっくし!!!
顔を逸らしてくしゃみを派手にする。寒い。このワンコが血塗れじゃなかったら抱き着いてモフモフするけれど、相手は血塗れで貧血かもしれないので自力でたちあがれるか明日の朝人が来るまで様子見をしよう。石の予備もある。まだ代用ポーションくらいは出来る。
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