出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-

はまち

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69 悪夢

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お茶会は結果として一応形になったらしい。私はヘラルド様とイチャイチャしながら内偵が出来なくなった。正しく言うとヘラルド様の周りの人間の悪意に晒される事になった。気の強いご令嬢に庇われて膝をつかせてしまったのが問題らしい。
訳が分からず非難されまくった。私は嫌味が貴族らしい言い回しだから特に気にしてないがユーリやヘラルドがとても申し訳なさそうに言われた。

「???私は別に何とも思ってませんよ。」
「色々と面白いものが見れたからミカエラ、しばらくは王宮はないよ。」
「あ、はい。ですが、報酬…」
「ちゃんと時間も用意するから。」

私は気にしてないのに。というのが通じないほどに色々あったらしい。ティアラ様がいるけれど先に家に帰ることになった。報酬も満額出るけれど防犯の都合上帰ることになってしまった。

「ミカエラ様お帰りなさいませ!」
「アリアも一緒にいたでしょ…」
「それでもお迎えするのが私のお仕事ですから。」

家の中が綺麗なままだ。アリアは引き継ぎに動き、私は用意してもらった軽食を食べる。やっと仕事が出来る。



動かないのも悪いからと今日は1人で散歩と買い出し。多分こっそり護衛はヘラルド様やユーリ様がつけているのだろう。護衛を外したから気をつけろとか言われていないから護衛がついていると思った方がいい。

「身の危険度上がってないといいけど。」

私の心配はその1点だけだ。誰も私みたいな小物に何とも思っていないのが理想だけれども邪推する人は現れるわけで。ミカエラ・フィルはただの一般人。貴族としてやる気がありませんって宣伝しても理解してくれないのが貴族だ。念には念をの度合いがおかしい。

「ミカちゃん、久しぶりに会ったけれど凄く綺麗になったわよね。」

ミランダにそう言われて首を傾げていた。商業ギルドで発注書や利益関係の報告書を見ているけれどそれなりにギルドに抜かれているのに桁がおかしい金額になっていた。

「まぁ、お貴族様の家で人に見れるようにと磨かれてますからそのせいかと。」
「ミカエラ・フィル女男爵の噂気になる?」
「…知りたくないので良いです。親切な人がその辺良い感じにしてくれるようなので。」
「あー…素敵なパトロンがいるわね。貴方。」

パトロン???パトロンなのだろうか。世間話をちょっとしてお茶を貰って貴族の流行りだったり最近王太子が嫁探しを本格的に探しが動き出したとか。

「何でもご令嬢候補を集めて色々課題させたりしたらしいのよ。」
「大変だぁ。関わりたくない…そういう偉い人の仕事とか。」

お金の動きを見て確認したサインをして商業ギルドから出る。空を見上げてどうしたものかなぁと色々考える。次の作品をどうしたものかと考えながら冒険者ギルドに向かうと依頼した物の進捗を確認する。

「ミカエラさんの依頼は注文があれですので時間がまだかかりそうです。」
「分かりました。あと、今どんな魔石あるか見せて貰えますか?お金ならあります。」

なんという酷い言い方だろう。応接間に案内して貰って魔石を全て見せてもらう。あ、これ綺麗。

「これは?」
「エルフの核石ですね。ゴブリンが捕らえて取り込む前に拾ったようですが…呪詛を帯びているので神聖属性持ちでないと加工が…」
「分かりました。微量ですが神聖属性持ちなのでください。」

確認して貰い購入するがとてもいいお値段した。念の為封印して貰って受け取る。さてどうする。エルフの核石。エルフがたまに討伐の時に落とす呪詛の塊。

家が近い。

「ミカエラ様、お帰りなさいませ。」
「アリア、ただいま。これ危ない素材だからお触り禁止って書いておくから触らないでね。箱は良いけど、中身は触ったらダメ。」
「??分かりました。施錠だけお願いします。」
「そこはちゃんと管理する。」

エルフの呪詛が篭った核石を取り出す。ダイヤモンドのように中で魔力が反射してキラキラとしているのに闇の魔力と呪詛がまとわりついている。どう加工すべきか。どうやっても呪いの道具になる。
取り敢えず恨みを解析して汚染されないように、影響されないようにして良い感じに自分用のお守りにすべきか。神聖属性持ちって珍しいけれど比率として少ないだけでいないことは無いし。
核石を握って眠りにつく。確実に悪夢を見る。
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