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76 新事実
しおりを挟む「あ、あのお仕事はユーリ様の護衛ですよね!?」
「えぇ。ユーリ様には体質上の都合も話していますが私個人のことですし、先のことは応相談でしょう。返事はまだいりませんのでお気軽に捉えてください。」
「うぇ…」
「ただ…」
「まだあるのですか?」
「本気で口説きますので。嫌われないよう努力します。」
何をどうお気軽に感じろと???
「え、と…どうしろとおっしゃるのですか!?」
「手っ取り早いのは婿入を認めてくだされば理想ですが…貴方の性格上頷くとは思えませんので私が勝手に努力をするだけです。」
「呪い解呪出来なかったのですか!?」
「産まれる前から蝕まれて混ざりあったようで神殿もお手上げです。」
「そもそも婿入だなんてイザーク様のご実家があるのでは!?そんな勝手に…」
「実家は多分諸手を挙げて喜びますよ。スカルラッティ家は伯爵家ですが、私は第3夫人の子供で、跡継ぎにはなれないですし、ヘラルド様や甥の双子様と懇意でロズウェル侯爵家とも友達以上のお付き合いをしながら外戚もない子爵の配偶者というのは伯爵家の跡取りになれない人間からしたら喉から手が出るほどに望む結婚相手ですよ。家の心配なんて前向きに検討して頂けると自惚れても?」
「…違います!!!貴族の婚姻は殊更面倒事目白押しと習ったからです!!!結婚願望も無ければ恋人とか恋愛とかと無縁だったのに急にそのようなことを言われても困ります。」
「そうですね。ですから返答は急いでいませんし、意図的に避けられなかったらそれでいいです。」
「…努力します。怒らないので、そのぶっちゃけた本音はどうなのですか?」
「そうですね、ユーリ様に頼みつつ権力と肩書きとあなたの嫌いな貴族のやり方で逃げ道を塞いで事後承諾で婿入しようと思えば出来ますがまだしません。あと、抱き潰したいとかは欲求としてあります。」
「…体質上ですか。」
「そうですね、年齢分童貞こじらせていますので。そんなことはしません。嫌われるのが1番嫌ですし。」
「わ、分かりました。」
「…ありがとうございます。採取は続けますか?」
「…いえ。大体欲しいものは集まりましたし…その、多分今の状態ですると怪我しそうなので。」
距離が近くなった気がする。ベタベタすることはないけれど視線が刺さる。
「…今まで恋人とか出来なかったのですか?」
「隻眼の伯爵家の爵位予定無しに魅力を感じる女性はいませんから。」
「…何時からですか。」
「初めて会った時からですよ。」
手を取り、自然な流れで唇を寄せる。急に色々言われてどうしようと言うのだろう。恋愛に興味もないし、貴族みたいに家門の繁栄とかもどうでもいい。利益、不利益だけだと有難い申し出なのかもしれないけど、直ぐに頷くのは違う気がするし。
「…ミカエラ?」
「モフモフしたいと我儘言えばあの姿になってくださるのですか??」
瞬き1つで狼の姿になってくれた。大きい。ぼふっ。と、抱きついて見るとやはりモフモフしている。モフモフが偉大過ぎる。
「モフモフ…」
「2人のときなら好きなだけこの姿になりますよ。」
「!!!!ズルいです。そんな魅力的過ぎます…」
モフモフと、顔を埋めてうっとりと満喫してしまった。帰る頃には人の姿になって帰ることになった。眼帯もしていつも通りのスンとした無表情になった。別の村に泊まることになったけれど…
「なぜベッドが1つしかないのですか!?」
「宿の人間がそう思ったのでしょうね。」
「…クッションバリケードも作れないでは無いですか。」
「私は使いませんから…」
「ダメですよ!」
それは申し訳ないし、私が嫌だ。
「では同衾しますか?私は構いませんが。」
「うぐ…」
「決して手は出しません。手を拘束して縛り付けるなりしたらいいでは無いですか。」
「嫌ですよ!う…イザーク様は良いのですか?。」
「嫌だと思えば蹴り出して貰えたら。」
蹴れるわけないでしょうが…2人は寝転がることができるけれど…そう思いながら同じベッドに入る。
急にあんなことを言われて頭の整理が出来るわけない…
性的魅力を感じないとかなんですかそれ…仕事として結婚を考えないといけない…年齢でしたね。私。子供いてもおかしくない…世間一般は15・6で子供いますんね。20で嫁き遅れになるんですよね。枕の高さが合わない…
「どうしたのです?」
「/////枕の高さが合わないだけです。」
「…」
枕を捏ねて潰すのをぶふっと吹き出された。セシルさんはとりあえず窓際に置いているし、というよりセシルさんに意見を求めるべき。いやいや、確固たる意思がある訳でもないし…殆どゴブリン死ねばかりだったし。残滓の意識で日当たりのいい場所と花を要求しているわけで…アリア…???いやいや、アリアは腐っても侯爵家に仕えている人だし。こういう仕事を任せられるくらい優秀なんだろうし。
馬車のクッションくらいがの良かった。
「というより何故私の護衛にイザーク様なのですか!?」
「ユーリ様の意図ですね。」
「…ユーリ様に問い詰めても良いのですか?」
「丸め込まれて婚約することになるでしょうね。それでいいなら問い詰めて良いかと思います。」
「…婚約???」
「口で勝てないなら知らぬ存ぜぬでのらりくらりとしておいた方が得策ですよ。」
「イザーク様からでは無いのですか?」
「護衛騎士として剣を捧げ誓いを立てたのはユーリ様ですから。私情は極力排除しますよ。」
当たり前のように眼帯を外している。この前はつけてましたよね!?!?
そこを指摘すべきなのか、するのは野暮なのか。異国には亜人とか獣人がいるとかいないとか…犬耳とかうさ耳さんがいるということで…
「建前ですよね。」
「勿論です。ですが、私から行くと言ってはいないです。」
「…からかってませんよね?」
「人の気持ちを弄ぶような冗談は言いませんよ。私が貴方に嫌われて損をするだけじゃないですか。」
確かに…???私このまま言いくるめられないだろうか。
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