出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-

はまち

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110 勉強の成果

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ロズウェル侯爵家で準備をして同じ馬車で移動すればいいと色々調整された。ドレスはヘラルド様のプレゼントで装飾品は自分でドレスに合うように作った。のだが、外交使節団で来るのがオルジュ帝国という、我が国と和平同盟を結んでいるが一昔前まで国境で揉めまくっていた大国らしい。

「イザーク、ミカエラの言語はどうなんだい?」
「時間が全く足りませんでしたので相槌複数だけ覚えてもらいました。聞き取りも発音も無理があったので…」
「じゃあとりあえず私たちの傍や視界に入っているように。」



着いてしまった王城。当然のように手を取られ、腕を持ち一緒に歩く。帝国は北にあるのか長袖で毛皮を衣装に誂う人が多いようだ。飛び交う言語が帝国語。帝国にもこっちの言葉がわかる人もいるらしいが歓待するから向こうに合わせるということらしい。さっぱり分からん。

「ミカエラ、よく似合っていますよ。」
「…帝国の人っておっぱいボーンなんですねー。」

ドーン。とか、ドドん!みたいな効果音が聞こえるほどにたゆんとしたメロンがぶら下がっているように見える。

「ミカはそのままでも素敵ですよ。」
「スラングとかおぼえておけばよかったと思うんですけど。」
「相槌だけでもミカの棒読みならそれなりに侮辱に取る人は取りますよ。今日の食事は帝国の料理を出しているはずなので食べてみては?」

珍しい食事ー。フラフラと1人で立食エリアに向かう。シェフは城の人なので普段食べれない外国料理を取り分けてもらいパクパクと食べる。うまっ。

「北は海が近いから海産物が多いんですよ。」
「美味しいです!」

お肉料理もあるが美味しい。私は帝国と個人的な繋がりなんて何も無い。ユーリ様に目を向けると何やら怖い笑顔で舌戦しているようだ。お肉を食べる。美味しい。

「これ何のお肉ですか?」
「こっちじゃ珍しいですが羊ですよ。」

お酒は度数が弱いものを貰って飲むがお酒との相性も最高だ。ドレスだからと食べる量を控えめにしているがガッツリ食べたい。

肩を軽く叩かれた。振り返るとこの国の人の装いではなく多分使節団の人なのだろう。笑顔で何か言っているが…全く分からない。聞き取りもできないし、単語も拾えていない。食べていたら声をかけないだろうと思っていたのに。

ごくん。と、肉を飲みんで貴族?を見る。チラッとイザークがいた方向を見ると目が合った。サッと声を掛けてきた貴族を見るが、どうしたものか。
何を言っているのかさっぱりだ。

『へーそれで?』

棒読みで習った相槌をする。確か丁寧な相槌だと聞いているけれど相手の青筋浮いてない???

「ミカ、どうしたのですか?」
「話しかけられたのですけど…お察しください」

イザークが来てくれて外国語で何か凄い飛び交っているけれどさっぱりだ。つまらないのでさっきまで食べていた皿に新たにお肉や料理を乗せてもらい肩を抱かれたままパクパクと食べる。

「ミカ、美味しいですか?」
「とても。どういうお話をされているのですか?」
「慎ましい貴方の体型から始まり、その体型が好みだと。」
「幼女趣味ですか?」

皿を置いて少し考えてギュッとイザークの腕を掴む。扇で口元を隠す。

「先約がありますとお伝えくださ…」

呆れて返答を言おうとしたら優しく触れるだけのキスをしてきた。ここ最近愛称で良いって言ってから寝る前の口付けが執拗で長かったのにあっさりしていた。

ポやんと、しながら彼の腕を掴み見上げる。何か言い争いみたいになっているが、肩を抱く力が強くなっている。何だかザワザワとなっているし。

ユーリ様も来てくれた。
「ミカエラ、どうなっているんだい?」
「私に聞かれても困るのですが…」

イザークが説明をするのだが、わざわざ向こうの言葉で会話しているあたり私が聞かない方が良いとか???

「ミカエラ、帝国が嫁に来いって皇太子の側室だけど。」
「言葉も喋れない私に何をおっしゃっているのです…先約があるのでお断りです。私、帝国の女性見たくおっぱいありませんから。」

というか貴族のご令嬢という生物は果物をぶら下げている人が多い。私はどちらかと言うと少数派だ。

「それに私孤児ですよ。」

色々と翻訳してもらっているはずなのだが、こちらを見ている。

「私、奥さん複数人持つ人って生理的に無理なんで。」

あ、通じてるみたい。ミカエラはそう思ったがわざとユーリやイザークに伝える。頭の上で知らない言葉が飛び交っているので頬に手を当てて困ったわ?と、首を傾げておく。さて、どうなるかな???
とりあえず現状私の語学力がポンコツの状態でわかることはこの王子様???とユーリ様が笑顔で貴族らしい言い方で罵り合っているのであろう。そして周りの人間も口出し、手出しできないほどに苛烈というか、混沌とした舌戦をしているのだなぁと空気だけでなんとなく察知をした。どうやって離脱…じゃなくて帰ろうか…それが問題だ。
 ヘラルド様と目があった。笑顔で手を振られたので助けてはくれなさそうだ。こっちでどうにかしろと言われた気がする。

 ミカエラは色々と思うところがあるのだが…ハンカチで口元を隠しイザークにもたれかかる。

「食べすぎて胃もたれが…」

 ミカエラは小さな声で漏らすとユーリは病み上がりなのだから帰りなさいと心配した声で背中を押してくれた。イザークにふわりと抱き上げられた。
「///」
「帰りますよ。」
「…はい。」

 あの場にいたくなかったから食べすぎた。と、言い切ったけれど、コルセットを外したらまだはいる。
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