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176 王宮図書館
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思わぬ出費ならぬ仕事をしてしまった。王命でありながら莫大な報酬。注意書きには履いてダンスするには向いてないので観賞用と付けたし、履いて怪我しても自己責任でこっちは責任を取らないと書いたし、私は靴職人ではない。無い知恵を絞って作っただけで専門知識なんてない。だから何があっても知らぬ。何もないのが良いけれど、材質がガラスだけれど、魔導士が魔力を込めて強度を上げているようでもあったから……知らない。気になるけれど、気にしたらこれ以上にズブズブになるから近寄らない。
今日こそ王宮図書館に向かう。と言っても王宮の人間がよく使う本を集めたものというよりも様々な辞書や図鑑だ。どこの誰かが酔狂でまとめたものから学術的資料まで収容した本たちに用事がある。模写するためや走り書きするための紙を持って図書館の禁書庫に入る。自分自身が爵位持ちで本当に良かった。それだけで手続きがすごく簡単になった。
「禁書庫って人が少ないんですね。」
「禁書庫ですから。」
イザーク様は護衛騎士の装いだ。着実に私物を家に運んでいるのを見て見ぬふりをしているだけだ。高い場所にある本を取ってもらう。時代も作成者も違うから大きさが違いすぎる。
「もう少し家でも頼ってください。」
「抱き枕として頼ってるのが嫌なのですか?」
「資金力でも何でも頼って欲しいですし、簡単に申し上げると貢ぎたいです。」
「稼いでるので貢がなくても足りてます。こういうちょっとしたことをスマートにしてくれる方が嬉しいです。」
背が低いから高いところに手が届かない。こういう地味に困ったことを解決してくれる優しさの方が嬉しい。読書をして気になることがあればメモをするなりして情報を少し持ち帰る。今読んでいるのは歴史書。昔は魔力も今以上に多い人が多かったようだ。特に神聖属性が強すぎる聖女という神の遣いとも言える人がいたとか。
女性だけではないだろう。そう思いながらページを進めると聖女の男性はもれなく大神官、司祭、神官長と色々と役職があるからないようだ。
読書をしていると指で頬を撫でられた。顔を上げると眉を寄せていた。護衛の仕事をしているのだろうか
「髪、邪魔では無いですか?」
「…すぐに終わるならお願いします。」
ちゃっちゃと纏められて傍に座り頭を撫でられた。隙あれば唇を重ねてくる。人がいないからって…長い。離れようとしたが頭を抱かれて気が済むまで口付けをさせられた。
「ふぁ……読書に来たんです。」
「最近なかったので。毛玉でないとダメですか?」
「せめて最低限部屋にしてください。護衛は?」
「……大丈夫ですよ。耳も鼻も気をかけていますから。」
手をにぎにぎとされて頬を撫でる。頬を手で包み、撫でる。成人男性……地味に嬉しそうにしないで欲しい。モチモチ。
「私ってそんなにまだ狙われたりしてるのですか?」
「警備が薄いですからね。自宅警備があって無事なんですから。ミカエラはそういうのを気にしないで好きなことをすれば良いですよ。」
「……そうですか。帰ってからでいいですか。」
「おや?甘やかしてくれるのですか?」
「30越えの成人男性の言うことですか……」
「男なんてそんなものですよ。」
それでいいのか?読書を終えて家に帰って資料をまとめるのだが、珍しく防犯用核石を見ると花に囲まれているのはいつとのことなのだが、魔石のようになっていた。
「ミカエラ様、その石みたいになった花達は一応そっちの箱の中に貯めています。なんでも気に入った花に魔力を注いで魔石みたいなものにしたらしくて。」
数はそんなにない。けれど珍しい。エルフ様の呪いの影響?
「お礼におやつをお供えしてます。」
「分かったよ。これからも気にしといて。不満とか聞いてない?」
「いえ。特にないです。ただドロボー死すべしみたいなのを掃除の度に聞きます。」
不思議な花の石だった。独特な美しい輝きはあったけれど、辺に触りすぎると割れそうなんだよな。ドロボー死すべし……そっか。ドロボー多いのか。
荷物を片付けて手紙とかがあれば先にその処理をする。食事の時間まで出来ることをやろう。
書くことは書いてゴロンと横になろうとしたら傍にふわふわの手触りが……
もっふもふのふわっふわの毛玉。こんな小さな姿もありなのか。気配を消していたから気付かなかったけれど。子犬姿こんなにふわふわなのか。
「どうしたんですか?凄いふわふわじゃないですか。」
抱き上げて目を合わせる。長い尻尾ももっふもふで揺れている。抱きしめてもっふもふと撫で回す。綿毛。何この子犬のもふもふ。しばらく撫で回していたい。幸せすぎる。
「ずっともふもふしててもいいですか?」
尋ねると人の姿に戻ってしまった。
「私の気分次第です。」
今日こそ王宮図書館に向かう。と言っても王宮の人間がよく使う本を集めたものというよりも様々な辞書や図鑑だ。どこの誰かが酔狂でまとめたものから学術的資料まで収容した本たちに用事がある。模写するためや走り書きするための紙を持って図書館の禁書庫に入る。自分自身が爵位持ちで本当に良かった。それだけで手続きがすごく簡単になった。
「禁書庫って人が少ないんですね。」
「禁書庫ですから。」
イザーク様は護衛騎士の装いだ。着実に私物を家に運んでいるのを見て見ぬふりをしているだけだ。高い場所にある本を取ってもらう。時代も作成者も違うから大きさが違いすぎる。
「もう少し家でも頼ってください。」
「抱き枕として頼ってるのが嫌なのですか?」
「資金力でも何でも頼って欲しいですし、簡単に申し上げると貢ぎたいです。」
「稼いでるので貢がなくても足りてます。こういうちょっとしたことをスマートにしてくれる方が嬉しいです。」
背が低いから高いところに手が届かない。こういう地味に困ったことを解決してくれる優しさの方が嬉しい。読書をして気になることがあればメモをするなりして情報を少し持ち帰る。今読んでいるのは歴史書。昔は魔力も今以上に多い人が多かったようだ。特に神聖属性が強すぎる聖女という神の遣いとも言える人がいたとか。
女性だけではないだろう。そう思いながらページを進めると聖女の男性はもれなく大神官、司祭、神官長と色々と役職があるからないようだ。
読書をしていると指で頬を撫でられた。顔を上げると眉を寄せていた。護衛の仕事をしているのだろうか
「髪、邪魔では無いですか?」
「…すぐに終わるならお願いします。」
ちゃっちゃと纏められて傍に座り頭を撫でられた。隙あれば唇を重ねてくる。人がいないからって…長い。離れようとしたが頭を抱かれて気が済むまで口付けをさせられた。
「ふぁ……読書に来たんです。」
「最近なかったので。毛玉でないとダメですか?」
「せめて最低限部屋にしてください。護衛は?」
「……大丈夫ですよ。耳も鼻も気をかけていますから。」
手をにぎにぎとされて頬を撫でる。頬を手で包み、撫でる。成人男性……地味に嬉しそうにしないで欲しい。モチモチ。
「私ってそんなにまだ狙われたりしてるのですか?」
「警備が薄いですからね。自宅警備があって無事なんですから。ミカエラはそういうのを気にしないで好きなことをすれば良いですよ。」
「……そうですか。帰ってからでいいですか。」
「おや?甘やかしてくれるのですか?」
「30越えの成人男性の言うことですか……」
「男なんてそんなものですよ。」
それでいいのか?読書を終えて家に帰って資料をまとめるのだが、珍しく防犯用核石を見ると花に囲まれているのはいつとのことなのだが、魔石のようになっていた。
「ミカエラ様、その石みたいになった花達は一応そっちの箱の中に貯めています。なんでも気に入った花に魔力を注いで魔石みたいなものにしたらしくて。」
数はそんなにない。けれど珍しい。エルフ様の呪いの影響?
「お礼におやつをお供えしてます。」
「分かったよ。これからも気にしといて。不満とか聞いてない?」
「いえ。特にないです。ただドロボー死すべしみたいなのを掃除の度に聞きます。」
不思議な花の石だった。独特な美しい輝きはあったけれど、辺に触りすぎると割れそうなんだよな。ドロボー死すべし……そっか。ドロボー多いのか。
荷物を片付けて手紙とかがあれば先にその処理をする。食事の時間まで出来ることをやろう。
書くことは書いてゴロンと横になろうとしたら傍にふわふわの手触りが……
もっふもふのふわっふわの毛玉。こんな小さな姿もありなのか。気配を消していたから気付かなかったけれど。子犬姿こんなにふわふわなのか。
「どうしたんですか?凄いふわふわじゃないですか。」
抱き上げて目を合わせる。長い尻尾ももっふもふで揺れている。抱きしめてもっふもふと撫で回す。綿毛。何この子犬のもふもふ。しばらく撫で回していたい。幸せすぎる。
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尋ねると人の姿に戻ってしまった。
「私の気分次第です。」
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