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188 危機感
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後継や上位貴族が基本装備で持っている魔道具有りは何でもなくてそれ以外が新興宗教に入ってしまったのだから考えられるのは魅了の状態異常になって精神汚染をされているのだろう。と、推測ができる。魅了もなしに新興宗教に入ったのであれば魔道具なしも何人か新興宗教に入信してもおかしくない。なのに誰も入信していない。ということは聖女というのは親が言うようにラミアかセイレーンの類なのだろう。
「ミカエラ嬢は警戒した方が良いですよ?」
「へ?」
皆それ言うよね。
「アンバース子爵令嬢が婚約者取られたとか、誘惑したとかで新興宗教でも話題の中心ぽかったよ。」
「へー」
笑顔が固まる。婚約者取られたのではなく、スカルラッティ辺境伯が対抗策で用意したので後から降って湧いてきたのはそちらなのだと言ってやりたい。適当に聞き流そうかと思ったのに男女問わず気をつけろとか心配されるのでもう嫌だ。と、ため息つきたくなった。
「ミカエラ嬢取ったの?」
「……取ってはいませんよ。元々内々でそんな感じだったのが気に食わないスカルラッティ辺境伯が用意したのが彼女ですから。私は学園の成績で黙らせようとしてるんですけどねぇ。私が領地を持つことに反対をしているのもスカルラッティ辺境伯で……」
大雑把に説明して切り上げようとしたら女生徒が目を輝かせていた。ココ最近ずっとパートナーとして着いてきているし顔を見た事ある人はあると思う。だから細かいことは言うつもりは無いがこの程度は問題ないだろう。
「まぁまぁ、それはミカエラ様からしたら困ったことですわね!」
「そうですね、親からは結婚等は主人に丸投げすると最初はそういう話だったようなので。」
「それでお相手がミカエラ様に婿入りとかで相手が立てたのがあのご令嬢なのですね。」
「そういうことです。変に尾ひれつけたりするとロズウェル侯爵家やヘラルド様が潰しに行くと仰っていたので宜しくお願い致します。」
これを付けておくと結構安全だ。
「勿論ですわ。夜会でお見かけした時もどちらが真実を言っているのか火を見るより明らかですから。」
「それでも聖女様が変に絡んでいることも事実ですからミカエラ様は殊更用心した方が良いかと。」
「ひぇ……もー……というか役職無し、奉公先の地位で嫁貰うのと爵位は落とすけど爵位持ちの婿入りってどっちがいいのですか?周りは後者だと言うのですが……」
取り敢えず彼等の手持ちの情報だけで判断してくれと思った。
「ミカエラ様、奉公先からは仕事を切られているのですか?」
「掛け持ちですね。」
「ミカエラ嬢って収入は?」
「王宮からの仕事たんまりと自分の商売で働かなくても一家族以上は余裕で養えます。」
なら爵位持ち。と、意見が一致していた。そういう情報なくても私に軍配が上がるらしい。
「レフィラ嬢は本家がスカルラッティ辺境伯だとしても彼女自身はアンバース子爵の令嬢ですからね。」
「いくらスカルラッティ辺境伯が名門貴族でも…彼女はアンバース子爵家ですからね。」
辛辣。まぁ、腐っても将来領主になったりその伴侶になることが確定しているのだからそういう見方になるのだろうか。ミカエラは勉強になるなぁ。しっかりしてるなぁ。と、思いながら頭を話題を切りかえて勉強をしていた。
「ミカエラ。」
「そんな時間ですか?」
放課後でも遅くなっていたようでその他護衛もいた。顔を上げると珍しく騎士の格好だ。仕事帰り???
「ご歓談もよろしいかと思いますが、護衛や側仕えが待っていますよ。」
全員が慌てて勉強道具をカバンに詰め込む。
「どうしたのですか?」
「侯爵家に用事がありましたので。何か?」
「いえ。トンボ帰りになりますが、侯爵家に向かっても?」
「……どちらに?」
「資料が見れたらなあと。」
ミカエラはカバンを持ちながら見上げると取られてしまった。
「侯爵家でよろしいのですか?リンドブルム大公にも早馬でいけますよ?」
「いやいや……」
「そうですか。では向かいましょうか。」
ひょいと抱き上げられた。
「……なぜ抱き上げるのです。」
「聖女派閥がそれなりにいます。走ります。」
窓から飛び降りた。声をあげないように自分で自分の口を塞いだ。
「着きましたよ。」
揺れなかったけど酔った。気持ち悪い。高いところ苦手なのに。馬車の椅子に座らされてぐったりと横になる。
「すみません、あまりにも伏兵のようにあちこちいましたから。」
「走るなんて……出発待ってください……気持ち悪い……」
「吐きそうですか??」
吐きそうではないが気持ち悪い。彼の膝を枕にして顔を埋める。髪を撫でられて呼吸が落ち着いてきたら馬車を出した。
「ミカエラ嬢は警戒した方が良いですよ?」
「へ?」
皆それ言うよね。
「アンバース子爵令嬢が婚約者取られたとか、誘惑したとかで新興宗教でも話題の中心ぽかったよ。」
「へー」
笑顔が固まる。婚約者取られたのではなく、スカルラッティ辺境伯が対抗策で用意したので後から降って湧いてきたのはそちらなのだと言ってやりたい。適当に聞き流そうかと思ったのに男女問わず気をつけろとか心配されるのでもう嫌だ。と、ため息つきたくなった。
「ミカエラ嬢取ったの?」
「……取ってはいませんよ。元々内々でそんな感じだったのが気に食わないスカルラッティ辺境伯が用意したのが彼女ですから。私は学園の成績で黙らせようとしてるんですけどねぇ。私が領地を持つことに反対をしているのもスカルラッティ辺境伯で……」
大雑把に説明して切り上げようとしたら女生徒が目を輝かせていた。ココ最近ずっとパートナーとして着いてきているし顔を見た事ある人はあると思う。だから細かいことは言うつもりは無いがこの程度は問題ないだろう。
「まぁまぁ、それはミカエラ様からしたら困ったことですわね!」
「そうですね、親からは結婚等は主人に丸投げすると最初はそういう話だったようなので。」
「それでお相手がミカエラ様に婿入りとかで相手が立てたのがあのご令嬢なのですね。」
「そういうことです。変に尾ひれつけたりするとロズウェル侯爵家やヘラルド様が潰しに行くと仰っていたので宜しくお願い致します。」
これを付けておくと結構安全だ。
「勿論ですわ。夜会でお見かけした時もどちらが真実を言っているのか火を見るより明らかですから。」
「それでも聖女様が変に絡んでいることも事実ですからミカエラ様は殊更用心した方が良いかと。」
「ひぇ……もー……というか役職無し、奉公先の地位で嫁貰うのと爵位は落とすけど爵位持ちの婿入りってどっちがいいのですか?周りは後者だと言うのですが……」
取り敢えず彼等の手持ちの情報だけで判断してくれと思った。
「ミカエラ様、奉公先からは仕事を切られているのですか?」
「掛け持ちですね。」
「ミカエラ嬢って収入は?」
「王宮からの仕事たんまりと自分の商売で働かなくても一家族以上は余裕で養えます。」
なら爵位持ち。と、意見が一致していた。そういう情報なくても私に軍配が上がるらしい。
「レフィラ嬢は本家がスカルラッティ辺境伯だとしても彼女自身はアンバース子爵の令嬢ですからね。」
「いくらスカルラッティ辺境伯が名門貴族でも…彼女はアンバース子爵家ですからね。」
辛辣。まぁ、腐っても将来領主になったりその伴侶になることが確定しているのだからそういう見方になるのだろうか。ミカエラは勉強になるなぁ。しっかりしてるなぁ。と、思いながら頭を話題を切りかえて勉強をしていた。
「ミカエラ。」
「そんな時間ですか?」
放課後でも遅くなっていたようでその他護衛もいた。顔を上げると珍しく騎士の格好だ。仕事帰り???
「ご歓談もよろしいかと思いますが、護衛や側仕えが待っていますよ。」
全員が慌てて勉強道具をカバンに詰め込む。
「どうしたのですか?」
「侯爵家に用事がありましたので。何か?」
「いえ。トンボ帰りになりますが、侯爵家に向かっても?」
「……どちらに?」
「資料が見れたらなあと。」
ミカエラはカバンを持ちながら見上げると取られてしまった。
「侯爵家でよろしいのですか?リンドブルム大公にも早馬でいけますよ?」
「いやいや……」
「そうですか。では向かいましょうか。」
ひょいと抱き上げられた。
「……なぜ抱き上げるのです。」
「聖女派閥がそれなりにいます。走ります。」
窓から飛び降りた。声をあげないように自分で自分の口を塞いだ。
「着きましたよ。」
揺れなかったけど酔った。気持ち悪い。高いところ苦手なのに。馬車の椅子に座らされてぐったりと横になる。
「すみません、あまりにも伏兵のようにあちこちいましたから。」
「走るなんて……出発待ってください……気持ち悪い……」
「吐きそうですか??」
吐きそうではないが気持ち悪い。彼の膝を枕にして顔を埋める。髪を撫でられて呼吸が落ち着いてきたら馬車を出した。
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