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第ニ章
ジュエルサーモンとトングの調理
しおりを挟む厨房に入ってからまず取り掛かるのは、買ってきたトングとジュエルサーモンの調理だ。
「さて、やっていこう。」
ジュエルサーモンとトングをバッグから取り出した。時間が止まっているマジックバッグの中に入れていたから鮮度はそのまま維持されている。
まずは水洗いから、トングとジュエルサーモンの鱗をしっかりと取る。トングは頭を落として内臓を抜いておく。
鱗を取り終わったジュエルサーモンをまな板に置いて、お腹の中身を確認しよう。
「お腹の中はどんな感じかな。」
肛門から内臓を傷つけないように切れ込みをいれていく。最初の一匹はお腹パンパンに筋子が入っているようだった。
「けっこう血がついてるな、水で洗おう。」
血のついている卵を水で洗うと、宝石のように美しい筋子へと変貌を遂げた。
残りの一匹のメスのジュエルサーモンからも筋子を取り出し、オスのサーモンからは巨大な白子をとることができた。
「こっちの白子は血も入ってない綺麗な白子だな。いつもならポン酢で食べるところだが、今回はせっかくだから少し変わった物を作ろうか。」
取り出した白子は酒と塩に10分ほど浸けておく。これで臭みとぬめりを消す。
内臓を抜いたジュエルサーモンは全て三枚におろしていく。サーモンの類いの魚は中骨がとても柔らかいから慣れていても注意した方がいい。
今日使う分だけ適度な大きさに切り分けて、残りはラップして再びマジックバッグの中にいれた。
「後はサーモンの切り身に軽く塩を振っておいて。トングは取りあえずおろして皮引かないとな。」
水洗いしたトングを三枚におろして皮を引く。
「うん、これであとは切り分けて塩を振ってなじませよう。」
塩を振ることで余分な水分を抜き、焼いたときの仕上がりがよくなるのだ。
「よし、次はソースを作ろう。」
フライパンで同量のバターと小麦粉を炒めてホワイトソースを作る。ある程度炒めたバターに暖めた牛乳を入れのばしていく。
そして、ナチュラルチーズ、パルメザンチーズ、塩、白胡椒で味を決める。一度沸騰させた後、火を止めてここで今回のソースの決め手となるものを入れる。
「普通のホワイトソースでもいいんだが、俺はモルネーソースの方が好きだからな。」
火を止めたホワイトソースに卵黄を入れて全体に馴染ませていく。すると白かったソースが黄色身がかったソースに変化する。
これがモルネーソースだ。
「これはジュエルサーモンのソースに使う、次はトングのソースを作るか。」
一種類のソースでは面白くない。魚も二種類あるから二種類ソースを作ろう。
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