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第ニ章

再びのダンジョン

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 昼食を食べ終えた後、さっそく俺たちは冒険者ギルドを訪ね、現ギルド長であるミースにダンジョンに入りたいと伝えた。
 すると二つ返事で彼女はダンジョンの入り口まで案内してくれた。

「一度踏破されているので心配はないと思いますが、それでもダンジョンの中では何が起こるかわかりませんので、どうか気をつけてくださいね?」

「あぁ、ヤバいと思ったらすぐに引き上げる。」

 ミースとそんな約束を交わしていると、後ろでドーナたちが何かを話している。

「ヒイラギがヤバいって感じるヤツって相当ヤバいやつなんじゃないかしら?」

「違いないねぇ。」

 今のところ俺がヤバいなと思う存在は一番身近にいるんだけどな。

 チラリと手を繋いでいるシアに視線を送ると、それに気が付いたシアが満面の笑みを返してくれた。

「さて、それじゃあいこうか。」

 ダンジョンの扉を開け、第一階層へと進んだ。

 どうやらダンジョンの構造は前と何の変化もなく、ダンジョンのボス部屋までの道のりを知っている俺たちは特に何の障害もなく先に進むことができた。

 当然のことながら何回か魔物に襲われることもあったが、ドーナとランの二人の敵ではなかった。

 二人とも、もともとの戦闘センスがかなりいいので、以前教えた力の流れを利用して攻撃に転じるなど、次に教える予定だったものを自分たちなりの戦闘スタイルに昇華させていた。

 天才というのは恐ろしいな。俺が今の二人のように技を扱えるようになったのは、師匠に教えてもらってから何年経った時だったかな。

 昔の自分と今の二人の姿を比べていると、あっという間にボス部屋の前についてしまった。

「もう着いたな。」

「ま、道のりはわかってたし、道中の魔物もそんなに強くはなかったからねぇ。」

「途中の魔物と戦っていた時の二人の動きはかなりよかったぞ。バフォメット相手にもかなり通用するはずだ。」

 そう褒めてあげると、ドーナとランはお互いにハイタッチをして喜びあっていた。

「今の俺からアドバイスできるのは、とにかく基本を忘れないこと……それだけだ。さ、バフォメットとご対面と行こうか。」

 ボス部屋へと続く巨大な扉に手を当てるとひとりでに扉が開き始めた。そしてボス部屋の中央にはバフォメットが鎮座していた。
 彼は俺に視線を向けると、うれしそうに笑った。

「待っていたぞ、ヒイラギ!!」
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