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第三章

もう一つの目的

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 あるものを探して魔物の死体の周辺を探していると、ボス狼の近くで目的のモノを見つけることができた。

「おっ?あったあった。」

 丸い水晶玉のようなものを拾い上げ、それに向かって鑑定のスキルを使う。


・ブラドウルフリーダーの宝玉


「よし、まずは一つ目だ。」

 今回見張りをするにあたって、ついでにやっておきたかったことがこれだ。襲ってきた魔物を倒して、宝玉を集めること……。
 
 宝玉をしまって、狼の死体を燃やして処分した。すると、その臭いにつられてまた別な魔物が続々と姿を表した。

「大量だな。」

 多種多様な魔物が俺という餌を求めて集まってきている。この大量の魔物からいったいいくつ宝玉は落ちるだろうか。

「この先には行かせないぞ。」

 背後にあるハウスキットに近づかせないように、自ら地面を蹴り魔物の群れの中へ突っ込んでいった。







 無我夢中で戦っていると、いつの間にか地上を照らす光が月明かりから陽の光に変わっていた。

「はっ、はっ……ふぅ、さ、流石に疲れたな。」

 あれからぶっ通しで戦い続け、魔物の死体の山がいたるところに築かれていた。最初の内は何匹倒したか数えていたが……100を超えたあたりから数えるのはやめてしまった。

「さて、宝玉を探そう。」

 魔物の死体を焼きながら宝玉を探すこと30分程…全ての魔物の死体を焼却し終え、集まった宝玉はたったの15個。

「こんなに倒して15個か。」

 チュートリアルで教えてもらった話だと、俺のスキルは強い魔物であればあるほど宝玉のドロップ率が高いと言っていた。
 確かに今回戦った魔物達は飛び抜けて強いって感じの魔物は居なかった。ただひたすらに質より量で攻めてきたからな。

「これはあとで使おう。」

 こんなに使うときが来ない方がいいに決まってるが、レスのようにとんでもなく強い魔物が現れないとも限らない。最悪の場合アイツよりもさらに強い魔物が出てくる可能性だってある。

 最悪の予想にならないことを祈りながら、俺はハウスキットの中に入りコーヒーメーカーにスイッチを入れた。
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