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第一章 転生そして成長
第7話 残り香①
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クロロとともに町へと帰っている途中、ふと思い出したようにクロロがルアに問いかけた。
「そういえばルアちゃん、どうやってオーガを倒したの~?その剣じゃどう頑張ってもあの体に傷つけれないと思うんだけど。」
「う~ん、なんって言ったらいいのかなぁ。ホントはやって見せたいんだけど……でも今ここじゃ見せられないよ。」
ルアは、先ほどミノタウロスになった時……自分に自我がなかったことを思い出して、今ここで変身してしまったらクロロを傷つけかねないと思ったのだ。
「ふ~ん?わかった。それじゃ後からのお楽しみにしとくねっ!」
ルアの答えに納得した彼女は、笑いながらそう答えた。
「私もそろそろ魔法覚えるべきかな~。今回みたいな剣が通らない魔物に会ったらルアちゃんを守れなくなっちゃうしな~。」
歩きながらクロロはそうぼやいた。
「魔法だったら由良さ……じゃなくてお母さんが詳しいですよ?」
「うん、それはわかってるんだけどね~。由良さんの魔法の特訓ってホン……ットに厳しいってこの街じゃ有名なんだよ?」
「えっ!?そうなの?」
驚きの事実に思わずルアは聞き返してしまう。というのも、いつも由良はルアに対しては甘々だったからなのだ。まさかそんな一面があるとは思ってもいなかった。
「うん、でもね~由良さんに教わった人たちはみ~んなすごい魔術師になってるんだよ?」
「ふぇ~……ボクも教わったら魔法使えるようになるかなぁ?」
「なれるなれる!!だって由良さんは魔力持ってない人でさえ魔術師に仕上げた実績があるんだから。」
「それホント!?」
さすがのルアも、今クロロが言ったことには驚きを隠せなかった。
魔力とは、この世界に存在する魔法を使う際に消費される力のことだ。本来はこの世界に生まれた者であれば誰しもが持ちうる力なのだが……極稀にいっさい魔力を持たずに生まれてくる者もいる。
由良はあろうことかそんな人物にでさえ魔法を使えるようにさせたというのだ。
それがいかにすごいことなのかは、言わずもがなだろう。
「ホントホント~、ちなみにそれがエナちゃんだよ?」
「…………。」
ルアは開いた口がふさがらなかった。まさかその人物が身近にいたということに驚きを隠せなかったのだ。
「本来ミノタウロスって種族は、もともと魔力を持たない種族なのね?でも、エナちゃんはどうしても魔法が使いたい~って由良さんに泣きついたの。そしたら魔法が使えるようにされちゃったってわけ。」
「お母さんってほんとにすごい人だったんだ。」
もともと、ルアは由良と暮らしていて、彼女が周りの人から羨望のまなざしで見られていることには気がついていたのだ。だが、どうしてそんな目を向けられているのかまでは知らなかった。
「じゃあ帰ったら一緒に由良さんに弟子入りしよっか?(にしし、ルアちゃんと一緒にやれば私にも甘くしてくれるかもしれないしね~。)」
「う、うん……。」
クロロは企みごとが下手なようで、いつもそれが顕著に顔に出る。今回も悪い笑みを浮かべていた彼女に、思わずルアは苦笑いを浮かべてしまうのだった。
そんなことを話していると、あっという間に町が目前に迫ってきた。
「あ、もう着いちゃった~。ルアちゃんとお話してるとあっという間だね。」
そして町の中に入ると……いろいろな女の人がルアに声をかけてくる。
「きゃ~っ!!ルアちゃん今日も可愛い~ッ!!」
「いいなぁクロロは~いっつもルアちゃんを独り占めして~。ねぇねぇルアちゃん今度はお姉さんと一緒に魔物退治行きましょ?」
「あ、あはは、あ、ありがとうございます……。」
少し照れながらそう言うと、あちこちからまた黄色い声で「可愛い~っ!!」などなど、様々な声が聞こえてくる。
そんなルアを見ることが目的で集まってきた彼女たちにクロロは……。
「さぁさぁ退いて退いて、私とルアちゃんはこれからギルドに行かなきゃなんないの~!!」
ルアの手を引いて、集まってきた観衆たちの間を潜り抜けていく。当然ながら大勢の女性の間を潜り抜けていくので、ルアの体にはぷにょんと柔らかいものが当たったり、ぎゅっと圧し潰されそうになったりした。
そして彼女たちの間を抜けると、一直線にクロロはギルドへとルアを連れて走り去る。
一方取り残された女性たちはというと……
「あ~あっ行っちゃた。」
「んふふ~でも相変わらずルアちゃんは可愛いね~。」
「そりゃあ、あの由良さんの子供ですもの。」
などなど、話している。そんななか、一人の女性があることを呟いた。
「でもさでもさ?なんか今日のルアちゃん……ちょっとオスみたいな匂いしなかった?」
「あっ!!それあたしも思った~。すんごい懐かしい香りがふわっとしたんだよね~。なんでだろ?」
「う~ん?わかんないっ!!」
彼女たちがルアから感じたほのかなオスの匂い……それは事実だったのか、それとも勘違いだったのか…………。
「そういえばルアちゃん、どうやってオーガを倒したの~?その剣じゃどう頑張ってもあの体に傷つけれないと思うんだけど。」
「う~ん、なんって言ったらいいのかなぁ。ホントはやって見せたいんだけど……でも今ここじゃ見せられないよ。」
ルアは、先ほどミノタウロスになった時……自分に自我がなかったことを思い出して、今ここで変身してしまったらクロロを傷つけかねないと思ったのだ。
「ふ~ん?わかった。それじゃ後からのお楽しみにしとくねっ!」
ルアの答えに納得した彼女は、笑いながらそう答えた。
「私もそろそろ魔法覚えるべきかな~。今回みたいな剣が通らない魔物に会ったらルアちゃんを守れなくなっちゃうしな~。」
歩きながらクロロはそうぼやいた。
「魔法だったら由良さ……じゃなくてお母さんが詳しいですよ?」
「うん、それはわかってるんだけどね~。由良さんの魔法の特訓ってホン……ットに厳しいってこの街じゃ有名なんだよ?」
「えっ!?そうなの?」
驚きの事実に思わずルアは聞き返してしまう。というのも、いつも由良はルアに対しては甘々だったからなのだ。まさかそんな一面があるとは思ってもいなかった。
「うん、でもね~由良さんに教わった人たちはみ~んなすごい魔術師になってるんだよ?」
「ふぇ~……ボクも教わったら魔法使えるようになるかなぁ?」
「なれるなれる!!だって由良さんは魔力持ってない人でさえ魔術師に仕上げた実績があるんだから。」
「それホント!?」
さすがのルアも、今クロロが言ったことには驚きを隠せなかった。
魔力とは、この世界に存在する魔法を使う際に消費される力のことだ。本来はこの世界に生まれた者であれば誰しもが持ちうる力なのだが……極稀にいっさい魔力を持たずに生まれてくる者もいる。
由良はあろうことかそんな人物にでさえ魔法を使えるようにさせたというのだ。
それがいかにすごいことなのかは、言わずもがなだろう。
「ホントホント~、ちなみにそれがエナちゃんだよ?」
「…………。」
ルアは開いた口がふさがらなかった。まさかその人物が身近にいたということに驚きを隠せなかったのだ。
「本来ミノタウロスって種族は、もともと魔力を持たない種族なのね?でも、エナちゃんはどうしても魔法が使いたい~って由良さんに泣きついたの。そしたら魔法が使えるようにされちゃったってわけ。」
「お母さんってほんとにすごい人だったんだ。」
もともと、ルアは由良と暮らしていて、彼女が周りの人から羨望のまなざしで見られていることには気がついていたのだ。だが、どうしてそんな目を向けられているのかまでは知らなかった。
「じゃあ帰ったら一緒に由良さんに弟子入りしよっか?(にしし、ルアちゃんと一緒にやれば私にも甘くしてくれるかもしれないしね~。)」
「う、うん……。」
クロロは企みごとが下手なようで、いつもそれが顕著に顔に出る。今回も悪い笑みを浮かべていた彼女に、思わずルアは苦笑いを浮かべてしまうのだった。
そんなことを話していると、あっという間に町が目前に迫ってきた。
「あ、もう着いちゃった~。ルアちゃんとお話してるとあっという間だね。」
そして町の中に入ると……いろいろな女の人がルアに声をかけてくる。
「きゃ~っ!!ルアちゃん今日も可愛い~ッ!!」
「いいなぁクロロは~いっつもルアちゃんを独り占めして~。ねぇねぇルアちゃん今度はお姉さんと一緒に魔物退治行きましょ?」
「あ、あはは、あ、ありがとうございます……。」
少し照れながらそう言うと、あちこちからまた黄色い声で「可愛い~っ!!」などなど、様々な声が聞こえてくる。
そんなルアを見ることが目的で集まってきた彼女たちにクロロは……。
「さぁさぁ退いて退いて、私とルアちゃんはこれからギルドに行かなきゃなんないの~!!」
ルアの手を引いて、集まってきた観衆たちの間を潜り抜けていく。当然ながら大勢の女性の間を潜り抜けていくので、ルアの体にはぷにょんと柔らかいものが当たったり、ぎゅっと圧し潰されそうになったりした。
そして彼女たちの間を抜けると、一直線にクロロはギルドへとルアを連れて走り去る。
一方取り残された女性たちはというと……
「あ~あっ行っちゃた。」
「んふふ~でも相変わらずルアちゃんは可愛いね~。」
「そりゃあ、あの由良さんの子供ですもの。」
などなど、話している。そんななか、一人の女性があることを呟いた。
「でもさでもさ?なんか今日のルアちゃん……ちょっとオスみたいな匂いしなかった?」
「あっ!!それあたしも思った~。すんごい懐かしい香りがふわっとしたんだよね~。なんでだろ?」
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