もんむすッ！めたもるふぉ～ぜ☆～世界に♂はボク一人！？～

しゃむしぇる

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第一章　転生そして成長

第41話　抜け駆け厳禁！？

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　タバサの店を後にしたロレットは、突然ルアの手を引っ張り彼と腕を組んだ。

「わっ！？ろ、ロレットさん！？」

「フフフッ、本で読んだぞ？恋人というのはこうやって寄り添って歩くものなのだろう？」

「こ、恋人って……ボク達はまだ…………。」

　少し顔を赤らめて恥ずかしそうにしているルアのことを見て、ロレットは嗜虐的な笑みを浮かべた。

「ま・だ・？では、今後そういう予定があるということか？」

「そ、そういう意味じゃなくて…………。」

「我は一向に構わないのだがな。強くて可愛いオスは大歓迎だぞ？」

「あぅぅ…………。」

　ロレットがルアのことをからかっていると……。

「生憎、お主が構わなくてもわしが許さんのじゃ！！」

　突然後ろから聞こえた聞きなれた声に二人が振り返ると、そこには眉間にシワを寄せ、仁王立ちしている由良の姿があった。

「お……おぉ、由良ではないか。こんなところで出会うとは奇遇だな。」

「わしが少しルアから目を離した瞬間に、ずいぶん抜け駆けをしようとしておるようじゃな？ん？」

　ずいずいとロレットの目の前に由良は歩み寄ると、身長が高いロレットの瞳を下から覗きこむようにしながら言った。

　すると、面白いほどロレットの顔から冷や汗が流れ始める。

「ぬ、抜け駆けとは人聞きが悪いではないか……わ、我はこうしてルアに買い物に付き合ってもらっているだけだぞ？」

「ほぅ？買い物に付き合っておるだけじゃというのに、ずいぶん密着しておるようじゃの？それに先ほど恋・人・という言葉も聞こえたのじゃが？」

　由良が問い詰めるごとに、ロレットの顔からどんどん余裕がなくなっていく。

「ふん、まぁ良い。ただの買い物というのならわしが同行しても、もちろん構わんな？」

「も、もちろんだ！！」

　ある程度ロレットの事を苛めぬいた由良は、満足するとルアの手をとった。

「さて、ルアや。ここからはわしも同行させてもらうぞ？」

「あ、う、うん。」

　ルアの手を引いて由良は歩きだした。

「あ！？ちょ、ちょっと待つのだ！！」

　置いていかれそうになったロレットは、慌てながら空いていたルアの右手を掴んだ。

「むっ！？これロレット！！お主なにルアの手を握っておるのじゃ！！」

「このぐらいよいではないか！！由良だって握っているだろう？」

「わしは母親じゃから良いのじゃ！！」

「それは不公平というものだ。我とてルアの手を握る権利ぐらいあるっ！！」

「なんじゃと～……？」

「む？なんだ？ここでやるか？」

　バチバチとルアを挟んだ二人の間で激しく火花が散り始める。挟まれてしまったルアは、おどおどとするしかなく、ただ二人がこの場所で喧嘩を始めないことを祈るしかできずにいた。

　すると……。

「ふんっ！！まぁここはルアに免じてわしが折れてやるのじゃ。」

　ルアが困っているのを察した由良は、自ら折れてロレットを受け入れた。
　どうやらここは由良が大人の対応というものを、ルアに見せたようだ。

「フフフッ、感謝する。」

　二人が喧嘩に発展しなかったことで、ホッと胸を撫で下ろしたルア。

　そして二人に手を引かれ、ルアは洋服屋へと足話踏み入れた。

「邪魔するのじゃ～。」

「あ、いらっしゃいませ～。」

　洋服屋に入ると、ドワーフがすぐに対応してくれた。

「この子に合う服を何着か見繕ってくれ。値段は考えんでいい。」

「かしこまりました～。」

　由良からそう言われると、パタパタとドワーフの女性は店内を駆け回り始めた。

「お母さんは買わなくていいの？」

「ん？わしにはこんな服は似合わんじゃろ。」

　ハンガーにかけられた洋服を一着手にとって、自分に重ねて見せる由良。

「え？全然可愛いと思うけど…………。」

「なっ……なななっ！！い、今なんと申した？」

「え……可愛いと思うよ？」

「ならば購入じゃ！！これも会計に含めてたも！！」

「ありがとうございま～す。」

　由良が服を購入している間、ルアはふと、ロレットが2着の服を眺めているのに気がついた。

「うむむ…………。やはり我にはこちらの方が……いや、だがこちらも着てみたい。」

　どうやらロレットは、いつも着ている軍服のようなカッコいい服と、フリフリの付いたワンピースとで悩んでいるようだ。

「悩んでるんですか？」

「～～～っ！？る、ルア！？い、いや我は決してこんなフリフリのワンピースを着たいとは思ってないぞ？」

(着たいんですね。ロレットさんってホント嘘が下手だな～……。)

　言葉に本音が漏れているロレットに、心のなかで苦笑いを浮かべるルアだったが、彼は率直な感想を彼女に伝えることにした。

「ボクは似合うと思いますよ？いつものようにカッコいい服ももちろん似合ってますけど、こういう可愛いのもロレットさんには似合うと思います。」

「そ、そうか？……か、考えておこう。」

　その後ロレットはこっそり店員を呼んで、そのワンピースを購入していた。

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