もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

文字の大きさ
44 / 249
第一章 転生そして成長

第42話 ファッションショー

しおりを挟む
 買い物を終えたルア達は城へと帰ってくると、早速今日買った服を実際に着てみることにした。

 というのも、これは由良の要望で……買いに買ったルアの服を一つ一つ眺めたいのだとか。ルアは全部着てみせることのかわりに、由良とロレットの二人にも、購入した服を着るように条件を出したのだ。

 今から、由良とロレット、ルアによる擬似的なファッションショーが幕を開ける。

「やはりこういうのは雰囲気が大事だな。会場はここにしよう。」

 ガチャリとロレットがある部屋の扉を開けると、そこは舞台があり、観客席まである広い部屋だった。

「こんな部屋まであったんですね……。」

「うむ、もともとここは演劇を見るために作られた部屋なのだ。今となっては使われてはいないがな。」

「まさにおあつらえ向き……というやつじゃな。」

 三人は一通り中を見て回ると、早速誰からやるのかを話し合い始めた。

「後は誰が最初にやるか……だな。」

「しかし、観客がお主ら二人しか居らんとは言え……舞台の真ん中に立つと少し緊張するのじゃ。」

 どうやら二人は一番手は遠慮したいらしい。ルアに助けを求めるようにチラチラと視線を送っていた。
 それに気がついたルアは、軽く息を吐き出すと手を挙げた。

「それならボクが一番最初にやりますっ。」

「良いのか?」

「だってボクが一番着る服多そうだし……それに最初にどんな風にやるのかをやって見せた方が、二人も気が楽じゃないですか?」

「うむむ……まぁその通りだな。」

「じゃあ早速着替えてきますね。」

 タッタッタとルアは舞台裏にある衣装部屋へと向かう。中に入ると、そこにはルアと由良、そしてロレットの三人分の衣装がハンガーにかけられていた。

 ルアはその中から上下で合わせられそうな服を選んで着て、舞台の方へと足を進めた。

「じゃ~ん!!どうですか?」

 ライトアップされた舞台へとルアが出てくると、由良とロレットは拍手で迎えていたのだが……途中で由良に異変が起きた。

「ぶふっ!!」

「ゆ、由良!?」

 突然由良が鼻血を吹き出してしまったのだ。心配するロレットに、大丈夫……と一言告げると携帯していたティッシュで由良は鼻を拭いた。

「す、すまん……ちとルアの姿の刺激が強すぎての。」

 今回ルアが着てきたのは、短めのホットパンツに真っ白なTシャツとブルゾンを合わせたコーディネートだった。
 一見何処にも刺激が強そうなところは見当たらなさそうなのだが……由良の目には一番に、ホットパンツの下に伸びる真っ白なルアの生足が目に入っていたようだ。

「ロレットさん、どうですか?」

「うむ、可愛いぞ?だが……少しその……足を出しすぎではないか?」

「えへへ、このコーディネートは足を出さないとダメなんです。」

「そ、そういうものなのか。」 

 ルアの生足を見ないように視線をずらそうとしているロレットだったが、やはり気になるようで、チラチラと視線を向けてしまっている。

「それじゃあ次のやつ着てきますね~。」

 ルアはパタパタと衣装部屋に戻っていく。そしてまた次の服を着ては、二人の前に姿を現し感想を聞いていた。

 そして……いよいよ二人の番がやってくる。

「それじゃあ次は二人の番ですよ。」

「なっ……も、もう我の番か!?」

「はいっ!」

「うむむむ……こうして改めて自分の番が来ると恥ずかしい気持ちが競り上がってくるな。」

 いざ自分の番となると、やはり少し恥ずかしいらしい。それは由良も同じようだ。

 そんな二人にルアはある提案をする。

「なら、二人一緒にやればいいんじゃないですか?」

「「…………!!」」 

「それは良い案だ!!」

「うむ、それならば良いじゃろう。」

 ロレットと由良の二人は一番前の観客席から腰をあげると、衣装部屋へと戻っていった。

 そして衣装部屋へと入った二人は改めて自分が買ったものを見て深くため息を吐いた。

「はぁ……こんな若者の服がわしに似合うのかのぉ~。」

「生憎我も同じ気持ちだ。こんなフリフリのワンピースが我に似合うだろうか。」

「ルアに似合うと言われて買ったものの……な。」

「我もだ。ルアに可愛いと言われてついつい買ってしまった。」

 そんなことを謂いながらも、二人は自然と服に袖を通していた。そして着替え終わった二人は、衣装部屋にある大鏡の前に立って、自分の姿を眺めてみる。

「……お?案外……悪くないかの?」

「うぅ、このスースーする感じが慣れぬな。」

「じゃが、お主も案外似合っておるではないか。普段の引き締まったやつよりも良いかもしれんぞ?」

「そ、そうか?むむむ…………。」

 お互いにお互いを褒め合う二人。そして一息つくと、決意を決めて舞台へと歩みを進めた。

 ライトアップされた舞台の真ん中に立った二人を見て、ルアは言う。

「うん!!やっぱり二人とも似合ってるよ!!」

「そ、そうかの?」

「なら良いのだが……。」

 由良が着ていたのはすっぽりと被れるフードが付いたパーカーとヒラヒラのスカートだ。
 由良の狐耳と尻尾が一際そのファッションを引き立てている。

 一方ロレットは、あの時迷っていた真っ白のワンピースだ。両手足のエメラルドグリーンの鱗が良いアクセントになっている。
 また、普段着ている服とのギャップで余計可愛らしく見えるようだ。

「ルアがそう言うのなら……これからこういうのも着てみても良いのかもしれんの。」

「う、うむ……。少し恥ずかしいがな。」

 こうして、三人のファッションショーは大成功で幕を閉じた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

処理中です...