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第一章 転生そして成長
第63話 お触り厳禁!?
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そして夜になり、ルアも寝室で眠りにつこうとしたとき、ふと自分の枕元で東雲が丸くなっていることに気が付いた。
「あれ、東雲さんもここで寝るんですか?」
「なんだ?不満か?」
「あ、いや……そういうわけじゃなくて、個室じゃなくていいのかな~って。」
「妾はお前の目付け役だ。いついかなる時にもお前のそばに居らねばならん。この意味が分かるな?」
「は、はい。」
東雲の言葉にルアはこくりと頷いた。
「ま、そういうわけだから今後ともよろしく頼むぞ。では妾は先に寝る。今日はちと酒を飲みすぎて疲れた。」
そう言うと東雲は枕元で蛇がとぐろを巻くように尻尾を体に巻き付けてすやすやと寝息を立て始めた。
(こういう風にしてると可愛いんだけどなぁ~。)
そう思ったルアがふと東雲に向かって手を伸ばすと、東雲の尻尾が勝手に動きぺちんととルアの手をはたいた。
痛くはないが感触が手に残る。
すると東雲は、ゆっくりと顔をあげるとニヤリと笑いながらルアに向けて言った
「くくく、妾の体に触ろうなどとは思わんことだな。いくらお前とて気やすく触れてよいものではないぞ?」
「ご、ごめんなさい。」
「わかったら早く寝ろ。お前も明日に備えるのだ。」
「はい……。」
少し残念そうにしながらも、ルアは東雲の隣で横になり目を閉じた。すると、疲れもあったせいか、あっという間に意識がまどろみの中へと沈んでいく。
そしてルアも東雲も寝息を立て始めた頃……
きゅっ……。
「………ッ!?」
ふとした拍子に東雲は自分の尻尾が掴まれているような感触に襲われた。恐る恐る自分の尻尾の方に目を向けてみると、ルアが愛おしそうに東雲の尻尾を優しく抱きしめながら眠りについていた。
そんなルアの顔を見て東雲は少し呆れ顔で溜息を吐いた。
「まったく、ちゃっかりしておるわ。己が欲望に忠実で……まぁ、寝ている時ぐらいは許してやるか。」
気持ち良さそうに眠るルアの顔を見てしまった東雲は、彼に声をかける気にもなれず、そのまま再び眠りにつくのだった。
◇
そして朝になり……ルアは柔らかい羽毛のような何かで鼻腔をくすぐられ目を覚ました。
「っくしゅん!!んん…………。」
くしゃみと共にルアが目を覚ますと、枕の上に東雲がひょっこりと座っていてルアの方を見つめていた。
「朝だぞルア。いい加減に起きるのだ。」
「う~ん……夜の国に行くのは明日……だったと思ったんですけど……。」
そう、昨日の話し合いで夜の国に赴くのは明日にしようと決まっていた。それは体を休めるための意味もあり、また、砂漠のオアシスへと行く準備を整えるためでもあった。
そしてオアシスへと行く準備はロレットの方で整えてくれる手はずになっている。
故に、今日は由良とルア、そして東雲の三人は完全な休日のはずだった。
「休日と言えど怠けていてはいかんぞルア。こういう日にこそ自分で自分を守る術を学ぶのだ。」
「う~……でもボクまだ眠いですよ~。」
「では妾がその寝坊助な頭を冴えさせてやろう。」
ピョンと東雲はルアの頭の上に飛び乗ると、尻尾を二本に増やしルアの耳へと挿しこんだ。
「ふわぁ…………。ふわふわで気持ちいい……。」
まるで耳かきの梵天で耳を撫でられているような感覚にルアは表情を蕩けさせた。
しかし、これは東雲のある術の下準備でしかなかった。
「この辺で良いか。……さて、覚悟は良いなルアよ?くくく……。」
「ふぇ?覚悟って…………ふぎっ!?」
突然ルアを襲ったのは、直接脳を撫でられているようなぞわぞわとした異常な感覚。
「ひぎっ……あ、あ、がっ……東雲さ……なに、して…………。」
「妾の尻尾から伸ばした魔力の糸でお前の頭を刺激してやっているのだ。さて、睡眠を促している器官はこの辺か。」
魔力の糸を伸ばし、睡眠を司る脳の器官にたどり着くと、東雲はそこに向かって魔力を流し込み始めた。
「これで良し。」
東雲はルアの耳から二本の尻尾を引き抜いた。そしてルアに問いかける。
「どうだ?目が覚めただろう?」
「あぅぅぁ……頭の中くちゅくちゅってぇ……変な感じ。」
「くくくくく、少し童には刺激が強すぎたか。ほれ、快楽に溺れさせるためにやったのではないぞ。目を覚ませ。」
ぺちぺちと東雲はルアの頬っぺたを柔らかい尻尾で何度か叩く。すると、その刺激でようやくルアは我に返ったようだ。
「し、東雲さん酷いですよ!!ボクの体を弄くりまわして……変になっちゃったらどうするんですか!!」
「くくくくく、その時は妾が責任を持ってお前を一生飼ってやろう。さぁ、広い場所に場所を移すぞ。今日は妾が直々に教えを説いてやる。」
そう言って東雲はルアのことを一人部屋に残して出ていってしまう。
自分勝手な東雲の行動にため息を吐きながらもルアはそのあとを追うのだった。
「あれ、東雲さんもここで寝るんですか?」
「なんだ?不満か?」
「あ、いや……そういうわけじゃなくて、個室じゃなくていいのかな~って。」
「妾はお前の目付け役だ。いついかなる時にもお前のそばに居らねばならん。この意味が分かるな?」
「は、はい。」
東雲の言葉にルアはこくりと頷いた。
「ま、そういうわけだから今後ともよろしく頼むぞ。では妾は先に寝る。今日はちと酒を飲みすぎて疲れた。」
そう言うと東雲は枕元で蛇がとぐろを巻くように尻尾を体に巻き付けてすやすやと寝息を立て始めた。
(こういう風にしてると可愛いんだけどなぁ~。)
そう思ったルアがふと東雲に向かって手を伸ばすと、東雲の尻尾が勝手に動きぺちんととルアの手をはたいた。
痛くはないが感触が手に残る。
すると東雲は、ゆっくりと顔をあげるとニヤリと笑いながらルアに向けて言った
「くくく、妾の体に触ろうなどとは思わんことだな。いくらお前とて気やすく触れてよいものではないぞ?」
「ご、ごめんなさい。」
「わかったら早く寝ろ。お前も明日に備えるのだ。」
「はい……。」
少し残念そうにしながらも、ルアは東雲の隣で横になり目を閉じた。すると、疲れもあったせいか、あっという間に意識がまどろみの中へと沈んでいく。
そしてルアも東雲も寝息を立て始めた頃……
きゅっ……。
「………ッ!?」
ふとした拍子に東雲は自分の尻尾が掴まれているような感触に襲われた。恐る恐る自分の尻尾の方に目を向けてみると、ルアが愛おしそうに東雲の尻尾を優しく抱きしめながら眠りについていた。
そんなルアの顔を見て東雲は少し呆れ顔で溜息を吐いた。
「まったく、ちゃっかりしておるわ。己が欲望に忠実で……まぁ、寝ている時ぐらいは許してやるか。」
気持ち良さそうに眠るルアの顔を見てしまった東雲は、彼に声をかける気にもなれず、そのまま再び眠りにつくのだった。
◇
そして朝になり……ルアは柔らかい羽毛のような何かで鼻腔をくすぐられ目を覚ました。
「っくしゅん!!んん…………。」
くしゃみと共にルアが目を覚ますと、枕の上に東雲がひょっこりと座っていてルアの方を見つめていた。
「朝だぞルア。いい加減に起きるのだ。」
「う~ん……夜の国に行くのは明日……だったと思ったんですけど……。」
そう、昨日の話し合いで夜の国に赴くのは明日にしようと決まっていた。それは体を休めるための意味もあり、また、砂漠のオアシスへと行く準備を整えるためでもあった。
そしてオアシスへと行く準備はロレットの方で整えてくれる手はずになっている。
故に、今日は由良とルア、そして東雲の三人は完全な休日のはずだった。
「休日と言えど怠けていてはいかんぞルア。こういう日にこそ自分で自分を守る術を学ぶのだ。」
「う~……でもボクまだ眠いですよ~。」
「では妾がその寝坊助な頭を冴えさせてやろう。」
ピョンと東雲はルアの頭の上に飛び乗ると、尻尾を二本に増やしルアの耳へと挿しこんだ。
「ふわぁ…………。ふわふわで気持ちいい……。」
まるで耳かきの梵天で耳を撫でられているような感覚にルアは表情を蕩けさせた。
しかし、これは東雲のある術の下準備でしかなかった。
「この辺で良いか。……さて、覚悟は良いなルアよ?くくく……。」
「ふぇ?覚悟って…………ふぎっ!?」
突然ルアを襲ったのは、直接脳を撫でられているようなぞわぞわとした異常な感覚。
「ひぎっ……あ、あ、がっ……東雲さ……なに、して…………。」
「妾の尻尾から伸ばした魔力の糸でお前の頭を刺激してやっているのだ。さて、睡眠を促している器官はこの辺か。」
魔力の糸を伸ばし、睡眠を司る脳の器官にたどり着くと、東雲はそこに向かって魔力を流し込み始めた。
「これで良し。」
東雲はルアの耳から二本の尻尾を引き抜いた。そしてルアに問いかける。
「どうだ?目が覚めただろう?」
「あぅぅぁ……頭の中くちゅくちゅってぇ……変な感じ。」
「くくくくく、少し童には刺激が強すぎたか。ほれ、快楽に溺れさせるためにやったのではないぞ。目を覚ませ。」
ぺちぺちと東雲はルアの頬っぺたを柔らかい尻尾で何度か叩く。すると、その刺激でようやくルアは我に返ったようだ。
「し、東雲さん酷いですよ!!ボクの体を弄くりまわして……変になっちゃったらどうするんですか!!」
「くくくくく、その時は妾が責任を持ってお前を一生飼ってやろう。さぁ、広い場所に場所を移すぞ。今日は妾が直々に教えを説いてやる。」
そう言って東雲はルアのことを一人部屋に残して出ていってしまう。
自分勝手な東雲の行動にため息を吐きながらもルアはそのあとを追うのだった。
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