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第一章 転生そして成長
第73話 原初の吸血鬼
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しばらく人通りのない路地を歩いていると、ふと目の前に大きく豪華な館が現れた。
「こちらであの御方がお待ちです。」
「随分大きな館じゃな……これほど大きいならば遠くからでも見えそうなものじゃが。」
「こちらの館は近くに近付かないと見えないように隠蔽魔法で隠されてますので、見えないのも当然です。」
館へと続く門を開きながらロザリィはそう説明する。彼女の説明に東雲がある疑問を抱く。
「ほぅ?何故そこまでして姿を隠そうとする?疚しいことをしているわけではないのだろう?」
「あの御方は、選ばれた者の前にしか姿を現さないのです。そさて、貴女達は選ばれた。……ただそれだけのことです。」
表情を崩さずにロザリィは言った。そしてチラリとルアに視線を向ける。
(……何かおかしい。この娘……魅了に対する耐性も無いし、周りにいる彼女達と違って強者の気配を感じない。)
すると、ロザリィがルアのことを見ていたのに気が付いたのか、由良がニヤリと笑いながら自慢げに話し始めた。
「むっふっふ、可愛いじゃろう?わしの可愛い可愛い娘なのじゃ。」
「お子さん……なんですか。そのわりには、似ているようには見えないですが……。」
「父親の血を濃く受け継いでおってな。残念ながらわしのように耳や尻尾はないのじゃ。」
「そういうことですか。」
最後にじっとルアのことを見つめると、再び前を向き歩き始めた。
そして館の中に入ると、外見からもわかってはいたが、中も相当広い。部屋も幾つあるのか数えきれないほどだ。
それだけ広い館にも関わらず、ロザリィは迷わずに正面にある階段を上り、どんどん進んでいく。
中に入った途端、ルア以外の三人はある違和感を感じていた。それを確認するように、ロレットは由良と東雲へと視線を向ける。
(……この館人の気配がない。)
(うむ。これだけ広いならば使用人の一人や二人いてもおかしくはないはずじゃ。)
ロレットと由良は目を合わせるとコクリと頷いた。
怪しさ満点の館に警戒心を強めているロレット達。
そしてロザリィは一際大きな扉の前に立つと、歩みを止めて扉の横に立った。
「中で貴女方をお待ちになっております。どうぞ中へ……。」
ロザリィの言葉に一行はお互いに顔を見合わせると、コクリと頷き、ロレットがその扉の取っ手に手をかけて押し開いた。
すると、その扉の向こうにはたくさんの豪華な料理が並べられていて、最奥には……一人の少女が大きな椅子に腰かけていた。
一行が中へと入ると、ロザリィが外から扉を閉めた。すると、奥にいた少女が口を開く。
「やぁ、いらっしゃい。夜の国へようこそ……と、言っても観光とかはまだしてないかな?」
ニヤリと口角を吊り上げながらその少女は言った。
そんな彼女にロレットはあることを問いかける。
「あなたが原初の吸血鬼か?」
「おや?私のことを知っているのかい?これは意外だったよ。どうやら地の上にも私のことは知れ渡ってしまっているようだね。」
少女はくつくつと笑う。
「おっと、失敬……自己紹介が遅れたね。ご存じの通り、私が原初の吸血鬼……ミリア・レッドプライドだ。私のことを知っている人には、よくミリアと呼ばれるよ。」
「丁寧な自己紹介感謝する。我の名前はロレットという。」
「…………ロレット?もしかして君は……地上の女王様かい?」
ロレットという名前に聞き覚えがあったらしく、ミリアはロレットに問いかけた。
すると、ロレットはゆっくりと首を縦に振った。
「名目上はそうなっている。」
「あははははは♪これはこれは……随分なお偉方が来たものだね。」
広い部屋にミリアの笑い声が響く。
彼女は笑いをおさめると、ロレットに問いかける。
「それで?地上の女王様ともあろう御方が……こんな地底に何の用だい?」
「……天使に対抗するためにあなたの力を借りたい。」
「……!!へぇ、私の力を借りに来た……と。」
ロレットの申し出をミリアは興味深そうに聞いていた。
「あぁ……だが、その前にあなたの実力が如何程なものか確かめさせてもらいたい。」
ロレットは腰に差していた剣の柄に手をかけながら言った。
すると、意外にもミリアから答えはすぐに返ってきた。
「うん、いいよ~?」
「意外だな、そんなにあっさり承諾してくれるとは……。」
「あはは、その代わり条件をつけさせてもらうよ。」
「ほぅ?」
「仮に手合わせで、私に勝つことができたのなら……喜んで天使を倒すために手を貸そう。でも、もし……君達全員が私に負けた場合………………。」
条件を提示し始めたミリアは口角を吊り上げ、表情を歪に歪めると、とんでもないことを言った。
「君達全員の生き血を吸わせてもらうよ?」
「「「……!!」」」
ミリアの言葉に一行は思わず固まってしまう。
そんな一行にミリアは続けて言った。
「ちなみに君達がこの条件を反故にすることはできないよ。だってもうこの館に足を踏み入れてしまったんだからねぇ……あはははははははは♪」
「我らをここに誘ったのは最初からそれが目的だったというわけか……。」
「見事にしてやられたのぉ。」
「あははははは♪さぁ……デスゲームを始めようか。君達の血は美味しいといいなぁ~……。あはははははっ♪あはははははっ!!」
ミリアの笑い声が静かな部屋に響き渡った。
「こちらであの御方がお待ちです。」
「随分大きな館じゃな……これほど大きいならば遠くからでも見えそうなものじゃが。」
「こちらの館は近くに近付かないと見えないように隠蔽魔法で隠されてますので、見えないのも当然です。」
館へと続く門を開きながらロザリィはそう説明する。彼女の説明に東雲がある疑問を抱く。
「ほぅ?何故そこまでして姿を隠そうとする?疚しいことをしているわけではないのだろう?」
「あの御方は、選ばれた者の前にしか姿を現さないのです。そさて、貴女達は選ばれた。……ただそれだけのことです。」
表情を崩さずにロザリィは言った。そしてチラリとルアに視線を向ける。
(……何かおかしい。この娘……魅了に対する耐性も無いし、周りにいる彼女達と違って強者の気配を感じない。)
すると、ロザリィがルアのことを見ていたのに気が付いたのか、由良がニヤリと笑いながら自慢げに話し始めた。
「むっふっふ、可愛いじゃろう?わしの可愛い可愛い娘なのじゃ。」
「お子さん……なんですか。そのわりには、似ているようには見えないですが……。」
「父親の血を濃く受け継いでおってな。残念ながらわしのように耳や尻尾はないのじゃ。」
「そういうことですか。」
最後にじっとルアのことを見つめると、再び前を向き歩き始めた。
そして館の中に入ると、外見からもわかってはいたが、中も相当広い。部屋も幾つあるのか数えきれないほどだ。
それだけ広い館にも関わらず、ロザリィは迷わずに正面にある階段を上り、どんどん進んでいく。
中に入った途端、ルア以外の三人はある違和感を感じていた。それを確認するように、ロレットは由良と東雲へと視線を向ける。
(……この館人の気配がない。)
(うむ。これだけ広いならば使用人の一人や二人いてもおかしくはないはずじゃ。)
ロレットと由良は目を合わせるとコクリと頷いた。
怪しさ満点の館に警戒心を強めているロレット達。
そしてロザリィは一際大きな扉の前に立つと、歩みを止めて扉の横に立った。
「中で貴女方をお待ちになっております。どうぞ中へ……。」
ロザリィの言葉に一行はお互いに顔を見合わせると、コクリと頷き、ロレットがその扉の取っ手に手をかけて押し開いた。
すると、その扉の向こうにはたくさんの豪華な料理が並べられていて、最奥には……一人の少女が大きな椅子に腰かけていた。
一行が中へと入ると、ロザリィが外から扉を閉めた。すると、奥にいた少女が口を開く。
「やぁ、いらっしゃい。夜の国へようこそ……と、言っても観光とかはまだしてないかな?」
ニヤリと口角を吊り上げながらその少女は言った。
そんな彼女にロレットはあることを問いかける。
「あなたが原初の吸血鬼か?」
「おや?私のことを知っているのかい?これは意外だったよ。どうやら地の上にも私のことは知れ渡ってしまっているようだね。」
少女はくつくつと笑う。
「おっと、失敬……自己紹介が遅れたね。ご存じの通り、私が原初の吸血鬼……ミリア・レッドプライドだ。私のことを知っている人には、よくミリアと呼ばれるよ。」
「丁寧な自己紹介感謝する。我の名前はロレットという。」
「…………ロレット?もしかして君は……地上の女王様かい?」
ロレットという名前に聞き覚えがあったらしく、ミリアはロレットに問いかけた。
すると、ロレットはゆっくりと首を縦に振った。
「名目上はそうなっている。」
「あははははは♪これはこれは……随分なお偉方が来たものだね。」
広い部屋にミリアの笑い声が響く。
彼女は笑いをおさめると、ロレットに問いかける。
「それで?地上の女王様ともあろう御方が……こんな地底に何の用だい?」
「……天使に対抗するためにあなたの力を借りたい。」
「……!!へぇ、私の力を借りに来た……と。」
ロレットの申し出をミリアは興味深そうに聞いていた。
「あぁ……だが、その前にあなたの実力が如何程なものか確かめさせてもらいたい。」
ロレットは腰に差していた剣の柄に手をかけながら言った。
すると、意外にもミリアから答えはすぐに返ってきた。
「うん、いいよ~?」
「意外だな、そんなにあっさり承諾してくれるとは……。」
「あはは、その代わり条件をつけさせてもらうよ。」
「ほぅ?」
「仮に手合わせで、私に勝つことができたのなら……喜んで天使を倒すために手を貸そう。でも、もし……君達全員が私に負けた場合………………。」
条件を提示し始めたミリアは口角を吊り上げ、表情を歪に歪めると、とんでもないことを言った。
「君達全員の生き血を吸わせてもらうよ?」
「「「……!!」」」
ミリアの言葉に一行は思わず固まってしまう。
そんな一行にミリアは続けて言った。
「ちなみに君達がこの条件を反故にすることはできないよ。だってもうこの館に足を踏み入れてしまったんだからねぇ……あはははははははは♪」
「我らをここに誘ったのは最初からそれが目的だったというわけか……。」
「見事にしてやられたのぉ。」
「あははははは♪さぁ……デスゲームを始めようか。君達の血は美味しいといいなぁ~……。あはははははっ♪あはははははっ!!」
ミリアの笑い声が静かな部屋に響き渡った。
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