もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第二章 呪われた運命

第111話 敗北の味は……

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「それで、こういうわけだったらしいです。」

 朝起きたルアは、今までこの騒動に付き合ってくれたロレットたちに事情を説明した。すると、ロレットやトリトニーは安心したようにほっと安堵の息を吐いたのだが、東雲や真琴、そしてミリアの三人は少し不服そうだった。

「やはりこの世界の者ではなかったか。チィッ……せっかく神に手が届きそうだったと言うのに。」

 ギリリと悔しそうに歯を食いしばる東雲。

「所詮はあてらも人の子……ちゅうことやねぇ。」

「悔しいけどそういうことだね。やっぱり神様ってのは次元が違うなぁ~……。」

 そう口々に悔しそうに言った彼女たちにロレットが半ば呆れながら口を開く。

「だいたい、神に挑むって言う発想自体がとんでもないものだと我は思うが……。」

「ボクもそう思います。」

「やはり普通はそう思うか。フフフッ、そういえばそのアルテミスという女神はまだルアの監視……いや、見守ることを続けるのか?」

「らしいです。でも一応、そのお風呂の時とかはなるべく控えてくださいって……お願いしたから多分前よりは控えてくれると思うんですけど。」

 そうルアが言ったとき東雲が呆れ顔で言った。

「ふん、どうだかな。妾達の仕掛けを罠と知りつつも、わざわざルアの恥態を見に来るほどの変態女神だ。あれこれ方法を変えて覗きに来るのではないか?」

「うぅ……そうならないことを祈りたいんですけど。」

 東雲の言葉にそう返すしかなかったルア。そんな彼の傍らで、ふと東雲と真琴、そしてミリアが立ち上がった。

「さて、妾達は修練に行ってくるぞ。」

「えっ!?東雲さん達が……修行を?」

「うん、ちょっと昨日あんまりにも自分がいかに実力不足なのかを思い知らされたからね。」

「このままやと、名付きの天使をしばけんかもしれんからね。」

「という訳で、今日はお前達の修練に付き合うことはできぬ。各々今まで妾達が教えたことをやっていろ。」

 東雲がそう告げると、三人は部屋を後にした。

「……行ってしまったな。」

「はい……。」

「あの三人は今まで修行をする気などはなかったように見えたが、どうやらそのアルテミスという女神に触発されたらしいな。」

「あはは、そうかもしれませんね。東雲さんがあんなに悔しがってるところ見たことないですもん。」

 ルアは昨日、作戦が失敗に終わったことを告げに来た東雲の表情をはっきりと覚えていた。普段クスクスと笑う彼女の姿とは打って変わって、悔しさと、怒りに満ちた表情……。あんな怖い顔をしていた東雲は初めてだったのだ。

「一介の人が、神という存在に挑んで負ける……そして悔しがる。普通なら負けて当たり前……と思うところだろうが、東雲達はどうやら本気で神に勝つつもりでいるらしいな。…………我も負けてられん。」

 スッとロレットは立ち上がると、部屋の武器ハンガーにかけてあったオリハルコンの剣を手にした。

「我も来るべき時のために修行に力を入れるとしよう。では先に失礼するぞルア。」

 そう言うと、ロレットまでも部屋を後にしてしまい、結局最後ルア一人だけが部屋に取り残されてしまった。

「みんな行っちゃった……。ボクも東雲さんに言われた通り修行しよっかな。」

 そして一人、いつものように魔力をぐにゃぐにゃと動かしていると…………。

「こんにち…………わっ!!」

「わぁっ!?」

 突然後ろから大きな声が聞こえてきて、ルアはビックリし飛び上がってしまう。

「ん~っ♪驚いた表情もイイっ!!」

「だ、だだ……誰っ!?」

 表情を恍惚とさせ、くねくねと体をくねらせる見知らぬ女性。しかし、ルアは彼女の姿を一度見たことがあった。

「も、もしかして……アルテミス……さん?」

「大正解。そうっ!!私こそ、狩猟と貞潔の女神……アルテミスよ。気軽にアルって、呼んでくれて構わないわ。」

 アルテミスことアルは、驚くルアを尻目に彼の正面の椅子に腰かける。置き去りにされてしまったルアはなんとか口からある疑問を吐き出した。

「あ、あの……どうしてここに?」

「あぁ、それは……やっぱり姿も知らない人に日常生活を見られるのは嫌でしょ?だからこうしてキミ一人だけのところを見計らって姿を現したのよ。」

「そ、そうだったんですか。」
 
「それで、あの狐の子達は今どこかに行っていないんでしょ?」

「は、はい。」

「なら、私が直々にキミに稽古をつけてあげるわ。」

「え……えぇっ!?」

 そんなことから、ルアはアルから稽古をつけられることになってしまったのだった。
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