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第二章 呪われた運命
第110話 久しぶりの再会
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東雲たちから作戦が失敗に終わってしまったことを聞いて、ルアは少し残念そうに眠りについた。すると、夢に誘われるように、見覚えのある空間に意識が飛ばされた。
「あれ?ここは……。」
「やっほ~♪ボクちゃん、元気にしてたかしら?」
辺りをきょろきょろと見渡していると、不意に後ろからレトに抱き着かれた。
「レトさん!!」
「そのと~り、ボクちゃんだけの女神レトよ~?」
「最近全然声が聞けなかったから心配したんですよ?東雲さんも心配してました。」
「ごめんなさいね、こっちの方でいろいろトラブルがあってね。」
少し申し訳なさそうにしながらレトはルアに謝った。
「それでようやくひと段落着いたから連絡したの。」
「そ、そうだったんですか……あの、何があったんですか?」
「ちょっとね、うちの馬鹿息子がいろいろやらかしちゃったみたいでね~。」
「えっ!?レトさんって子供いたんですか!?」
衝撃の事実にルアは思わず驚いた声を上げた。
「あら、意外だった?これでも二児の母なのよ~?」
「えぇ……。」
「ま、父親には逃げられちゃったんだけど~。でも、今はボクちゃんがいるから何も問題ないわ~♪」
さらりととんでもないことを言ったレトだったが、当の本人は全くその事を気にしている様子はない。
それどころか、すりすりとレトはルアの顔に自分の頬を擦り付けている始末だ。
「それで、今回この世界に来てもらったのは~私の娘のことについて教えておかなきゃいけないの。」
「レトさんの……娘さんですか?」
「うんうん、私の娘の名前アルテミスっていうんだけど、実は最近下界でボクちゃんの監視をお願いしてるのよ。」
「えっ!?じゃ、じゃあもしかして視線を感じるのって…………。」
「それは、アルがボクちゃんのことを陰ながら見守っているからだわ。」
レトの言葉でルアは日頃感じる視線の正体を知ることとなった。
「ち、ちなみに何でレトさんの娘さんがボクのことを?」
「あぁ、それはね。あの子女神の力をだいぶ失っちゃっててね。それを回復するために安全な下界にいるの。で、そのついでにボクちゃんの監視を私が頼んでたのよ~。」
「なるほど……そういうことだったんですか。」
ルアが事情を察すると、レトが思い出したように問いかけた。
「あ、そういえば……ついさっき下界でアルの力を感じたんだけど、あの子何かした?」
「えっと、確か東雲さんの結界を破るのに弓矢を使った……って聞きました。」
「あぁ~、そういうことかぁ~。弓を引ける位には力は戻ったみたいね。私の予想より結構早く力が戻ってきてるみたい。」
ルアからの報告を聞いたレトは、納得したように頷くとポツリと呟いた。そしてちらりとルアへと視線を向ける。
(それもこれも、この子のおかげ……なのかしらね。すっかりアルもこの子の虜になっちゃってるみたいだし。)
そして満足そうにレトは頷くと再び口を開いた。
「っと、まぁそういうわけだから~……もし東雲ちゃんとかがアルのこと警戒してるようなら、私が今言ったこと伝えてくれる?」
「わ、わかりました……。」
コクリと素直にルアは頷いたが、レトは彼がまだ何か言いたそうにしているのを見逃さなかった。
「ボクちゃん、何か言いたいことがあるなら言ってくれる?お姉さんきっと、力になれると思うわ。」
「あ、えと……それじゃあなんですけど。その……アルテミスさんに、お風呂に入ってるときとかは覗かないで下さい……って伝えてほしいんですけど。」
ルアの言葉に、レトは一瞬ポカンと呆気にとられたような表情を浮かべるが、すぐにクスリと笑って言った。
「うふふふふっ♪わかったわ、あの子にはよ~く言って聞かせておくから。ボクちゃんは安心して、このまま眠りに堕ちなさい?」
そしてレトはルアの額に軽く口付けをする。すると、ルアの意識が一気に微睡みの中へと沈んでいった。
それと同時に天界からルアの姿も消える。
一人残ったレトは、ふとパチンと指を鳴らした。すると空中に魔法陣が現れ、そこからアルこと、アルテミスが降ってきた。
「きゃっ!?いっ……たぁ~………。」
ドン!!と音をたてて尻餅をついたアルは、痛そうに自分のお尻をスリスリと撫でる。
そんな彼女にレトはゆっくりと歩み寄った。
「ア~ル~?」
「ひっ!?お、お母様?」
「あれだけ下界では力を使うな~って言ったでしょ?」
コツンと優しくレトはアルの頭に拳を当てる。
「うぅ、ごめんない。でもこれを使わないと、いけなかったんです。」
アルは背中に背負った金色の弓を手にしながら、瞳に涙をため言った。そんな彼女の姿を見て、レトは一つため息を吐く。
「はぁ……まぁ、だいたいの状況はあの子から聞いてるから、何があったのかはわかってるわ。」
そしてクルリとレトは踵を返し、アルに背を向けるとにこりと笑いながら振り返る。
「ま、覗き見もほどほどに……ってね♪覗きっていうのはバレないから背徳感があって良いのよ?」
「お、お母様……。」
ぱぁっと表情を明るくしたアルにレトは優しく微笑んだのだった。
「あれ?ここは……。」
「やっほ~♪ボクちゃん、元気にしてたかしら?」
辺りをきょろきょろと見渡していると、不意に後ろからレトに抱き着かれた。
「レトさん!!」
「そのと~り、ボクちゃんだけの女神レトよ~?」
「最近全然声が聞けなかったから心配したんですよ?東雲さんも心配してました。」
「ごめんなさいね、こっちの方でいろいろトラブルがあってね。」
少し申し訳なさそうにしながらレトはルアに謝った。
「それでようやくひと段落着いたから連絡したの。」
「そ、そうだったんですか……あの、何があったんですか?」
「ちょっとね、うちの馬鹿息子がいろいろやらかしちゃったみたいでね~。」
「えっ!?レトさんって子供いたんですか!?」
衝撃の事実にルアは思わず驚いた声を上げた。
「あら、意外だった?これでも二児の母なのよ~?」
「えぇ……。」
「ま、父親には逃げられちゃったんだけど~。でも、今はボクちゃんがいるから何も問題ないわ~♪」
さらりととんでもないことを言ったレトだったが、当の本人は全くその事を気にしている様子はない。
それどころか、すりすりとレトはルアの顔に自分の頬を擦り付けている始末だ。
「それで、今回この世界に来てもらったのは~私の娘のことについて教えておかなきゃいけないの。」
「レトさんの……娘さんですか?」
「うんうん、私の娘の名前アルテミスっていうんだけど、実は最近下界でボクちゃんの監視をお願いしてるのよ。」
「えっ!?じゃ、じゃあもしかして視線を感じるのって…………。」
「それは、アルがボクちゃんのことを陰ながら見守っているからだわ。」
レトの言葉でルアは日頃感じる視線の正体を知ることとなった。
「ち、ちなみに何でレトさんの娘さんがボクのことを?」
「あぁ、それはね。あの子女神の力をだいぶ失っちゃっててね。それを回復するために安全な下界にいるの。で、そのついでにボクちゃんの監視を私が頼んでたのよ~。」
「なるほど……そういうことだったんですか。」
ルアが事情を察すると、レトが思い出したように問いかけた。
「あ、そういえば……ついさっき下界でアルの力を感じたんだけど、あの子何かした?」
「えっと、確か東雲さんの結界を破るのに弓矢を使った……って聞きました。」
「あぁ~、そういうことかぁ~。弓を引ける位には力は戻ったみたいね。私の予想より結構早く力が戻ってきてるみたい。」
ルアからの報告を聞いたレトは、納得したように頷くとポツリと呟いた。そしてちらりとルアへと視線を向ける。
(それもこれも、この子のおかげ……なのかしらね。すっかりアルもこの子の虜になっちゃってるみたいだし。)
そして満足そうにレトは頷くと再び口を開いた。
「っと、まぁそういうわけだから~……もし東雲ちゃんとかがアルのこと警戒してるようなら、私が今言ったこと伝えてくれる?」
「わ、わかりました……。」
コクリと素直にルアは頷いたが、レトは彼がまだ何か言いたそうにしているのを見逃さなかった。
「ボクちゃん、何か言いたいことがあるなら言ってくれる?お姉さんきっと、力になれると思うわ。」
「あ、えと……それじゃあなんですけど。その……アルテミスさんに、お風呂に入ってるときとかは覗かないで下さい……って伝えてほしいんですけど。」
ルアの言葉に、レトは一瞬ポカンと呆気にとられたような表情を浮かべるが、すぐにクスリと笑って言った。
「うふふふふっ♪わかったわ、あの子にはよ~く言って聞かせておくから。ボクちゃんは安心して、このまま眠りに堕ちなさい?」
そしてレトはルアの額に軽く口付けをする。すると、ルアの意識が一気に微睡みの中へと沈んでいった。
それと同時に天界からルアの姿も消える。
一人残ったレトは、ふとパチンと指を鳴らした。すると空中に魔法陣が現れ、そこからアルこと、アルテミスが降ってきた。
「きゃっ!?いっ……たぁ~………。」
ドン!!と音をたてて尻餅をついたアルは、痛そうに自分のお尻をスリスリと撫でる。
そんな彼女にレトはゆっくりと歩み寄った。
「ア~ル~?」
「ひっ!?お、お母様?」
「あれだけ下界では力を使うな~って言ったでしょ?」
コツンと優しくレトはアルの頭に拳を当てる。
「うぅ、ごめんない。でもこれを使わないと、いけなかったんです。」
アルは背中に背負った金色の弓を手にしながら、瞳に涙をため言った。そんな彼女の姿を見て、レトは一つため息を吐く。
「はぁ……まぁ、だいたいの状況はあの子から聞いてるから、何があったのかはわかってるわ。」
そしてクルリとレトは踵を返し、アルに背を向けるとにこりと笑いながら振り返る。
「ま、覗き見もほどほどに……ってね♪覗きっていうのはバレないから背徳感があって良いのよ?」
「お、お母様……。」
ぱぁっと表情を明るくしたアルにレトは優しく微笑んだのだった。
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