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第二章 呪われた運命
第121話 死の定義
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ルアたちが向かった場所はとても広い広大な荒野だった。人気はなく、周りには荒れ果てた岩や枯れた木々しかない。
「ここならば数キロ先まで人が住む集落はない。つまり思う存分妾達が力を発揮しても良いということだ。」
「ふぅん?確かにまぁ……この辺なら思いっきり暴れてもよさそうだけど。それはあくまでも私達はって話だよね?」
「そうだな。だが……まぁいくら神の力を使うとしても、この辺一帯を破壊するような危険なことはしないだろう?」
チラリと東雲はルアの方を向いた。
「うっ……まさか、そんなことしないですよ。」
「くくくくく、どうだかなぁ?お前もまだ……あの力を使いこなせているわけではないのだろう?」
「そ、それはそうですけど……。」
「んふふふ、あてらを殺さんようにしておくれやす~?」
「そ、そんなこと絶対しませんっ!!」
冗談混じりに言った真琴に、真剣な表情でルアは答える。
「あははっ♪ルア君必死すぎ~、別にいいんだよ殺すつもりでやってさ。死んだらこっちの責任だからね。」
「う~……ぼ、ボクは人を殺すとかそういうのは無理ですよ。」
「何を弱気なことを言っている。ではお前は天使と戦ったらどうするのだ?」
「そ、それは…………。」
ルアが答えに詰まっていると……。
「まったく、あなた達……なかなかエグいことを問い詰めるわね。」
「むっ……その声は……。」
東雲が声のした方を振り返ると、そこにはアルの姿があった。
「現れたな変態女神。」
「だから呼び方が悪いっての!!女神なんだからもう少し敬いなさいよね。」
ボソリと言った東雲の言葉に敏感に反応したアル。そしてプイッとそっぽを向いてしまった東雲を見て、大きくため息を吐き出した後彼女はルアへと向かって口を開く。
「はぁ……それで天使を殺すとかそういう物騒な話だったわね。まず第一に、倒した天使が死ぬということは無いわ。」
「そ、それってどういう…………。」
「まぁ最後まで聞きなさい?そっちの三人はわかってると思うけど、一度倒した天使は光になって消えるわ。でもあの子達にとってはその現象があなた達の死という定義とは、ほど遠いものなのよ。」
アルの説明にルアはなにがなんだかさっぱり分からないといった様子で、頭の中が余計混乱し始めていた。しかし、そんな彼を置いてアルは説明を続けた。
「あなた達の死というものの定義は、主に二つ。一つは肉体が朽ち果て生命活動が停止すること。二つ目は魂が体から抜け落ちて死の世界へと導かれること。でも、天使の死の定義っていうのは、自分を生み出した神が死ぬこと……なのよ。」
「……つまり、妾達が必死になって倒したところで、天使は死んではおらん……ということか?」
「ま、そういうことね~。だから~……。」
ずんずんとルアに歩み寄ると、アルは彼の頭にポンと手を置いて優しく言った。
「君は何も考えず天使をぶっ飛ばせばいいってことよ。どうせまた、あいつらの生みの神が同じ天使を生むのだから。」
そう安心させるようにルアへと語りかけたアルは、なでなでとルアの頭を何度も撫でた。
そしてルアが口を開こうとした時……彼女がじっ……と自分の顔を見つめていることに気がついた。
「そういえば……君、日焼けした?こんなにこんがり黒~く焼けちゃって。」
「え、い、今気が付いたんですか?」
「え、うん……だって私ついさっき起きたばっかりだし。それに君の顔を見たのは今日はこれが初めてよ?」
アルの言葉に、ルアと東雲はお互いに顔を見合わせた。そして今度は東雲がアルのもとへと歩み寄り問い詰める。
「おい、では今朝がたルアの事を写真に納めたのは誰だというのだ?」
「えぇっ?そんなの私知らな…………あっ。」
知らないと言おうとしたアルだったが、突然何か思い当たる節があったようで……。
「もしかしてだけど……それはお母さんの仕業かも?」
「貴様の母親だと?」
「それってレトさんって事ですか!?」
「そういうことになるわね。」
そう、東雲からの話を聞いて、アルの頭に思い浮かんだもの……それは、レトこと自分の母親が日頃にやけ面を浮かべながら眺めている、ルアのアルバムだった。
「貴様らは親子揃って変態なのか…………。」
アルの言葉に東雲はため息を吐きながら、
「だ~か~ら~っ!!その変態って言うのやめなさいよ!!」
「盗撮に覗きをする者を変態と呼ばずして何と呼べば良いと言うのだ?」
「うぐっ…………それは。」
アルは言葉につまる。東雲の言っていることが正論過ぎて何も言い返せなかったのだ。
「……ふん、まぁいい。貴様も来たのなら妾達の修練に付き合え。」
「え~、私がやってあげれることなんてないわよ?」
「妾達のパワーアップに貢献できたのなら、変態と呼ぶのを考えてやろう。」
「ならやるっ!!さ、早くやるわよ~!!あなた達のパワーアップなんて私にかかればちょちょいのちょいなんだから!!」
あっさりと東雲の口車に乗せられ、一人やる気を漲らせているアル。そんな彼女の姿を見て、真琴とミリアの二人は苦笑いでため息を吐いた。
「ずいぶん、単純な女神様やねぇ~。」
「あはは、まぁ扱いやすくていいんじゃないの?」
そして急遽アルも加わることとなった東雲達の修行……果たしてどんなことが行われるのだろうか?
「ここならば数キロ先まで人が住む集落はない。つまり思う存分妾達が力を発揮しても良いということだ。」
「ふぅん?確かにまぁ……この辺なら思いっきり暴れてもよさそうだけど。それはあくまでも私達はって話だよね?」
「そうだな。だが……まぁいくら神の力を使うとしても、この辺一帯を破壊するような危険なことはしないだろう?」
チラリと東雲はルアの方を向いた。
「うっ……まさか、そんなことしないですよ。」
「くくくくく、どうだかなぁ?お前もまだ……あの力を使いこなせているわけではないのだろう?」
「そ、それはそうですけど……。」
「んふふふ、あてらを殺さんようにしておくれやす~?」
「そ、そんなこと絶対しませんっ!!」
冗談混じりに言った真琴に、真剣な表情でルアは答える。
「あははっ♪ルア君必死すぎ~、別にいいんだよ殺すつもりでやってさ。死んだらこっちの責任だからね。」
「う~……ぼ、ボクは人を殺すとかそういうのは無理ですよ。」
「何を弱気なことを言っている。ではお前は天使と戦ったらどうするのだ?」
「そ、それは…………。」
ルアが答えに詰まっていると……。
「まったく、あなた達……なかなかエグいことを問い詰めるわね。」
「むっ……その声は……。」
東雲が声のした方を振り返ると、そこにはアルの姿があった。
「現れたな変態女神。」
「だから呼び方が悪いっての!!女神なんだからもう少し敬いなさいよね。」
ボソリと言った東雲の言葉に敏感に反応したアル。そしてプイッとそっぽを向いてしまった東雲を見て、大きくため息を吐き出した後彼女はルアへと向かって口を開く。
「はぁ……それで天使を殺すとかそういう物騒な話だったわね。まず第一に、倒した天使が死ぬということは無いわ。」
「そ、それってどういう…………。」
「まぁ最後まで聞きなさい?そっちの三人はわかってると思うけど、一度倒した天使は光になって消えるわ。でもあの子達にとってはその現象があなた達の死という定義とは、ほど遠いものなのよ。」
アルの説明にルアはなにがなんだかさっぱり分からないといった様子で、頭の中が余計混乱し始めていた。しかし、そんな彼を置いてアルは説明を続けた。
「あなた達の死というものの定義は、主に二つ。一つは肉体が朽ち果て生命活動が停止すること。二つ目は魂が体から抜け落ちて死の世界へと導かれること。でも、天使の死の定義っていうのは、自分を生み出した神が死ぬこと……なのよ。」
「……つまり、妾達が必死になって倒したところで、天使は死んではおらん……ということか?」
「ま、そういうことね~。だから~……。」
ずんずんとルアに歩み寄ると、アルは彼の頭にポンと手を置いて優しく言った。
「君は何も考えず天使をぶっ飛ばせばいいってことよ。どうせまた、あいつらの生みの神が同じ天使を生むのだから。」
そう安心させるようにルアへと語りかけたアルは、なでなでとルアの頭を何度も撫でた。
そしてルアが口を開こうとした時……彼女がじっ……と自分の顔を見つめていることに気がついた。
「そういえば……君、日焼けした?こんなにこんがり黒~く焼けちゃって。」
「え、い、今気が付いたんですか?」
「え、うん……だって私ついさっき起きたばっかりだし。それに君の顔を見たのは今日はこれが初めてよ?」
アルの言葉に、ルアと東雲はお互いに顔を見合わせた。そして今度は東雲がアルのもとへと歩み寄り問い詰める。
「おい、では今朝がたルアの事を写真に納めたのは誰だというのだ?」
「えぇっ?そんなの私知らな…………あっ。」
知らないと言おうとしたアルだったが、突然何か思い当たる節があったようで……。
「もしかしてだけど……それはお母さんの仕業かも?」
「貴様の母親だと?」
「それってレトさんって事ですか!?」
「そういうことになるわね。」
そう、東雲からの話を聞いて、アルの頭に思い浮かんだもの……それは、レトこと自分の母親が日頃にやけ面を浮かべながら眺めている、ルアのアルバムだった。
「貴様らは親子揃って変態なのか…………。」
アルの言葉に東雲はため息を吐きながら、
「だ~か~ら~っ!!その変態って言うのやめなさいよ!!」
「盗撮に覗きをする者を変態と呼ばずして何と呼べば良いと言うのだ?」
「うぐっ…………それは。」
アルは言葉につまる。東雲の言っていることが正論過ぎて何も言い返せなかったのだ。
「……ふん、まぁいい。貴様も来たのなら妾達の修練に付き合え。」
「え~、私がやってあげれることなんてないわよ?」
「妾達のパワーアップに貢献できたのなら、変態と呼ぶのを考えてやろう。」
「ならやるっ!!さ、早くやるわよ~!!あなた達のパワーアップなんて私にかかればちょちょいのちょいなんだから!!」
あっさりと東雲の口車に乗せられ、一人やる気を漲らせているアル。そんな彼女の姿を見て、真琴とミリアの二人は苦笑いでため息を吐いた。
「ずいぶん、単純な女神様やねぇ~。」
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