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第二章 呪われた運命
第130話 幽霊?
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何とかロレットの誤解も解け、東雲との修行に赴いたルア。どうやら今回はこの鬱蒼とした森の中で修業が行われるようだ。
「うぅ……ここで修業するんですか?な、なんか気味が悪い場所なんですけど。」
体を縮こまらせ、周りの不気味な雰囲気におびえるルア。そんな彼に東雲はこの場所の説明を始める。
「ここは霊気の集まる場所だ。」
「霊気……ですか?」
聞いたことのない言葉に首をかしげるルア。
「うむ、霊気というのは……まぁ分かりやすく言うのなら死後の魂だな。」
「……それってつまり…………。」
「お前が考えている通り、ここは幽霊の住処というわけだ。」
クスリと笑いながら言った東雲の言葉に、ルアは背筋が凍りつくのを感じた。
「な、ななな何でこんな場所で修行なんかするんですか!?ぼ、ボク帰りたいです!!」
急いでその場から離れようとしたルアだったが、そんな彼を東雲が放ったある言葉が止めた。
「帰るなら一人だぞ?」
「!?!?」
一人……こんな薄気味悪いところを一人で歩いて帰る。それはお化け屋敷を一人で踏破しようとすることと同義だ。
もちろんそんな度胸は彼には無い。故に彼の選択は……。
「うぅ……わかりましたよ。」
渋々彼女と共にいる……。それが今彼ができる最善の選択だった。
「くくくくく、それでいい。」
泣く泣く決心をしたルアに東雲は満足そうに一つ頷いた。
「それで……こんなところで何するんですか?」
「魔力の強化だ。」
東雲は木に背を預けると、座禅を組んだ。
すると、彼女の周りに白い球体のようなものが漂い始めた。
「見えるかルア。これが世に取り残された魔力だ。」
「ゆ、幽霊じゃないんですか?」
「違う。これは宿主を失い、行き場を無くした魔力なのだ。今からこれを……吸収する。」
東雲が胸の前で手を合わせると、彼女の体に白い球体が次々に吸い込まれていく。それと共に、東雲の顔にじわりと汗がにじみ始めた。
「し、東雲さん……大丈夫ですか?辛そうですけど……。」
「大丈夫だ。……だが、魔力が完全に馴染むまで妾はここを動けん。故に、今回お前には妾の護衛を頼みたいのだ。」
「ご、護衛って……ま、魔物からですか?」
「魔物も然り、幽霊も然りだ。その両方から妾を守るのだ。」
「む、無理ですよそんなの~っ!!」
魔物はともかく、幽霊は無理だ。ルアは前世からお化け屋敷やホラーゲーム等が大嫌いである。夏に良くありがちな心霊番組を見たあとは一人でトイレに行くのすらためらうほど、彼はそういうものが苦手なのだ。
「ボク幽霊とか無理なんです!!」
「何をそんなに幽霊なんぞを恐れるのだ?今お前の目の前にいる妾も同じようなものだろう。」
確かに東雲は一度死んだ身である。しかし、それはルアも同じだった。
「それに実体がないとは言え、霊というのはこの世に残った意思ある魔力の塊だ。強い魔力を当ててやれば簡単に倒せるのだぞ?」
「えっ!?ゆ、幽霊って倒せるんですか?」
「当たり前だ。妾の言葉が信用ならん……というのなら、今お前の後ろにいるヤツに試してみれば良い。」
ルアは東雲の言葉に背筋が凍りつくのを感じた(二度目)
そして恐る恐る後ろを振り返ると……そこにはフワフワと青白い炎が宙で揺らめいていた。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?!?ひ、人魂っ!?」
ルアの目に飛び込んできた、青白い炎……それは前世で良く耳にした人魂というものに酷似していた。
「で、でも倒せる…………ならそんなに怖くない……かも?それに脅かしても来ないし。」
試しにルアは魔力を手に集め、それを人魂のようなものにぶつけてみた。すると、ポン!!とそれは弾け東雲が吸収している白い球体へと変貌を遂げた。
「ん、ご苦労。」
そして今しがたルアが倒した人魂が変化した物が東雲に吸収されていく。
「ゆ、幽霊ってこんなに簡単に倒せるんだ……。ちょっと意外だったかも。」
「おいルア、霊を倒したからといって油断はするんじゃないぞ?この森には…………。」
シュルルルッ!!
「ふえっ?」
東雲が注意していたその時…………ルアの足首にどこから伸びてきたのか、植物の蔦のようなものが巻き付いた。そして足首だけでなく、手や体にも絡み付きあっという間に拘束されてしまう。
「あわ、わ、わぁぁぁぁぁぁっ!?」
「くっ……ルアっ!!」
伸びてきた植物の蔦のようなものに引き込まれるようにルアは森の中へと引きずり込まれていった。
「だから油断はするなと言ったのだ……全く。……それにしても不味いことになった。吸収した魔力を同化させるまで妾はここから動けん。……チィッ、こんなことなら真琴達を連れてくるんだった。」
果たしてルアの運命や如何に?
「うぅ……ここで修業するんですか?な、なんか気味が悪い場所なんですけど。」
体を縮こまらせ、周りの不気味な雰囲気におびえるルア。そんな彼に東雲はこの場所の説明を始める。
「ここは霊気の集まる場所だ。」
「霊気……ですか?」
聞いたことのない言葉に首をかしげるルア。
「うむ、霊気というのは……まぁ分かりやすく言うのなら死後の魂だな。」
「……それってつまり…………。」
「お前が考えている通り、ここは幽霊の住処というわけだ。」
クスリと笑いながら言った東雲の言葉に、ルアは背筋が凍りつくのを感じた。
「な、ななな何でこんな場所で修行なんかするんですか!?ぼ、ボク帰りたいです!!」
急いでその場から離れようとしたルアだったが、そんな彼を東雲が放ったある言葉が止めた。
「帰るなら一人だぞ?」
「!?!?」
一人……こんな薄気味悪いところを一人で歩いて帰る。それはお化け屋敷を一人で踏破しようとすることと同義だ。
もちろんそんな度胸は彼には無い。故に彼の選択は……。
「うぅ……わかりましたよ。」
渋々彼女と共にいる……。それが今彼ができる最善の選択だった。
「くくくくく、それでいい。」
泣く泣く決心をしたルアに東雲は満足そうに一つ頷いた。
「それで……こんなところで何するんですか?」
「魔力の強化だ。」
東雲は木に背を預けると、座禅を組んだ。
すると、彼女の周りに白い球体のようなものが漂い始めた。
「見えるかルア。これが世に取り残された魔力だ。」
「ゆ、幽霊じゃないんですか?」
「違う。これは宿主を失い、行き場を無くした魔力なのだ。今からこれを……吸収する。」
東雲が胸の前で手を合わせると、彼女の体に白い球体が次々に吸い込まれていく。それと共に、東雲の顔にじわりと汗がにじみ始めた。
「し、東雲さん……大丈夫ですか?辛そうですけど……。」
「大丈夫だ。……だが、魔力が完全に馴染むまで妾はここを動けん。故に、今回お前には妾の護衛を頼みたいのだ。」
「ご、護衛って……ま、魔物からですか?」
「魔物も然り、幽霊も然りだ。その両方から妾を守るのだ。」
「む、無理ですよそんなの~っ!!」
魔物はともかく、幽霊は無理だ。ルアは前世からお化け屋敷やホラーゲーム等が大嫌いである。夏に良くありがちな心霊番組を見たあとは一人でトイレに行くのすらためらうほど、彼はそういうものが苦手なのだ。
「ボク幽霊とか無理なんです!!」
「何をそんなに幽霊なんぞを恐れるのだ?今お前の目の前にいる妾も同じようなものだろう。」
確かに東雲は一度死んだ身である。しかし、それはルアも同じだった。
「それに実体がないとは言え、霊というのはこの世に残った意思ある魔力の塊だ。強い魔力を当ててやれば簡単に倒せるのだぞ?」
「えっ!?ゆ、幽霊って倒せるんですか?」
「当たり前だ。妾の言葉が信用ならん……というのなら、今お前の後ろにいるヤツに試してみれば良い。」
ルアは東雲の言葉に背筋が凍りつくのを感じた(二度目)
そして恐る恐る後ろを振り返ると……そこにはフワフワと青白い炎が宙で揺らめいていた。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?!?ひ、人魂っ!?」
ルアの目に飛び込んできた、青白い炎……それは前世で良く耳にした人魂というものに酷似していた。
「で、でも倒せる…………ならそんなに怖くない……かも?それに脅かしても来ないし。」
試しにルアは魔力を手に集め、それを人魂のようなものにぶつけてみた。すると、ポン!!とそれは弾け東雲が吸収している白い球体へと変貌を遂げた。
「ん、ご苦労。」
そして今しがたルアが倒した人魂が変化した物が東雲に吸収されていく。
「ゆ、幽霊ってこんなに簡単に倒せるんだ……。ちょっと意外だったかも。」
「おいルア、霊を倒したからといって油断はするんじゃないぞ?この森には…………。」
シュルルルッ!!
「ふえっ?」
東雲が注意していたその時…………ルアの足首にどこから伸びてきたのか、植物の蔦のようなものが巻き付いた。そして足首だけでなく、手や体にも絡み付きあっという間に拘束されてしまう。
「あわ、わ、わぁぁぁぁぁぁっ!?」
「くっ……ルアっ!!」
伸びてきた植物の蔦のようなものに引き込まれるようにルアは森の中へと引きずり込まれていった。
「だから油断はするなと言ったのだ……全く。……それにしても不味いことになった。吸収した魔力を同化させるまで妾はここから動けん。……チィッ、こんなことなら真琴達を連れてくるんだった。」
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