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第二章 呪われた運命
第134話 リリィ
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一同での名前の出しあいが行われてから約一時間ほど……ようやく候補が三つまで絞られた。
第一候補は由良考案の華憐。彼女がアルラウネと言うことから思い付いた、花に焦点を当てた可愛くも、美しい名前だ。
第二候補はロレットの考案のフラウ。これも第一候補の華憐と同じく、花に着目した名前だ。
そして第三候補……それはルアが考えたリリィだ。彼女の花はチューリップに似ていること。そしてチューリップはユリ科の植物であることから思い付いた名前だ。
「さて、ではこの中からどれが良いか……こやつに選んでもらうとするか。」
「でも、どうやって選んでもらうんです?言葉もわからないのに……。」
「そんなの決まっているだろう?お前が実際に名を呼んでみるのだ。」
「えぇっ!?ボクがですか?」
「どうやらこいつはお前のことを気に入っているようだからな。一番反応がわかりやすいだろう。」
くつくつと東雲は笑う。だが、彼女が言っていることは的を射ていた。アルラウネの少女は常にルアの方へと視線を向けていて、尚且つ彼女の根の部分が隙あらば彼に巻き付こうとしているのだ。
「うぅ、わかりました……それじゃあお母さんが考えた名前から……えっと、華憐?」
「う~?」
華憐と名を呼ばれたアルラウネの少女は首をかしげた。その反応を見て一同は……。
「……ふむ、これはどうやら違うらしいな。」
「むぅ……残念なのじゃ。良い名前じゃと思ったんじゃが……。」
「あんまり気に入らなかった……っていうかピンと来なかったみたいだね。」
残念がる由良だったが、間髪いれずに東雲がルアに次の名前を呼ぶように指示を出した。
「次はロレットの考えた名前だ。……確かフラウ?だったか。」
「うむ!!自信作だ。さぁルア!呼んでみろ。」
「は、はい。ふ、フラウ~?」
「あぅ~。」
アルラウネの少女は名を呼ばれたことに答えはするのものの、自分の名を呼ばれた……という意識は無いようだ。
「これもダメか。名付けとは意外にも難しいものだな。」
「ん~、普通はさ赤ちゃんに一方的に名前をつけるから、コレが良いっていうのがあれば……ねぇ?」
「うむ……今回は特殊なパターンだ。故に難しい……下手をすれば、また一から考えねばなるまい。」
赤ん坊なら思考という概念を持ち合わせていないため、名付けはほとんど親が気に入った名をつけることが多いが、今回の場合、しっかりと思考があるため名付けが難航しているのだ。
「だが、今ある案はすべて試してみなければわからん。最後だルア。お前の考えた名前を呼んでやれ。」
「わかりました。…………リリィ?」
「……!!」
ルアにリリィ……と呼ばれた瞬間にアルラウネの少女の顔が一気に真っ赤になる。
「お?これは……どういう反応なのだ?」
「恥ずかしいのか、それとも嬉しいのか……わからんのじゃ。」
一同が困惑していると、アルラウネの少女が口を開いた。
「り、りぃ……。りりぃ!!」
少女は拙い言葉で必死にリリィ……と口にした。その反応を見て一同は顔を見合わせて頷いた。
「どうやらリリィという名が気に入ったようだな。ならばこれからお前の名はリリィだ。皆異論はないな?」
「花子ちゃんも可愛いと思うんだけどなぁ……。」
少し不服そうな表情でポツリと呟いたクロロ。そんな彼女に辛辣に東雲は言った。
「しつこいぞ貧乳猫。」
「んにゃ~っ!!また貧乳猫って言ったぁ!!」
全身の毛を逆立てて東雲を睨み付けるクロロ。しかし、そんな彼女の威嚇など意に介していないように、東雲は彼女に向かって告げた。
「そんなにお前の考えたその名に自信があるのなら呼んでみれば良いではないか。それでもし……リリィよりも良い反応をしたらそっちにしてやろう。」
「言いましたからね!?」
そしてクロロはリリィの方を向く。
「花子ちゃんのほうが良いよね?ねっ?」
「あぅ~っ!!」
そう問いかけたクロロだったが、リリィは根っこを器用に動かして彼女の前で✕を作った。
「えぇ~っ!?ダメ?」
「くくくくく、諦めるのだな貧乳猫。胸の無いお前の考えた名など受け入れられるわけがないだろう?」
「んにゃ~っ!!東雲さんだって、いい名前思い付いてなかったじゃないですか!?頭に思いっきりブーメラン刺さってますよ!!」
「言ってくれるではないか貧乳猫め、ならばどちらの胸が優れているのか確かめてもらおうではないか!!着いてこいっ!!」
そして東雲とクロロは部屋を出ていってしまう。
「トリトニーに調べてもらうつもりだろうが……どちらも同じようなものだろうな。」
「まさにどんぐりの背比べってやつだね。それに生まれたてのリリィちゃんより胸がぺったんって……あははっ♪よっぽど胸に栄養がいかなかったのかな?」
「むぅ、まさか東雲さまが胸に関してコンプレックスを抱いておられるとは……わしも発言には気を付けねばならんか。」
口々にそう言った彼女達だったが、リリィは意図を理解できずに首をかしげていた。
「あぅ~?」
「リリィは気にしなくて良いんだよ。……たぶん。」
そして花の少女にはリリィという名がつけられ、この城で共に暮らすことになるのだった。
ちなみに、東雲とクロロのバストサイズはトリトニーが計測した結果同じだったとか……。それはまた別のお話で……。
第一候補は由良考案の華憐。彼女がアルラウネと言うことから思い付いた、花に焦点を当てた可愛くも、美しい名前だ。
第二候補はロレットの考案のフラウ。これも第一候補の華憐と同じく、花に着目した名前だ。
そして第三候補……それはルアが考えたリリィだ。彼女の花はチューリップに似ていること。そしてチューリップはユリ科の植物であることから思い付いた名前だ。
「さて、ではこの中からどれが良いか……こやつに選んでもらうとするか。」
「でも、どうやって選んでもらうんです?言葉もわからないのに……。」
「そんなの決まっているだろう?お前が実際に名を呼んでみるのだ。」
「えぇっ!?ボクがですか?」
「どうやらこいつはお前のことを気に入っているようだからな。一番反応がわかりやすいだろう。」
くつくつと東雲は笑う。だが、彼女が言っていることは的を射ていた。アルラウネの少女は常にルアの方へと視線を向けていて、尚且つ彼女の根の部分が隙あらば彼に巻き付こうとしているのだ。
「うぅ、わかりました……それじゃあお母さんが考えた名前から……えっと、華憐?」
「う~?」
華憐と名を呼ばれたアルラウネの少女は首をかしげた。その反応を見て一同は……。
「……ふむ、これはどうやら違うらしいな。」
「むぅ……残念なのじゃ。良い名前じゃと思ったんじゃが……。」
「あんまり気に入らなかった……っていうかピンと来なかったみたいだね。」
残念がる由良だったが、間髪いれずに東雲がルアに次の名前を呼ぶように指示を出した。
「次はロレットの考えた名前だ。……確かフラウ?だったか。」
「うむ!!自信作だ。さぁルア!呼んでみろ。」
「は、はい。ふ、フラウ~?」
「あぅ~。」
アルラウネの少女は名を呼ばれたことに答えはするのものの、自分の名を呼ばれた……という意識は無いようだ。
「これもダメか。名付けとは意外にも難しいものだな。」
「ん~、普通はさ赤ちゃんに一方的に名前をつけるから、コレが良いっていうのがあれば……ねぇ?」
「うむ……今回は特殊なパターンだ。故に難しい……下手をすれば、また一から考えねばなるまい。」
赤ん坊なら思考という概念を持ち合わせていないため、名付けはほとんど親が気に入った名をつけることが多いが、今回の場合、しっかりと思考があるため名付けが難航しているのだ。
「だが、今ある案はすべて試してみなければわからん。最後だルア。お前の考えた名前を呼んでやれ。」
「わかりました。…………リリィ?」
「……!!」
ルアにリリィ……と呼ばれた瞬間にアルラウネの少女の顔が一気に真っ赤になる。
「お?これは……どういう反応なのだ?」
「恥ずかしいのか、それとも嬉しいのか……わからんのじゃ。」
一同が困惑していると、アルラウネの少女が口を開いた。
「り、りぃ……。りりぃ!!」
少女は拙い言葉で必死にリリィ……と口にした。その反応を見て一同は顔を見合わせて頷いた。
「どうやらリリィという名が気に入ったようだな。ならばこれからお前の名はリリィだ。皆異論はないな?」
「花子ちゃんも可愛いと思うんだけどなぁ……。」
少し不服そうな表情でポツリと呟いたクロロ。そんな彼女に辛辣に東雲は言った。
「しつこいぞ貧乳猫。」
「んにゃ~っ!!また貧乳猫って言ったぁ!!」
全身の毛を逆立てて東雲を睨み付けるクロロ。しかし、そんな彼女の威嚇など意に介していないように、東雲は彼女に向かって告げた。
「そんなにお前の考えたその名に自信があるのなら呼んでみれば良いではないか。それでもし……リリィよりも良い反応をしたらそっちにしてやろう。」
「言いましたからね!?」
そしてクロロはリリィの方を向く。
「花子ちゃんのほうが良いよね?ねっ?」
「あぅ~っ!!」
そう問いかけたクロロだったが、リリィは根っこを器用に動かして彼女の前で✕を作った。
「えぇ~っ!?ダメ?」
「くくくくく、諦めるのだな貧乳猫。胸の無いお前の考えた名など受け入れられるわけがないだろう?」
「んにゃ~っ!!東雲さんだって、いい名前思い付いてなかったじゃないですか!?頭に思いっきりブーメラン刺さってますよ!!」
「言ってくれるではないか貧乳猫め、ならばどちらの胸が優れているのか確かめてもらおうではないか!!着いてこいっ!!」
そして東雲とクロロは部屋を出ていってしまう。
「トリトニーに調べてもらうつもりだろうが……どちらも同じようなものだろうな。」
「まさにどんぐりの背比べってやつだね。それに生まれたてのリリィちゃんより胸がぺったんって……あははっ♪よっぽど胸に栄養がいかなかったのかな?」
「むぅ、まさか東雲さまが胸に関してコンプレックスを抱いておられるとは……わしも発言には気を付けねばならんか。」
口々にそう言った彼女達だったが、リリィは意図を理解できずに首をかしげていた。
「あぅ~?」
「リリィは気にしなくて良いんだよ。……たぶん。」
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