もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第二章 呪われた運命

第135話 リリィのいる生活①

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 リリィが仲間入りしてから二日目の朝……ルアが目を覚ますと、陽が射している窓際でリリィが日光浴を行っていた。

 アルラウネは植物から派生した魔物だ。故に太陽の光を取り込む、光合成をすることでエネルギーと、魔力を産み出すのだとか。

「リリィ、おはよう。」

「あぅ~。……お、おは……ぉぅ?」

 ルアの言葉を繰り返すように、上手く呂律の回らない舌で「おはよう」と口にする。

「おはようだよ。朝の挨拶。」

「おは……よ……う?」

「そうそう!!上手いよリリィ。」

 ルアは必死に背伸びして、自分の背丈よりも高い位置にあるリリィの頭を撫でた。
 すると、彼女は嬉しそうに微笑むと何度もそれを復唱し始めた。

「おは……よう。おはよ……うっ!」

「うんうん、その調子。いい感じだよ。」

「あぅ~♪」

 ルアに褒められると嬉しいのか、リリィはご機嫌そうだ。

 そしてルアがリリィに言葉を教えていると、枕元でゆっくりと東雲が体を起こした。

「くぁ~あ……朝から何をしているのかと思えば、早速言葉を教えているのか。」

「あ、東雲さんおはようございます。」

「お、おっ……おはようっ!!」

「ほぅ?もう、おはよう……と言えるようになったか。流石に赤子とは違って知能が高いな。」

 ベッドから飛び降りると東雲はすぐに人の姿へと姿を変えた。最近は真琴が作る霊酒があるお陰で、寝るとき以外はこの姿を維持している。

「さて、妾は修練に出掛けるぞ。お前はそいつのことをしっかりと世話しておくのだ。」

「わかりました。」

 それだけ言い残すと東雲は修練に励むため部屋を出ていった。

「それじゃ、リリィ。朝ごはん食べに行こっか。こっちだよ。」

「あぅ~。」

 ルアが先に部屋から出ようとすると、待ってと言わんばかりに彼の手にリリィから伸びた植物の蔦が絡み付いた。

「わっ!?だ、大丈夫だよ、置いてったりしないから。ほら、一緒に行こ?」

「う~♪」

 そしてルアはリリィと共に食堂を訪れた。そこではいつも通り、由良が朝食を作っていた。

「お母さん、おはよう。」

「おぉ、おはようなのじゃルア、そしてリリィ。」

「う~、お、おはよ……うっ!」

「おぉ?もう挨拶ができるようになったのか。ルアが教えたのかの?」

「うん!!」

「ちゃんと面倒を見れておるようで安心したぞルア。」

「えへへ……。」

 由良がルアの頭を撫でている様子を見て、少しリリィは少し不機嫌そうな表情を浮かべると、二人の間にぐいっと頭を差し出した。

「おぉ!?な、なんじゃ?」

「う~っ!!」

「も、もしかして……リリィも撫でてほしいの?」

 ルアの言葉の意味を理解しているのか、リリィは激しく頷いた。

「むふふ、体は大人でもまだ心はやや子同然じゃな。どれ、わしがたっぷり撫でてやろうかの。」

「あう~♪」

 わしゃわしゃと由良がリリィの頭を撫でてあげると、リリィは満足そうな表情を浮かべた。

「さて、二人ともご飯はできておるぞ?冷めないうちに食べるのじゃ。」

「は~い、いただきま~す!」

 そして目の前に置かれた朝食に手を伸ばそうとしたルアだったが、リリィがスプーンやフォークを手にとって不思議そうに眺めているのに気が付いた。

「あ、リリィ。それは食べ物じゃないよ?こうやって使うの……ほら、口開けて?」

「あぅ?あ~っ……」

 ルアに促されるままリリィは口を大きく開けた。そしてルアはフォークで刺した卵焼きを1切れリリィに食べさせる。

「あむ……んっ…………んっ!?」

 卵焼きを口にいれて何度か咀嚼したリリィはキラキラと目を輝かせ、ルアの方を向いた。

「どう?美味しいでしょ?お母さんの卵焼き。」

「あぅ~っ!!あ~っ……。」

 そしてもっともっととねだるようにリリィは口を開けて、ルアにアピールした。

「もっと?はい、ど~ぞっ。」

「あぅ~♪」

 美味しそうに頬張るリリィの姿を見て由良は嬉しそうに笑った。

「うむうむ、こんなに美味しそうに食べてくれるならば作ったかいがあったというものじゃ。」

「う~っ♪」

「良いかリリィ、それはというのじゃ。」

「おい……しい?」

「うむ。そうじゃ。」

 そしてリリィはもう一度ルアに食べさせてもらうと、満面の笑みで由良に向かって言った。

「おいしいっ!」

「そうかそうか、た~んと食べるのじゃぞ?」

「う~っ♪」

「どれ、このままではルアがご飯を食べられんじゃろうからな。わしが食べさせてやるぞ~?」

「えぇっ!?だ、大丈夫だよ。」

「遠慮するでない。冷めてしまっては美味しくなくなってしまうからのぉ~。ほれ、あ~ん♪」

「うぅ……あ、あ~……んむっ。」

 恥ずかしがりながらもルアは由良に食べさせてもらうのだった。
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