もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第二章 呪われた運命

第136話 リリィのいる生活②

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 リリィが加わっても、ルアの生活方式は大した変わりはない。
 朝起きて、朝食を食べ、修練に励む……このルーティーンの繰り返しだ。

 そして今日もルアは修練に励むべく中庭へと足を運んでいた。

 今日からルアがやる修練は……。

「……メタモルフォーゼっ!!」

 その言葉を口にすると、ルアの体が光に包まれ変化する。

「よいしょっ……うん!!完璧。」

 ルアが変身したのは妖狐……つまりは由良のもとの種族だ。そのため、頭からは狐の耳、そして腰からは尻尾が生えている。

 今ルアはメタモルフォーゼを瞬時に使い、状況に応じて様々な魔物に変化できるようにする……という修練を東雲に言いつけられていたのだ。

「う~!?」

 突如として目の前で変身したルアの姿を見て、リリィは目を丸くしていた。

「驚いた?コレがボクの力なんだよ。」

「う~っ!!う~っ!!」

「えっ?な、なに?」

 ルアが大きく胸を張っていると、リリィが必死に声を上げながら自分のことを指差している。

「えっ……と、リリィに変身してほしいの……かな?」

「あぅ~!!」

 ルアの言葉にリリィは何度も頷いた。

「わ、わかったよ。それじゃあ……メタモルフォーゼっ!!」

 再びルアが光に包まれると、そこからアルラウネと姿を変えたルアが姿を現した。
 しかし、リリィと決定的に違う部分がある。それは、ルアの場合はということだ。
 
 そしてルアが自分の体を確認していると、リリィがものすごい勢いで近付いてきて、花弁の中から雌しべをピョコンと出してルアに向けて突きつけた。

「あぅ~!!う~っ!!」

「えぇ?な、なにそれ……ボクそんなのな…………。」

 自分の体にそんなものはない……とルアが言わんとしたとき、服のなかからにゅるりとルアの雄しべが現れた。

「あ、あったぁ!?えぇっ!?これどこから生えてるの!?」

「う~!!」

「わ、ちょ……リリィ待って!!」

 ルアの体から現れた雄しべに、リリィは自分の雌しべを擦り付けた。……するとリリィに驚くべき変化が起こる。

「あ…………あ~……………やっと、わかった。」

「えっ!?り、リリィ?言葉が…………。」

 先ほどまでほとんど言葉を話すことができなかったリリィが、流暢に言葉を話せるようになったのだ。

「うん、話せる。今、これ通してルアの記憶……見た。」

 ちょんちょんとリリィは自分の花弁から飛び出ている雌しべを指差した。

「私たち……アルラウネは、互いの記憶共有できる。だからルアの記憶見て……言葉話せるようになった。……すごい?」

「す、すごいよ!!そんな能力があったなんて……。」

 ルアが素直に褒めていると、リリィはゆっくりとさらにルアに近付き、自分の頭を差し出した。

「んっ!」

「えっ?」

「リリィ凄いって思う……なら、頭……撫でてほしい。」

「あ、そ、そういう……ね。うん、わかったよ。」

 リリィの意図を理解し、ルアは彼女の頭を撫でた。そしてひとしきり撫で終え、手を離そうとしたとき……彼女の体から伸びた植物の蔦がルアの手に絡み付いた。

「わっ!?な、なに?」

「……もっと。」

「え、も、もっと!?」

「あと、声もかけてほしい。リリィ凄い……って。」

「う、う~んわかった。」

 再びリリィの頭に手を置いたルアは、リリィは凄いよ……と口にしながら頭を撫でた。すると、満足したのか彼女は頭を上げてルアのことを見下ろした。

「ありがと……やっぱり撫でられると……嬉しい。」

 くねくねと体をくねらせながら、リリィは喜ぶ。純粋に喜んでくれている彼女を見てルアは思わず微笑んでしまう

「なら良かったよ。じゃあボクはまた違うのに変身して……。」

「ちょっと待って!」

「えっ!?」

「一つだけ……リリィわからない。何でルアにはある?」

 彼女が指差したのはルアの足の部分だった。

「ルア……リリィに変身した。でもそれ全然違う。」

「う~ん、そう言われてもわかんないよ。」

「……………………。もしかして……ルアの記憶のなかにあった……って。」

 思い悩む素振りを見せながら、リリィはボソリと呟く。

「えっ?リリィ何か言った?」

「……なんでもない。ルアは……まだそれ続ける?」

「う、うん……。」

「じゃあリリィ……図書室行ってくる。」

「あ、ひ、一人で大丈夫!?」

「大丈夫。ルアの記憶見たから……場所わかる。」

 すると、リリィは城の中へと入っていってしまった。

「う、う~ん……だ、大丈夫かな?」

 リリィのことを少し心配するルア。

 それから少し経った別の場所……膨大な量の本が並んでいる図書室にリリィは一人佇み、ある本をじっと読んでいた。

 そしてクスリと笑い呟く。

「見つけた。」

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