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第二章 呪われた運命
第147話 秩序の崩壊は突然に
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ルア達がそんなやりとりをしているとき……レトが住む天界である異変が起こっていた。
彼女誰もいない空間で、一人紅茶を飲むレト。彼女の周りには天使達の亡骸が大量に転がっていた。
「……ふぅ、今日も数だけ多かったわね。いい加減わかんないのかしら?数じゃ私には勝てないって……さ。」
天使が光の粒子となって消えていく中心でティータイムを楽しんでいる彼女は端から見れば神々しさを感じる。
しかし、彼女の至福のひとときをぶち壊すものが現れる。
「相変わらずのお強さですね。母上。」
突然後ろから聞こえてきた声に反応し、レトから黒いオーラが溢れだす。そして彼女が手にしていたティーカップにもビキリと音を立ててヒビが入った。
「…………アポロン。どの面を下げて私に会いに来たのかしら?」
「母上のその反応……どうやら予想通りアルはこちらに逃げてきているようですね。」
レトが放つ黒いオーラを受けてもまったく怯むことなく、アポロンと呼ばれた男はレトの前に座った。
「母上、念のため聞いておきますが……おとなしく幽閉されるつもりはないのですか?」
「あるわけないでしょ?」
「そうですか……最後のチャンスなのに…………残念ですよ。」
残念……と言いながらもニヤリと笑ったアポロンは背中に携えていた銀色の弓に手をかけた。
「ならば仕方ありませんねぇ。」
そして弦を引くと、炎の矢が現れる。彼はそれをおもむろに天界の地面へと向かって放つ。
しかし、矢は放たれた瞬間にレトによって受け止められてしまう。
「あんたの考えは読めてるわよ。天界と地上とを分け隔てている境界線を破壊しに来たんでしょ?」
「ハハハハハッ!!流石は母上、あくまでも自らの子の考えはお見通し……ですか。でも……これは予想外だったのでは?」
高らかに笑うアポロンの後ろから大量の天使達が現れる。その中には通常の天使たちよりも強い者も何人か紛れていた。
それをレトは瞬時に見分け、天使達が動く前にその力の強い者達を消し去ろうとした……しかし。
「やらせませんよ母上。」
「アルは素直で良い子なのに……アポロン、あんたって子は……。」
レトは深くため息を吐き出すと、銀の弓を構えるアポロンへと向かって告げた
「これは母親としての最後の警告よ。今すぐそこを退きなさい。さもないと……後ろの天使もろとも殺すわ。」
そう告げた瞬間レトの体から溢れた黒いオーラが天界全体を包み込み、彼女の服が真っ黒なドレスへと変貌を遂げた。
「母親としての最後の警告……ですか。…………ククク、ハハハハハッやはりどこまでも甘いですね母上ぇっ!!」
「ッ!!させないわっ!!」
歪に口角を歪めたアポロンは再び銀の弓を引き絞り、天界と地上を隔てる境界線を破壊しようと試みる。
もちろんレトはそれを防ごうと動くが、彼女の前に天使達の雑兵が壁のように立ちはだかる。
文字通り肉壁だ。
「邪魔よっ!!」
レトが黒いオーラを手に纏わせ横に凪ぎ払うと、一瞬にして何体もの天使が消滅する。しかし、次から次へとレトの前に天使達が立ち塞がる。
彼女が手間取っていると、その間にアポロンが黒い炎を纏わせた矢を放った。
「母上、あなたの世界はこれで……お終いだっ!!」
地面へと突き刺さった黒い炎を纏った矢は、ビキビキと空間にヒビを入れ、大きな風穴を開けた。
「さぁ、行け天使達よ。道は開いてやった。」
地上へとつながる穴へと次々に天使が入っていく。そして一人の天使がアポロンの前で歩みを止めた。
「この功績は必ず伝えておこう。」
「あぁ、そうしてくれ。」
歩みを止めた天使はそれだけ言うと穴の中へと入っていった。
それと同時に、立ちはだかる大量の天使を薙ぎ倒したレトが鬼の形相でアポロンへと襲いかかる。
「よくも……よくもやってくれたわねアポロンッ!!」
「ハハハハハッ!!母上……生憎俺はまだやることがあるのでね。あなたの相手をしている暇はないんですよ。」
「くぅっ、待ちなさいっ!!」
逃げるように姿を消したアポロンになんとかレトは必死に手を伸ばすが、彼女の手が届くことはなかった。
「こうしちゃいられない、急いでこの事を伝えないと!!」
ことの重大さを知らせるため、アポロンを深追いするよりもルア達にこの事を知らせた方が良いと判断を下したレトはすぐさま下界のルア達に連絡をとるのだった。
彼女誰もいない空間で、一人紅茶を飲むレト。彼女の周りには天使達の亡骸が大量に転がっていた。
「……ふぅ、今日も数だけ多かったわね。いい加減わかんないのかしら?数じゃ私には勝てないって……さ。」
天使が光の粒子となって消えていく中心でティータイムを楽しんでいる彼女は端から見れば神々しさを感じる。
しかし、彼女の至福のひとときをぶち壊すものが現れる。
「相変わらずのお強さですね。母上。」
突然後ろから聞こえてきた声に反応し、レトから黒いオーラが溢れだす。そして彼女が手にしていたティーカップにもビキリと音を立ててヒビが入った。
「…………アポロン。どの面を下げて私に会いに来たのかしら?」
「母上のその反応……どうやら予想通りアルはこちらに逃げてきているようですね。」
レトが放つ黒いオーラを受けてもまったく怯むことなく、アポロンと呼ばれた男はレトの前に座った。
「母上、念のため聞いておきますが……おとなしく幽閉されるつもりはないのですか?」
「あるわけないでしょ?」
「そうですか……最後のチャンスなのに…………残念ですよ。」
残念……と言いながらもニヤリと笑ったアポロンは背中に携えていた銀色の弓に手をかけた。
「ならば仕方ありませんねぇ。」
そして弦を引くと、炎の矢が現れる。彼はそれをおもむろに天界の地面へと向かって放つ。
しかし、矢は放たれた瞬間にレトによって受け止められてしまう。
「あんたの考えは読めてるわよ。天界と地上とを分け隔てている境界線を破壊しに来たんでしょ?」
「ハハハハハッ!!流石は母上、あくまでも自らの子の考えはお見通し……ですか。でも……これは予想外だったのでは?」
高らかに笑うアポロンの後ろから大量の天使達が現れる。その中には通常の天使たちよりも強い者も何人か紛れていた。
それをレトは瞬時に見分け、天使達が動く前にその力の強い者達を消し去ろうとした……しかし。
「やらせませんよ母上。」
「アルは素直で良い子なのに……アポロン、あんたって子は……。」
レトは深くため息を吐き出すと、銀の弓を構えるアポロンへと向かって告げた
「これは母親としての最後の警告よ。今すぐそこを退きなさい。さもないと……後ろの天使もろとも殺すわ。」
そう告げた瞬間レトの体から溢れた黒いオーラが天界全体を包み込み、彼女の服が真っ黒なドレスへと変貌を遂げた。
「母親としての最後の警告……ですか。…………ククク、ハハハハハッやはりどこまでも甘いですね母上ぇっ!!」
「ッ!!させないわっ!!」
歪に口角を歪めたアポロンは再び銀の弓を引き絞り、天界と地上を隔てる境界線を破壊しようと試みる。
もちろんレトはそれを防ごうと動くが、彼女の前に天使達の雑兵が壁のように立ちはだかる。
文字通り肉壁だ。
「邪魔よっ!!」
レトが黒いオーラを手に纏わせ横に凪ぎ払うと、一瞬にして何体もの天使が消滅する。しかし、次から次へとレトの前に天使達が立ち塞がる。
彼女が手間取っていると、その間にアポロンが黒い炎を纏わせた矢を放った。
「母上、あなたの世界はこれで……お終いだっ!!」
地面へと突き刺さった黒い炎を纏った矢は、ビキビキと空間にヒビを入れ、大きな風穴を開けた。
「さぁ、行け天使達よ。道は開いてやった。」
地上へとつながる穴へと次々に天使が入っていく。そして一人の天使がアポロンの前で歩みを止めた。
「この功績は必ず伝えておこう。」
「あぁ、そうしてくれ。」
歩みを止めた天使はそれだけ言うと穴の中へと入っていった。
それと同時に、立ちはだかる大量の天使を薙ぎ倒したレトが鬼の形相でアポロンへと襲いかかる。
「よくも……よくもやってくれたわねアポロンッ!!」
「ハハハハハッ!!母上……生憎俺はまだやることがあるのでね。あなたの相手をしている暇はないんですよ。」
「くぅっ、待ちなさいっ!!」
逃げるように姿を消したアポロンになんとかレトは必死に手を伸ばすが、彼女の手が届くことはなかった。
「こうしちゃいられない、急いでこの事を伝えないと!!」
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