もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

文字の大きさ
171 / 249
第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第169話 お返し

しおりを挟む
 そして夜も深まり……いつものようにルアがベッドに横になると、なぜか彼の隣に人の姿のままの東雲がいた。

「あ、あの……東雲さん?」

「なんだルアよ。」

「今日はなんでその姿なんですか?それと……今日はなんで隣に……。」

「くくくくく、昼間はお前に散々な目に逢わされたからな。そのお返しだ。」

 東雲はニヤリと笑うと、ルアの背中にきゅっ……と抱きついた。その瞬間、ルアの心臓の鼓動が少し早くなる。

「ん?心臓の鼓動が早くなったな。妾に後ろから抱きつかれて興奮しているのか?くくくくく……。」

「ち、違います!!は、恥ずかしいだけです……。」

「本当にそうか~?ならばこうして体を擦り付けられても……何も思わんな?」

 そう言うと、東雲はルアの背中に自分の体をスリスリと擦り付け始めた。彼女の胸の膨らみは小さいながらもしっかりと主張しており、ルアの体に柔らかく当たる。

 背中に当たる感触が何かを察したルアの顔はどんどん赤くなっていき、心臓の鼓動も一段と早くなっていく。

「くくくくく、また心臓の鼓動が早くなったな。胸は小さくともメスの体……柔らかく、温かいだろう?」

「~~~っ……。」

 クスクスと背後で笑う東雲……彼女の吐く熱い吐息が耳に当たる度にルアの体がビクンと震える。
 うぶなルアの反応に、東雲は満足そうに笑う。

「あ、あの……東雲さん……もうそろそろ…………。」

「ダメだ。まだ妾の気が済んでおらん。あれだけ妾を辱しめたのだ。それ相応の仕返しをせねばな。」

「あぅぅ……そんなぁ。」

「さて、それでは今からお前を……夢の世界に連れていってやろう。」

 クスリと妖艶に東雲は笑うと、突然ぎゅっとルアのことを強く抱きしめた。そして彼の耳元でポツリと囁く。

「幻術……まほろば。」

「えっ?」

 東雲がそう囁いた次の瞬間……その場の景色が一変し、体がまるで水面にぷかぷかと浮いているような不思議な感覚にルアは襲われた。

「えっ……えぇっ!?ここどこ!?ボク、浮いてる!?」

 周りを見渡すも、黒一色しかない世界。わかるのは自分が少し浮いている……ということぐらいだ。

 猛烈な不安感が襲って来ようとしていたとき、その空間に東雲の声が響いた。

「不思議な感覚だろう?」

「し、東雲さんっ!?ここはどこなんですか?」

「言っただろう?夢の世界へと連れていってやる……と。ここがその世界だ。」

「うぅ……どう見てもそんな風には見えないんですけど。暗いし……なんか体がふわふわしてるし……。」

「くくくくく、そんなに不安がらなくても大丈夫だ。夢ならば今から見せてやる。もっとも……お前にとって良い夢かはわからんがな。」

「そ、それってどういう……。」

 ルアが疑問に思う間もなく、先程まであったふわふわと浮いているような感覚が一瞬にして消え去り、ルアの体が闇の中へと落ちていく。

「わぁぁぁぁぁっ!?」

 落ちていく感覚に思わず悲鳴をあげ、ぎゅっと目をつぶったルアだったが、突然何か柔らかいものに受け止められた。

「わっ!?」

 そして今度ルアが落ちた先は、足場がとても柔らかく弾力のある不思議な場所だった。

「こ、今度はなに?とりあえず……地面みたいなのがあるけど。すごい柔らかい。」

 足元の地面をむにむにとルアが触っていると、後ろからくつくつと笑う声が聞こえた。

「くふふふふ……妾の腹に悪戯をするとは悪い子だな。ん?ルアよ。」

「ふぇっ!?」

 突然後ろから大音量で聞こえた東雲の声に、ルアは驚きビクンと震えた。恐る恐る後ろを振り返ると、その先には大きな東雲の顔があった。

「え、えぇっ!?東雲さん!?な、なんでそんなにおっきく……。」

「くくくくく、言っただろう?ここは夢の世界だ。この世界では妾の思うがままのことが実現する。例えば今のように……ルアの姿があり得んほど小さくなったりな。」

「そ、そんなこと……って、わぁ!?」

 ルアが呆気にとられていると、大きな東雲の手が伸びてきて彼のことをつまみあげ、顔の近くまで運ばれる。

「それにしてもずいぶんと可愛らしい姿になったな。元の姿も十分に愛らしいが……こうして掌の上にのせてみると、まるで人形のようだ。」

 小さくなったルアを掌の上に乗せると、東雲は悪戯っぽく笑う。

「くくくくく、さてルアよ。これからどうなると思う?」

「そ、そんなのわかんないですよ。それよりもとに戻してくださいっ!!」

「それはダメだ。まだ仕返しが終わっていないからな。」

 すると、東雲は口から真っ赤な舌をペロリと出し、その上にルアを乗せた。

「くくくくく、さぁ……た~んと味わってやるからな。」

「ちょ、ちょっと待っ…………。」

 その声が届くことはなく、ルアは東雲にぱっくりと食べられてしまった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

処理中です...