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第三章 終焉を呼ぶ七大天使
第175話 神同士の衝突
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ルア達が住む世界の天界をルシファーへと任せたレトは、異なる世界へと繋がる境界線を一人歩いていた。
彼女が歩く暗闇の道には、異なる世界の景色が至るところに映っている。
ふと、何も映っていない場所でレトは足を止めるとポツリと口を開いた。
「…………ここにはアルの作った世界があったはずだけど。」
レトは何もない暗闇に手を伸ばすが、彼女の掌は何も掴めずに虚しく空を切った。
「跡形も無くなってるわね。」
握った掌を力強く握りしめ、少し悔しそうにレトは呟く。そして想いを振り払った彼女は再び歩みを進め、とある世界の景色の目の前でまた歩みを止めた。
彼女の視線の先には、入れないように鎖で覆われた別世界があった。
「ここね。」
レトはその鎖に手を伸ばすと、不思議な力で弾き飛ばされてしまう。
「…………まぁ、そうなるわよね。結界が上書きされてる。アポロンは結界を張れないから、あのメンヘラが手を貸したのかしら?まっ、これは予想通りだけど。」
レトは手に黒いオーラを纏わせると、再び鎖へと手を伸ばした。すると、バチバチと黒い稲妻が彼女の手と鎖との間で走り始め、やがて鎖の方がボロボロに崩れ落ちる。
「これで良し。さてっと……数百年ぶりにバカ息子にお説教と洒落こもうかしらね。」
鎖がなくなったそれにレトが手を伸ばすと、彼女の体は吸い込まれるように世界の中へと入っていった。そして彼女が目を開けると、目の前には太陽神であるアポロンを象徴する銀色の太陽のモニュメントが飾られていた。
「これでもかって位自分を崇拝させてるわね。ま、自己顕示欲が強いあの子らしいわ。」
レトが太陽のモニュメントを見て大きなため息を溢していると、彼女の周りに狂気的な瞳を光らせる数多の獣や虫達が集まり始めた。
「あらあら、アポロンにどんな調教をされたのかしら?ずいぶん躾がなってないわね。」
おもむろにレトは人差し指をピンと立て、上から下へと向ける。
「お座り。」
レトがそう口にした瞬間、彼女を取り囲んでいた獣や虫達が一斉に地面にひれ伏した。それは自発的……というよりも、何か強大な圧力が上からかけられたようだった。
地面にひれ伏した獣達を眺め、レトが歩みを進めようとすると、上空から声が響いた。
「おやおや、これはこれは母上ではありませんか?」
「アポロン……。」
レトの視線の先には、空中でくつくつと愉快そうに笑うアポロンの姿があった。
「いらっしゃるのなら言って頂ければ……それ相応のもてなしを用意したのですよ?」
「お生憎様、おもてなしなんて受けるつもりは更々無いのよ。」
「ハハハハ!!そうですかそうですか……それよりも母上、あなたがここにいるということは、どうやらあの作戦は失敗に終わったご様子ですね。まぁ、あの程度の天使どもでは所詮何の役にも立たなかったということですか。」
にたにたと笑みを崩さないアポロンに、怒りを覚えたレトは全身から黒いオーラを放つ。
彼女から放たれたオーラはアポロンの頬に一筋の傷をつけた。それでもアポロンは笑みを崩さない。
「ハハハハ!!神々の中で最も柔和と言われていた面影が微塵もありませんよ母上?」
「柔和……ねぇ。裏切り者として神を追放された挙げ句、私の世界を壊そうとされて、更には実の子まで傷つけられた。そんなことされたらねぇ……性格位変わるわよ!!」
レトはそう言い放つと、アポロンへと向かって指を指した。
「さぁ、数百年ぶりの説教の時間よ。覚悟はできてるんでしょうね?」
「今さら説教される歳ではないですよ母上。逆に聞きますが……母上こそ、ノコノコとこの世界に足を踏み入れて、生きて帰れると思っているのですか?」
そしてアポロンはレトによってひれ伏した獣達に目を向けると、怒号を飛ばした。
「これは神命である!!貴様らのその命に代えて、この裏切り者を殺せ!!」
「っ!!」
アポロンの怒号が響くと、地に伏していた獣達が圧力に抗うように立ち上がり、再びレトへと襲いかかる。
「神命……アポロン、あなたまさか産み出したモノの魂に細工を。」
アポロンを睨み付けるレト。しかし、そんな彼女の背後から狼のような獣が鋭い牙を剥き出しにして飛びかかってきていた。
「よそ見はいけませんよね。母上ぇ?」
彼女が歩く暗闇の道には、異なる世界の景色が至るところに映っている。
ふと、何も映っていない場所でレトは足を止めるとポツリと口を開いた。
「…………ここにはアルの作った世界があったはずだけど。」
レトは何もない暗闇に手を伸ばすが、彼女の掌は何も掴めずに虚しく空を切った。
「跡形も無くなってるわね。」
握った掌を力強く握りしめ、少し悔しそうにレトは呟く。そして想いを振り払った彼女は再び歩みを進め、とある世界の景色の目の前でまた歩みを止めた。
彼女の視線の先には、入れないように鎖で覆われた別世界があった。
「ここね。」
レトはその鎖に手を伸ばすと、不思議な力で弾き飛ばされてしまう。
「…………まぁ、そうなるわよね。結界が上書きされてる。アポロンは結界を張れないから、あのメンヘラが手を貸したのかしら?まっ、これは予想通りだけど。」
レトは手に黒いオーラを纏わせると、再び鎖へと手を伸ばした。すると、バチバチと黒い稲妻が彼女の手と鎖との間で走り始め、やがて鎖の方がボロボロに崩れ落ちる。
「これで良し。さてっと……数百年ぶりにバカ息子にお説教と洒落こもうかしらね。」
鎖がなくなったそれにレトが手を伸ばすと、彼女の体は吸い込まれるように世界の中へと入っていった。そして彼女が目を開けると、目の前には太陽神であるアポロンを象徴する銀色の太陽のモニュメントが飾られていた。
「これでもかって位自分を崇拝させてるわね。ま、自己顕示欲が強いあの子らしいわ。」
レトが太陽のモニュメントを見て大きなため息を溢していると、彼女の周りに狂気的な瞳を光らせる数多の獣や虫達が集まり始めた。
「あらあら、アポロンにどんな調教をされたのかしら?ずいぶん躾がなってないわね。」
おもむろにレトは人差し指をピンと立て、上から下へと向ける。
「お座り。」
レトがそう口にした瞬間、彼女を取り囲んでいた獣や虫達が一斉に地面にひれ伏した。それは自発的……というよりも、何か強大な圧力が上からかけられたようだった。
地面にひれ伏した獣達を眺め、レトが歩みを進めようとすると、上空から声が響いた。
「おやおや、これはこれは母上ではありませんか?」
「アポロン……。」
レトの視線の先には、空中でくつくつと愉快そうに笑うアポロンの姿があった。
「いらっしゃるのなら言って頂ければ……それ相応のもてなしを用意したのですよ?」
「お生憎様、おもてなしなんて受けるつもりは更々無いのよ。」
「ハハハハ!!そうですかそうですか……それよりも母上、あなたがここにいるということは、どうやらあの作戦は失敗に終わったご様子ですね。まぁ、あの程度の天使どもでは所詮何の役にも立たなかったということですか。」
にたにたと笑みを崩さないアポロンに、怒りを覚えたレトは全身から黒いオーラを放つ。
彼女から放たれたオーラはアポロンの頬に一筋の傷をつけた。それでもアポロンは笑みを崩さない。
「ハハハハ!!神々の中で最も柔和と言われていた面影が微塵もありませんよ母上?」
「柔和……ねぇ。裏切り者として神を追放された挙げ句、私の世界を壊そうとされて、更には実の子まで傷つけられた。そんなことされたらねぇ……性格位変わるわよ!!」
レトはそう言い放つと、アポロンへと向かって指を指した。
「さぁ、数百年ぶりの説教の時間よ。覚悟はできてるんでしょうね?」
「今さら説教される歳ではないですよ母上。逆に聞きますが……母上こそ、ノコノコとこの世界に足を踏み入れて、生きて帰れると思っているのですか?」
そしてアポロンはレトによってひれ伏した獣達に目を向けると、怒号を飛ばした。
「これは神命である!!貴様らのその命に代えて、この裏切り者を殺せ!!」
「っ!!」
アポロンの怒号が響くと、地に伏していた獣達が圧力に抗うように立ち上がり、再びレトへと襲いかかる。
「神命……アポロン、あなたまさか産み出したモノの魂に細工を。」
アポロンを睨み付けるレト。しかし、そんな彼女の背後から狼のような獣が鋭い牙を剥き出しにして飛びかかってきていた。
「よそ見はいけませんよね。母上ぇ?」
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