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第三章 終焉を呼ぶ七大天使
第181話 メタモルフォーゼ ルシファー
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ルアは食事を食べ終えると、ルシファーに日頃の修行風景を見せることになった。
メタモルフォーゼによってコロコロと姿を変えるルアのことを見て彼女は興味深そうに呟いた。
「これは……実に面白い技ですね。」
ルアがメタモルフォーゼをしている最中、音もなく彼の事を抱きとめたルシファーは彼の耳元で問いかける。
「ルア様、このメタモルフォーゼという技で私にも姿を変えられるのですか?」
「えっ……と、やってみないとわからないです。」
「ではやってみましょう。私はそれがとても……とても気になって仕方がないのです。」
ルアに密着しながらルシファーは目を輝かせる。
「じゃあ……やってみます。だからあの……ちょっと離れてもらっていいですか?」
「あっと、これは失礼しました。では私はこの辺で見守っております。」
そう言ってルシファーはルアから一歩だけ離れた。やはりどうあってもルアのことを近くで守っていたいらしい。
それ以上離れる様子がないルシファーを眺め、ルアは一つため息を吐くと、彼女のことを心で強く思い浮かべた。
「メタモルフォーゼ。」
ルアがそう呟いたその瞬間……普段ならば光に包まれるだけだったはずが、彼の体を光が包み込むと、その光は天高く昇っていった。そして雲を突き抜けると、光は一層強く輝き始め、厚い雲を切り裂くように地上に光が射した。
「あぁ……これは、素晴らしい…………。」
地上でそれを眺めていたルシファーはうっとりとした表情を浮かべる。
そして異変に気が付いた東雲が中庭に真っ先に駆けつけた。
「これはいったい何が起こっている!?おいルシファーとやら、ルアのことを守護していたのだろう?何があった!!」
「そう焦らずとも大丈夫ですよ。ルア様は今私にメタモルフォーゼをしたのです。」
「お前にメタモルフォーゼをした……だと?ならこの天使が放つ異様な気配はなんなのだ!!」
「それは私にもわかりません。ですが……概ね予想はついています。ルア様が降りてくればわかりますよ。ほら、もうすぐ姿を現しますよ。」
うっとりとしながらルシファーが眺める先では、雲を切り裂いて地上へと射し込んでいる光の中に、ゆっくりと降りてきている人影があった。
その人影が地上に近づいてくるにつれ、徐々にルアの面影を確認することができた。
そして遂にルシファーへとメタモルフォーゼしたルアが地上に降り立った。
ルシファーへとメタモルフォーゼしたルアは、背中から生えた何枚もの輝く翼に体を覆われている。服も純白のものを身に纏っており、どの点を見てもルシファーと正反対だ。
「ルアっ!!」
すぐさま駆け寄ろうとした東雲だったが、後ろからルシファーに肩を掴まれた。
「お待ちなさい。」
「何をするっ!!」
「今近づいては危ないのですよ。あなた……死にたいのですか?」
「どういう意味だ……。」
「考える前に動くのです。早く私の後ろに。」
「チッ、自分の身ぐらい自分で守れ………むぎゅッ!?」
舌打ちをした東雲だったが、つべこべ言う暇もなくルシファーに体を掴まれ、あっさりと彼女の背後に引き込まれてしまう。
そしてちょうど東雲がルシファーの背中に隠れたその時だった。
ルアがゆっくりと目を開けるとともに、彼を包んでいた翼が一斉に大きく広がった。翼が広がると、ルアの体から数多の小さな光が辺りに飛び散る。
その光のうちの一つが東雲の真横を掠めていったその時、彼女の背筋に今まで感じたことがないほどの悪寒が走った。
「感じましたか?死の予感を……いえ、正確には消滅の予感を。」
「な、なんなんだあれは……。」
「あの光は私が七大天使へ名を連ねた時に神より授かった神器……明星です。光に触れれば存在そのものが消滅しますので、くれぐれも触らないように。」
ルシファーがそう説明している間に、辺りに散らばった光がルアのもとに集まり始め、光り輝く球体を作り出した。そして一つになったそれはルアの周りをまるで衛星のようにくるくると回転し始める。
そしてルアが自分の体を眺めているのを確認して、ルシファーは彼に声をかけた。
「ルア様、意識はおありですか?」
「…………堕天使。」
声をかけたルシファーに、ルアは嫌悪感に染まった目を向ける。
「これは……いけませんね。どうやら天使であった頃の私の意識がルア様に混入しているようです。」
「お、おい、どうするのだ?」
「あなた達は急いでここを離れなさい。巻き込まれれば……消えますよ?」
東雲にそう言うと、ルシファーはルアへと向かってゆっくりと歩みを進めた。
「フフフ……よもやよもや、天使であった頃の私と対峙できる日が来るとは思いもしませんでした。」
「堕天使風情が何を言ってるの?その黒い翼で天使を語らないでくれる?」
そしてルアは自分の周りを回っていた明星を右手で受け止めると、それの形を剣へと変えた。
「七大天使第一席……ルシファー。これより堕天使の処罰を始めます。」
ルアは自分のことをルシファーと名乗ると、本物のルシファーへと向かって斬りかかるのだった。
メタモルフォーゼによってコロコロと姿を変えるルアのことを見て彼女は興味深そうに呟いた。
「これは……実に面白い技ですね。」
ルアがメタモルフォーゼをしている最中、音もなく彼の事を抱きとめたルシファーは彼の耳元で問いかける。
「ルア様、このメタモルフォーゼという技で私にも姿を変えられるのですか?」
「えっ……と、やってみないとわからないです。」
「ではやってみましょう。私はそれがとても……とても気になって仕方がないのです。」
ルアに密着しながらルシファーは目を輝かせる。
「じゃあ……やってみます。だからあの……ちょっと離れてもらっていいですか?」
「あっと、これは失礼しました。では私はこの辺で見守っております。」
そう言ってルシファーはルアから一歩だけ離れた。やはりどうあってもルアのことを近くで守っていたいらしい。
それ以上離れる様子がないルシファーを眺め、ルアは一つため息を吐くと、彼女のことを心で強く思い浮かべた。
「メタモルフォーゼ。」
ルアがそう呟いたその瞬間……普段ならば光に包まれるだけだったはずが、彼の体を光が包み込むと、その光は天高く昇っていった。そして雲を突き抜けると、光は一層強く輝き始め、厚い雲を切り裂くように地上に光が射した。
「あぁ……これは、素晴らしい…………。」
地上でそれを眺めていたルシファーはうっとりとした表情を浮かべる。
そして異変に気が付いた東雲が中庭に真っ先に駆けつけた。
「これはいったい何が起こっている!?おいルシファーとやら、ルアのことを守護していたのだろう?何があった!!」
「そう焦らずとも大丈夫ですよ。ルア様は今私にメタモルフォーゼをしたのです。」
「お前にメタモルフォーゼをした……だと?ならこの天使が放つ異様な気配はなんなのだ!!」
「それは私にもわかりません。ですが……概ね予想はついています。ルア様が降りてくればわかりますよ。ほら、もうすぐ姿を現しますよ。」
うっとりとしながらルシファーが眺める先では、雲を切り裂いて地上へと射し込んでいる光の中に、ゆっくりと降りてきている人影があった。
その人影が地上に近づいてくるにつれ、徐々にルアの面影を確認することができた。
そして遂にルシファーへとメタモルフォーゼしたルアが地上に降り立った。
ルシファーへとメタモルフォーゼしたルアは、背中から生えた何枚もの輝く翼に体を覆われている。服も純白のものを身に纏っており、どの点を見てもルシファーと正反対だ。
「ルアっ!!」
すぐさま駆け寄ろうとした東雲だったが、後ろからルシファーに肩を掴まれた。
「お待ちなさい。」
「何をするっ!!」
「今近づいては危ないのですよ。あなた……死にたいのですか?」
「どういう意味だ……。」
「考える前に動くのです。早く私の後ろに。」
「チッ、自分の身ぐらい自分で守れ………むぎゅッ!?」
舌打ちをした東雲だったが、つべこべ言う暇もなくルシファーに体を掴まれ、あっさりと彼女の背後に引き込まれてしまう。
そしてちょうど東雲がルシファーの背中に隠れたその時だった。
ルアがゆっくりと目を開けるとともに、彼を包んでいた翼が一斉に大きく広がった。翼が広がると、ルアの体から数多の小さな光が辺りに飛び散る。
その光のうちの一つが東雲の真横を掠めていったその時、彼女の背筋に今まで感じたことがないほどの悪寒が走った。
「感じましたか?死の予感を……いえ、正確には消滅の予感を。」
「な、なんなんだあれは……。」
「あの光は私が七大天使へ名を連ねた時に神より授かった神器……明星です。光に触れれば存在そのものが消滅しますので、くれぐれも触らないように。」
ルシファーがそう説明している間に、辺りに散らばった光がルアのもとに集まり始め、光り輝く球体を作り出した。そして一つになったそれはルアの周りをまるで衛星のようにくるくると回転し始める。
そしてルアが自分の体を眺めているのを確認して、ルシファーは彼に声をかけた。
「ルア様、意識はおありですか?」
「…………堕天使。」
声をかけたルシファーに、ルアは嫌悪感に染まった目を向ける。
「これは……いけませんね。どうやら天使であった頃の私の意識がルア様に混入しているようです。」
「お、おい、どうするのだ?」
「あなた達は急いでここを離れなさい。巻き込まれれば……消えますよ?」
東雲にそう言うと、ルシファーはルアへと向かってゆっくりと歩みを進めた。
「フフフ……よもやよもや、天使であった頃の私と対峙できる日が来るとは思いもしませんでした。」
「堕天使風情が何を言ってるの?その黒い翼で天使を語らないでくれる?」
そしてルアは自分の周りを回っていた明星を右手で受け止めると、それの形を剣へと変えた。
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