もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第182話 あなたは私、私はあなた。

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「フフフ……あの頃の私そのものですね。」

 クスリとルシファーは笑うと、ルアと同様に明星を剣の形に変え、攻撃を受け止めた。

 二つの剣がぶつかり合うと、そこから大きな衝撃波が発生し大地を大きく揺らす。
 その大きな衝撃波はルシファーの遥か後方へと引いていた東雲までも襲った。

「むっ!?おぉぉぉぉぉッ!?」

 幸いルシファーが言っていたという最悪の事態は免れたものの、軽い彼女の体は大きく吹き飛ばされていった。

 彼方へと吹き飛んでいった東雲をチラリとルシファーは確認すると、再び目の前のルアに向き合った。

「これは……明星?なぜ堕天使が私の神器を持っているのです?」

「さぁ?どうしてでしょうね?」

 困惑するルアの表情を楽しむかのように笑うルシファー。そんな彼女の様子に、相対するルアの表情に怒りの色が浮かび始めた。

「質問に答えなさい。」

「生憎答える義務はありませんね。それよりも……もう少し戦闘に集中した方が良いのでは?」

「何を…………ッ!!」

 ルシファーは明星を手放し、ルアへと向かって手を伸ばすと、彼の服を掴んで空へと放り投げた。

「ここはルア様の住む処……消し去るわけにはいきませんからね。」

 どうやらルア達が住むロレットの城に被害を与えないように、ルシファーは配慮したようだ。
 そして彼女は放り投げたルアのことを追いかけるように、黒い翼を羽ばたかせ大空へと羽ばたいた。

 投げ飛ばされたルアが、上空で翼を使って身を翻し体勢を整えていると、そこにルシファーが急接近する。

「くっ……。」

「フフフ、体が思うように動きませんか?」

「……!!これも貴様の技ということですか……。」

 ルシファーの言葉にルアがハッとした表情を浮かべると、彼女の事を憎たらしそうに睨み付けた。

「いいえ?残念ながら、私にできるのはこの明星を操ること……それだけです。」

「戯れ言をつらつらと……堕天使ごとき存在がッ!!」

 怒りを露にしたルアは再びルシファーへと斬りかかるが、彼女は余裕そうに笑みを浮かべながら彼の攻撃をヒラヒラとかわす。

「おやおや、七大天使様の第一席ともあろう方が……ずいぶん堕天使一人に手間取っているようですね?」

「図に乗るなァッ!!」

「おっと、危ない危ない……フフフ。」

 力任せにルアが明星を凪ぎ払うと、ルシファーの後方の空が真っ二つに割れた。

「私は最も神に近い存在……こんな堕天使ごときに遅れをとっては………………。」

「その傲慢さが身を滅ぼすのですよ。」

「……っ!!」

「そしてその傲慢さに呑まれ、神に刃を向けた後のあなたが……。」

「なん……ですって?」

 愕然とするルアの背後に、アッサリとルシファーは回り込むと、彼の事を羽交い締めにした。

「あなたは過去の私……傲慢さに呑み込まれた哀れな天使。」

「そんなことが……違う、違う違うッ!!私は断じて貴様などではないッ!!」

「ふむ、受け入れられませんか。では…………。」

 ルシファーはルアの背中に生えている翼の根元へと顔を近付けると、おもむろに翼の付け根に軽く口を当てた。

「ひうッ!?あ、あぁ……な、なに……を?」

 ルシファーの柔らかい唇が当てられた瞬間、ルアの体がぴーんと硬直する。

「フフフ、自分しか知らないことをしているだけですよ?あなたが私のことを信じられるように。んっ……チュッ♪」

「あぁっ!!う、ウソ……な、なんでそこ……ぉッ!?」

 ルシファーが翼の付け根へ口付けをしたり、甘噛みをしたりする度にルアの体がビクンビクンと跳ねる。

「言ったでしょう?あなたは私だ……と。」

「わ、わかりましたっ!!わかったからぁっ……や、やめぇ…………。」

「フフフ、やめません。私は一人で十分なのです。それにその体の主は、あなたではありませんから……ね。」

「も、もぅわかんな…………わかんないっ!!あぁっ……あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 ルシファーが少し強く翼の付け根へ噛みつくと、ルアの体が一層ビクンと跳ね、しばらくするとぐったりとルシファーにもたれ掛かった。

「う……うぅ、あれ?ボクは…………。」

「お目覚めですねルア様。」

「ルシファー……さん?」

 次にルアが目を覚ました時には、彼を支配していたルシファーの記憶は消え去り、自分を取り戻していた。
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