もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第194話 災厄は突然に

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 その時は突然訪れた……。

「ルア様……起きてください。」

 ポンポンと優しくルシファーがルアの肩を叩いて起こす。普段彼が起きる時間よりもだいぶ早い時間だ。

「んぅ?ルシファーさん?」

「申し訳ありませんルア様、起きてすぐで大変恐縮ですが……どうやら七大天使の一人ガブリエルが来襲するようなのです。」

「七大天使ですか………………って、えっ?七大天使!?」

 未だ意識が半分眠っていたルアだったがルシファーのその言葉で一気に意識が覚醒する。そしてルアの驚く声に反応し、隣で眠っていた東雲もゆっくりと目を覚ました。

「くぁぁ、なんだこんな朝早くから騒々しい……妾はまだ寝足りんぞ。」

「東雲さん!!大変なんですよ、寝てる場合じゃないです!!七大天使が来ちゃうんですよ!!」

「なに?七大天使だと?ラグエルかっ!?」

 七大天使と聞いて東雲が飛びあがる。それもそのはずで、一度彼女の命を奪った者……それが七大天使のラグエルなのだ。
 復讐に燃える東雲だったが、ルシファーが首を横に振った。

「いえ、残念ながら今回来るのはガブリエルという名の天使のようです。」

「なんだラグエルではないのか、積年の恨みを果たせると思ったんだが……。」

「フフフ、ある意味幸い……だったかもしれませんよ?」

「それはどういうことだ?」

「わかっているでしょう?今のあなたではラグエルを倒すはおろか、触れることすらできません。」

「むぅ……。」

「仮にもし、今から来るのがラグエルであったとしたら、あなたは恨みを晴らすこともできず、私達が戦うのを見ているだけ……だったのですよ?下手をすれば再び……命を失っていたかもしれません。」

 ルシファーの言葉に東雲はぐうの音もでないようだ。

「ですから、今回のガブリエルは私とルア様に任せて、あなた方は周りの天使に集中してください?それが自分の内に秘めている欲を見つける鍵になるのです。」

「……ふん、わかった。今は従ってやろう。」

 東雲はピョンとベッドから飛び降りると、人の姿へと変化する。そして部屋の外へと出ようとした時、ルア様はが東雲のことを引き留めた。

「他の皆さんにも伝えてください。くれぐれも……と。」

「………………。」

 ルシファーの忠告を聞くと、東雲は無言で扉を開けて部屋の外へと出ていった。彼女の後ろ姿を眺めていたルシファーはにこりと笑うと、ルアに話しかける。

「さて、ルア様……今回は七大天使に対抗できるのが私とルア様の二人しかおりません。ので、ガブリエルとは私と二人で戦うことになりますが……不安はありませんか?」

「す、少し怖いです……。」

「フフフ、大丈夫ですよ。怖いことはありません。」

 少し不安だと口にしたルアの頭をルシファーは優しく撫でる。

「ルア様には私がついています。怪我一つ負わせはしません。」

「ルシファーさん……。」

 ルシファーの言葉に少し気持ちが軽くなったルア。それを見計らって彼女はガブリエルについて話し出した。

「ルア様、ガブリエルは百合という花のような神器を使います。」

「百合……ですか?」

「はい、ですがもちろんただの花ではありません。ガブリエルの百合はと呼ばれています。その効果は、一定の範囲内に入った対象を彼女の裁量で決めた善か……はたまた悪かによって裁く……というものです。」

「裁くっていうと……ど、どんな風にですか?」

「裁き方は様々あるらしいのですが、最も彼女が愛用しているのは悪と認識したものを内側から腐らせる毒を付与すること……と聞き及んでおります。」

「う、内側から腐らせる!?す、すっごいグロいですね。」

 強烈なワードに思わずルアの背筋に悪寒が走る。

「確かに喰らえば厄介極まりないものですが……その効果は一定範囲にしか効果を及ぼしません、つまりある程度の距離を保って戦えば……何も………………。」

 ルシファーが話していた最中に、窓の外が急に明るくなる。そして強烈な後光が雲を貫き地上へと降り注いだ。

「どうやらお出ましのようですね。」

 ルシファーが視線を送る先には、一人の天使を筆頭に大量の天使が雪崩れ込んでくる光景が写っていた。
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