もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第234話 ロレットと同室のルア

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 部屋分けでロレットと同室になったルア。一行は一度旅館で用意されている過ごしやすい浴衣衣装に着替えるために各自、振り分けられた部屋へと入ることになった。

 そしてルアとロレットも旅館の部屋へと足を踏み入れた。

「おぉ、流石にあの女将が一番の部屋というだけはあるな。素晴らしい部屋だ……なぁルア?」

「そうですね。和室の雰囲気もいいし、何よりこの露天風呂がすごいですね。」

 ルアたちに用意された部屋は二人で過ごすにはとても広く、ところどころ豪華ながらも静粛さが漂う和室だった。外のデッキには露天風呂までついている。その露天風呂から見える景色はまさに絶景で、深緑の森と近くを流れている大きな滝が眺められるように作られていた。

「さて、では着替えるか。」

 そう言うとロレットはルアが隣にいるというのに何のためらいもなく上着を脱ぎ始めたのだ。

「ろ、ろろろロレットさん!?」

「ん?」

 思わず顔を両手で覆って動揺するルア。そんな彼の様子を見てロレットは首を傾げた。

「何をそんなに焦っているんだ?別に服を脱ぐぐらい、着替えるのだから普通だろう?」

「普通男の人は女の人の着替えを目の前で見たりしないものなんですっ!!」

「む、そうか。生憎我はそういう常識には疎くてな。すまなかった……すぐに着替えよう。」

 そしていそいそと着替え終えたロレットはルアに声をかける。

「ルア、もう目を開けてもいいぞ?」

「あ、ホントですか?」

 恐る恐るルアが目を開けると、そこには浴衣姿に着替えたロレットの姿があった。しかしルアは彼女の服装にある違和感をすぐに見つけた。

「あ、ロレットさん。」

「む?どうしたんだ?」

「帯の結び方がちょっと間違ってますね。ちょっと失礼します。」

「う、うむ頼む。」

 するとルアはロレットの腰に巻いていた帯をしゅるりと解くと慣れた手つきで再び帯を結び始めた。そんな彼にロレットは問いかける。

「ルアはこういう着物の着方には詳しいのか?」

「お母さんが毎日やってるのを見てましたから……。」

「ふむ、なるほどな。確かに由良はよくこういう着物を着ているな。それwくぉきている姿を見ていれば覚えるのも必然か。」

「あはは、まぁ小っちゃいころからずっと見てきてましたから、それにお母さんの着物を着たこともありますし…………よっ、これで大丈夫ですよ。」

「感謝する。」

 そうしてルアに改めて着つけてもらったロレットは普段の騎士風の衣装とは、また違った美しさを醸し出していた。

「そういう服もロレットさん似合いますね。」

「そ、そうか?」

 部屋に立てかけられた等身大の鏡に自分の姿を映して、眺めているロレット。

「こういう服をたまには着てみてもいいのか……しかしこういう服はいずこで売っているのだ?由良が知っているか。後で聞いてみよう。」

「それじゃあボクあっちの隅の方で着替えてきますね。」

「うむ、我はそこの椅子に座って少しゆっくりしているとしよう。」

 そしてルアは部屋の影の方に行ってこそこそと隠れるように着替えを始めた。一方椅子に腰かけていたロレットだったが、何を思ったのか音を立てないように立ち上がるとルアが着替えているほうへとゆっくり近づき、そっと彼のいる場所を覗き込んだ。
 すると今にも下着だけになろうとしているルアの姿がそこにはあり、彼女はそれからというもののルアの着替えをする姿を夢中になって眺めていた。自分の鼻からたらりと鼻血が垂れていることも気にかけず、彼女はルアが着替えている一部始終を目に焼き付けていた。

 そしてルアが着替え終わるころ、ハッと我に返った彼女は急いで椅子へと座り平静を装るのだった。そこにルアが戻ってくると、彼は驚きの声を上げた。

「ろ、ロレットさん!!は、鼻血がでてますよっ!?」

「む?」

 ルアにそう言われて彼女が自分の鼻の下に手を当てると、彼女の手にはべっとりと鼻血がついていた。

「むむ……いつの間に。」

「浴衣に垂れる前に早くティッシュをっ!!」

 ルアはロレットに部屋に備え付けてあったティッシュを素早く手渡した。それで彼女は鼻血をぬぐうとルアに一言お礼を述べた。

「助かったぞルア。自分でも血を流していることに気付かなんだ。痛みもなく血が流れてくるのはなかなか気が付かぬものだな。」

「自分の体調の変化に気が付くのも大事ですよ?気を付けてくださいね。」

「うむ。」

「鼻血が止まったら皆さんと合流しましょっか、女将さんがいろいろ用意してくれてるらしいので。」

「そうだな。」

 すでに血は止まっているが、ルアと二人きりで過ごす時間を少しでも多くしたかった彼女は、少しの間鼻血が出ているふりを続けるのだった。
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