たいして好みでは無い、と言われたので婚約解消した令嬢は、伯爵様と交渉する。

らりささ

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4.蜜月編

13.ノーランド様

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私たちは、ナナコッテに到着している。

しかし、一向に馬車は止まる気配が買い。

「あの、そろそろノーランド様のお店に近いのではないですか?」
私は、居ても立っても居られず、アスラン様に聞いた。
「今日は、ノーランドはお店には居ないので、自宅にお邪魔することになっています」
アスラン様は笑顔で答えた。

「え、ご自宅に、ですか?そ、それはご迷惑では…?」

 ちゃんとご連絡できているのかしら…

私は、すごく不安になってきた。

 ノーランド様に、また失礼にならなければよいのですが…

「大丈夫ですよ。ちゃんと連絡もいっていますし、ノーランドも了承済みです」
アスラン様は、全く余裕の態度である。

「え、こんな短期間で連絡されたのですか?そして、了承済みって、話がはやすぎませんか?」
私は嫌な予感がしてきた。
「そうですか?こんなものですよ」
アスラン様は、当然とでも言わんばかりである。

そうこうしているうちに、馬車が止まった。

「着きましたよ」
アスラン様はそう言って、先に馬車を降りた。
「どうぞ。僕の奥様」
そう言って、私に手を差し出した。
私は、彼の手をとって馬車から降りたのだが、そこは、とてつもなく大きな屋敷の前であった。

「ここは…」
愕然としている私にアスラン様は答えた。

「リーラコッテ伯爵家です。ノーランドの本名は、ノースラント・リーラコッテ伯爵です」
「ノースラント・リーラコッテ伯爵様…!!??」

 知ってる!!まさか…!

 ノーランド様が、ノースラント・リーラコッテ伯爵様とは!!

私は、倒れそうだった。

「おや。ルシンダは、ノーランドのこと知ってるようですね?」
アスラン様は楽しそうだった。
「も、もちろん…ノースラント・リーラコッテ様と言えば、王立騎士団の伝説の団員…。そして、ここナナコッテを含むこの辺り近辺の領主様…な、何で、教えてくれなかったんですか…なんで、ノーランド様と呼んでいるのですか…」
私は、怒りに近い感情が湧いてでてきた。

「ノーランドは愛称なんですよ。僕の可愛い後輩なんでね」
アスラン様は、楽しそうになってきた。

「アスラン!ルシンダ!いらっしゃい。そんなとこで話してないで、入って入って!」
そこに、ノーランド様、いや、ノースラント・リーラコッテ伯爵様が、私たちを出迎えにきてくれた。

「あ…あの…リーラコッテ伯爵様、せ、先日は、た、大変、ぶ、無礼な振る舞いで、ほ、本当に、も、申し訳、ご、ございませんでした」
私は、ガチガチのカミカミだった。

「ぷぷぷっ。あはははっ!」
リーラコッテ伯爵様は、笑いを堪えられなくなったようだった。
「ごめんごめん。悪いのは俺の方だったな」
そう言って、更に笑うリーラコッテ伯爵様の笑顔はとても素敵だった。

 この方が、あの勇敢なノースラント(元)騎士団員様…

私は、王立騎士団の記録に思いを馳せていた。

 と…、尊い!!

「あ、あの…私は…」
そう言いかけた時、私の背後から、アスラン様が私の両目を彼の両手で塞いだ。

「もう、いいでしょ。見すぎ…」

それを見たリーラコッテ伯爵様は、更に大声で笑った。
「いやぁ、いいもの見せてもらったな!あはははっ!」

「ノーランド、煩いよ…ちょっと黙ってて」
「ちょっと、アスラン様??!」

「僕以外の人をそんなに熱く見つめないで…」
アスラン様が呟くように、私の耳元で言った。

 いや、だって仕方ない、ノースラント・リーラコッテ伯爵様ですよ??!!

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