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6.大精霊編
23.後悔
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クルーズ・カカリアは、後悔していた。
初めは、ほんの気まぐれ。
ちょっとした暇潰しのつもりだった。
アスランは若い頃からずっと、女性を虜にし続けている、ということは彼も知っていた。
しかし、それはアスランの望むことではなかった。
それなのに、40歳を過ぎてもなお、女性を魅了する彼はある意味“人”ではないのかも知れない、とクルーズは常々思っていた。
だから、ルシンダもアスランに興味を示すだろうということは、容易に想像ができていた。
クルーズは、騎士団でアスランとルシンダが初めて顔を合わせたところを遠くから見ていたのだ。
その時のクルーズには、ただルシンダが“何者なのか”ということにしか興味がなかった。
しかし、アスランのあのルシンダを見る目。
思わず、クルーズは魔法で望遠を使った。
あの女性不信のアスランが、熱い視線をルシンダに注いでいる。
クルーズは興奮した。
そして、あのアスランの相手が、あの“ユーリ”の生まれ変わりだ。
クルーズは自身の好奇心を抑えられなかった。
ライトが一方的にルシンダを好きで2人が結婚に至ったことを、クルーズは知っていた。
ルシンダとローレンの婚約に、ライトが割って入ったことは社交界では有名な話であるし、どう見ても、ルシンダがライトに惚れている雰囲気はなかった。
それなのに…!
あのアスランを見つめるルシンダの瞳…!
“ユーリ”が、他の男と愛し合ったら?
陸の大精霊はどうする?
クルーズは堪らなくなっていた。
彼はそれ以来、何かに付けて、ルシンダとアスランをけしかけた。
アスランが来ると分かっていて、ルシンダを一人で留守番させたのも、職員が出払っている時にルシンダを騎士団に行かせたのも、イリス第一王子の夜会にルシンダが行くように仕向けたのも、全て、クルーズの思惑だった。
そして、ルシンダに興味を持ったセラを時の精霊を使って排除したのもクルーズだった。
この美しい物語を誰にも邪魔されたくなかったのだ。
そのお陰か、無事にアスランとルシンダは心を繋いだ。
おそらく、体の関係もあるのであろう。
しかし、それがここまで陸の大精霊を激怒させることになるとは…
クルーズは頭を抱えた。
アスランは、今の王立騎士団の要だ。
彼がいなくては、軍師であるクルーズのいうことを騎士団は聞き入れなくなるであろう。
クルーズの奇策を理解し、取り入れ、それを分かりやすく騎士団に降ろすことができる人物は、今の騎士団にはアスランしかいない。
そのアスランと2つの車輪のように動いているのが、ノースラントだった。
それほど、アスランとクルーズの繋がりは国防に置いて、重要になっていたのだ。
「何が正解だったのかな」
クルーズは生まれて初めて、自分の判断に迷いが生じていた。
ユーリであるルシンダが21歳になるまで、陸の大精霊は彼女に手出しできない。
だからアスランに矛先が向かったのだろうか。
いや、単純に陸の大精霊がアスランを嫌っているだけなのかもしれない。
それを人は嫉妬と呼ぶのだが、その負の感情が、アスランにひたすらに向けられている。
「おそらく、僕の感はあたっている」
クルーズはひとり、そう呟いた。
しかし、もう引き返せない。
物語は動いているのだ。
もしかしたら、ユーリと陸の大精霊の物語も、やっと前へ進むのかも知れない。
それでも、それがアスランの命と引き換えになろうとは…
クルーズは、なによりも友人として、アスランに申し訳なく思った。
初めは、ほんの気まぐれ。
ちょっとした暇潰しのつもりだった。
アスランは若い頃からずっと、女性を虜にし続けている、ということは彼も知っていた。
しかし、それはアスランの望むことではなかった。
それなのに、40歳を過ぎてもなお、女性を魅了する彼はある意味“人”ではないのかも知れない、とクルーズは常々思っていた。
だから、ルシンダもアスランに興味を示すだろうということは、容易に想像ができていた。
クルーズは、騎士団でアスランとルシンダが初めて顔を合わせたところを遠くから見ていたのだ。
その時のクルーズには、ただルシンダが“何者なのか”ということにしか興味がなかった。
しかし、アスランのあのルシンダを見る目。
思わず、クルーズは魔法で望遠を使った。
あの女性不信のアスランが、熱い視線をルシンダに注いでいる。
クルーズは興奮した。
そして、あのアスランの相手が、あの“ユーリ”の生まれ変わりだ。
クルーズは自身の好奇心を抑えられなかった。
ライトが一方的にルシンダを好きで2人が結婚に至ったことを、クルーズは知っていた。
ルシンダとローレンの婚約に、ライトが割って入ったことは社交界では有名な話であるし、どう見ても、ルシンダがライトに惚れている雰囲気はなかった。
それなのに…!
あのアスランを見つめるルシンダの瞳…!
“ユーリ”が、他の男と愛し合ったら?
陸の大精霊はどうする?
クルーズは堪らなくなっていた。
彼はそれ以来、何かに付けて、ルシンダとアスランをけしかけた。
アスランが来ると分かっていて、ルシンダを一人で留守番させたのも、職員が出払っている時にルシンダを騎士団に行かせたのも、イリス第一王子の夜会にルシンダが行くように仕向けたのも、全て、クルーズの思惑だった。
そして、ルシンダに興味を持ったセラを時の精霊を使って排除したのもクルーズだった。
この美しい物語を誰にも邪魔されたくなかったのだ。
そのお陰か、無事にアスランとルシンダは心を繋いだ。
おそらく、体の関係もあるのであろう。
しかし、それがここまで陸の大精霊を激怒させることになるとは…
クルーズは頭を抱えた。
アスランは、今の王立騎士団の要だ。
彼がいなくては、軍師であるクルーズのいうことを騎士団は聞き入れなくなるであろう。
クルーズの奇策を理解し、取り入れ、それを分かりやすく騎士団に降ろすことができる人物は、今の騎士団にはアスランしかいない。
そのアスランと2つの車輪のように動いているのが、ノースラントだった。
それほど、アスランとクルーズの繋がりは国防に置いて、重要になっていたのだ。
「何が正解だったのかな」
クルーズは生まれて初めて、自分の判断に迷いが生じていた。
ユーリであるルシンダが21歳になるまで、陸の大精霊は彼女に手出しできない。
だからアスランに矛先が向かったのだろうか。
いや、単純に陸の大精霊がアスランを嫌っているだけなのかもしれない。
それを人は嫉妬と呼ぶのだが、その負の感情が、アスランにひたすらに向けられている。
「おそらく、僕の感はあたっている」
クルーズはひとり、そう呟いた。
しかし、もう引き返せない。
物語は動いているのだ。
もしかしたら、ユーリと陸の大精霊の物語も、やっと前へ進むのかも知れない。
それでも、それがアスランの命と引き換えになろうとは…
クルーズは、なによりも友人として、アスランに申し訳なく思った。
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