7 / 37
第一章 出会い頭の吹雪
間一髪からの
しおりを挟む
「ウオオオォォォ!」
言葉とならぬ咆哮、それは彼の心を恐怖に陥れる。
振りかぶった右腕によって次の瞬間には潰される。否が応でも戦慄し、理解してしまった。
「し、死にたく……」
それでも彼は生を求める。こんなにも近く、死が寄り添おうとしても。
だが、どうにもならない事もある。それを分かっているのか、彼の脳は幻のようなものを見せる。
——なんだこれ?
最初は理解できなかったが、一瞬にしてこれが走馬灯であると判断した。死の間際に見る物だと、彼の知識に残っていたため、そう思い込んでいた。
——記憶がないのに、皮肉なもんだ。
走馬灯は過去の記憶を映し出すものであり、それを失ったにも関わらず見せられる。彼の記憶など三日しかないのに。
だが、彼の見る走馬灯には不思議なことが起こっていた。目の前に起きている状況とほぼ一緒で、大差はない。強いて言うならば周りが外のように明るいことだろうか。
——これが過去の記憶か?
リルは疑問に思うが、それには誰も答えず走馬灯は流れる。
デブが右腕、つまり彼から見て左からの攻撃が繰り出される。それは今の状況と一緒。
そして、視点が一気に右へとズレる。たどたどしく紙一重であるが、どうやら攻撃は食らっていないらしい。右腕は伸ばされたまま、次に左腕のパンチが向かってきて、左へと避ける。そうすると、デブのスキはど真ん中にできる。ぽっかりと、まるでそこを狙えと言わんばかりの。
「っ!」
反撃できそうなタイミング、そこで彼の意識は現実へと戻される。体感だと十秒ぐらいに感じられたが、実際にはコンマ数秒も経ってはいないらしく、未だデブは右手を振り上げたままだ。それでも、動かなければ死ぬのは変わらない事実。
ならば、さきほど見た走馬灯のように動くか? あれが未来視のようなものである確証はないが、賭けるならばそれしかない。ソフィを信じるという手もあったけど、必ず助けてくれるとも限らない。そんな人情的であれば、そもそもこんなところに無理やり連れてはこない。
「まだ……死ねない!」
膝はガクガクと震え、恐怖で体を思うように動かせない部分もあったが、死ねないという僅かな覚悟から、彼は自身の見た走馬灯に賭けることにした。
それと同時にデブは動き出す。彼から見て左からの攻撃、それは走馬灯を見る前も分かっていたこと。だから彼は右へと避ける。
彼女のように上手く、ではないけれども、デブのデカい拳をなんとかギリギリ躱せた。
「けど二回目!」
次の攻撃がすぐ来る。それは通常の彼では予測できなかった事。本来であれば、反応できなかった左から二段目の攻撃。
反射神経なんかでは絶対に避けられない速さではあるが、デブの動きは単調で予測できれば対処はできる。その証拠に、
「だぁぁぁ!」
あの彼が、さっきまで魔物に追いかけ回されていただけのリルがデブの攻撃を避けることができた。本当に間一髪で、足はもつれかけていたが、当たることはなかった。
しかも、デブの両腕は伸ばされたままで、それらによって三段目の攻撃が行われることはない。
「よし! 後は……」
この隙をついて逃げるなり隠れるなりすれば良い。そもそも彼の力で反撃など無理だ。リル自身も分かっていたのか、攻撃する素振りもない。その判断は正しかった、判断自体は。
「ぁ……」
しかし、彼は意識を目の前の敵から一瞬そらしてしまった。どこへ逃げるか、どこへ隠れるかを考えてしまった。
デブの攻撃はまだ終わっておらず、頭突きによる三発目が放たれていた。走馬灯にないそれは彼の反応を遅らせ、もうどうにもできない状況へと持っていかれてしまう。いや走馬灯にあったとしても、彼は体制を崩し、次の行動を即座に移すことはできなかったかもしれない。
なんにせよ、彼の命運はほぼ決まっていた。
デブの頭に潰される。なんともカッコ悪い死に方ではあるが、素人が二回も避けらたのなら上出来だ。
——まだ、まだ!
だが、彼の心は諦めていない。
死にたくない、生きたいなどではなく、もっとその先。このデブを超えたところに彼の固執する理由があるかのよう。目ははっきりと今の現状を捉えている。けれども、焦点自体は別に合わされている。
届かないと分かっていても、掴まずにはいられない。何か方法はないかと模索して、そして……
「隙あり!」
救助者が現れる。
それは上から降ってきたソフィであった。彼女はデブのヘイトが完全にリルへと集中していた瞬間を狙い、頭を大剣で斬る。いや殴った。まさに脳天直下だ。
「グフッ——!」
その衝撃でデブの兜は真っ二つに割れ、さらには脳を揺さぶられたからか、膝から崩れてそのまま倒れてしまう。
リルからすれば急展開に頭が追いついていけないが、とにかく脅威が去ったことは理解できた。そして、安心からまたちょっとチビっていた。
「ふぅ……いやぁナイスだったぜ!」
一体どこに隠れて、どうやって上を取ったのか。突如として姿を現したソフィはデブの体の上に立ち、リルに対して親指を立てる。
「お、お前、一体何処にいたんだ?」
まだ心臓の鼓動はたかぶっており、戦いの余波からの興奮が抑えきれない状態であったが、リルは訊かずにはいられなかった。
「天井だよ、天井。土煙に紛れてあの魔物の視界外に移動して、そのまま上にジャンプしたんだ。
さらに、天井に張り付くためにこの剣をぶっ刺して、機会を伺ってたんだ」
それは耳を疑うような言葉だ。
天井に剣を刺したと、彼女はさも当然のように行ったが、天井は岩だらけだ。彼女にいくらパワーがあるとはいえ、天井に張り付くほどの力というのは人間の力を超えている。
だが、すでに彼女らが人の身を超えているとリルは理解しているので追求はせず、真実だと判断した。
「いやぁ、でも凄かったぜ!」
「何がだよ」
「あいつの攻撃を避けた事がだよ! 一発目は単調だったから分かるとして、二発目は完璧に予測してないと無理な動きだ。私には分かるぜ。
そして、その避け方がこいつの隙をつくようだった。反撃こそはできなかったけど、私に目に狂いはなかったって事だな!」
ニッカリと子供のような笑顔を見せるソフィであったが、彼女の指摘は鋭く、かなり的確だ。彼が走馬灯の行動に沿っただけとは言え、それらは反撃をするためのものだ。
だからこそ、リルはソフィに対する評価を改めた。最初こそ脳筋でただの猪突猛進であるかのように見えて、実は抜け目ない頭の持ち主であった。
「さあ、次はボスだぜ!」
「なんで分かるんだよ」
「そりゃあんなに大層な扉があるからな」
彼女の指差した先、そこには綺麗なはずなのに禍々しいという両極端が混在した雰囲気の大きな扉があった。さっきまではデブで見えなかったが、障害が倒されたことによりその存在が露わとなる。
「この先にルディアもいるはずだ」
側から見れば確証のない言葉ではあるが、リルも扉の向こうにルディアがいると確信、いや感じ取っていた。
何故かは知らない。けれど、彼の第六感はここにきて働く。今まで何も感じなかったはずなのに。
「さあ、行くぜ」
誰に確認を取るまでもなく、ソフィは扉を開ける。
言葉とならぬ咆哮、それは彼の心を恐怖に陥れる。
振りかぶった右腕によって次の瞬間には潰される。否が応でも戦慄し、理解してしまった。
「し、死にたく……」
それでも彼は生を求める。こんなにも近く、死が寄り添おうとしても。
だが、どうにもならない事もある。それを分かっているのか、彼の脳は幻のようなものを見せる。
——なんだこれ?
最初は理解できなかったが、一瞬にしてこれが走馬灯であると判断した。死の間際に見る物だと、彼の知識に残っていたため、そう思い込んでいた。
——記憶がないのに、皮肉なもんだ。
走馬灯は過去の記憶を映し出すものであり、それを失ったにも関わらず見せられる。彼の記憶など三日しかないのに。
だが、彼の見る走馬灯には不思議なことが起こっていた。目の前に起きている状況とほぼ一緒で、大差はない。強いて言うならば周りが外のように明るいことだろうか。
——これが過去の記憶か?
リルは疑問に思うが、それには誰も答えず走馬灯は流れる。
デブが右腕、つまり彼から見て左からの攻撃が繰り出される。それは今の状況と一緒。
そして、視点が一気に右へとズレる。たどたどしく紙一重であるが、どうやら攻撃は食らっていないらしい。右腕は伸ばされたまま、次に左腕のパンチが向かってきて、左へと避ける。そうすると、デブのスキはど真ん中にできる。ぽっかりと、まるでそこを狙えと言わんばかりの。
「っ!」
反撃できそうなタイミング、そこで彼の意識は現実へと戻される。体感だと十秒ぐらいに感じられたが、実際にはコンマ数秒も経ってはいないらしく、未だデブは右手を振り上げたままだ。それでも、動かなければ死ぬのは変わらない事実。
ならば、さきほど見た走馬灯のように動くか? あれが未来視のようなものである確証はないが、賭けるならばそれしかない。ソフィを信じるという手もあったけど、必ず助けてくれるとも限らない。そんな人情的であれば、そもそもこんなところに無理やり連れてはこない。
「まだ……死ねない!」
膝はガクガクと震え、恐怖で体を思うように動かせない部分もあったが、死ねないという僅かな覚悟から、彼は自身の見た走馬灯に賭けることにした。
それと同時にデブは動き出す。彼から見て左からの攻撃、それは走馬灯を見る前も分かっていたこと。だから彼は右へと避ける。
彼女のように上手く、ではないけれども、デブのデカい拳をなんとかギリギリ躱せた。
「けど二回目!」
次の攻撃がすぐ来る。それは通常の彼では予測できなかった事。本来であれば、反応できなかった左から二段目の攻撃。
反射神経なんかでは絶対に避けられない速さではあるが、デブの動きは単調で予測できれば対処はできる。その証拠に、
「だぁぁぁ!」
あの彼が、さっきまで魔物に追いかけ回されていただけのリルがデブの攻撃を避けることができた。本当に間一髪で、足はもつれかけていたが、当たることはなかった。
しかも、デブの両腕は伸ばされたままで、それらによって三段目の攻撃が行われることはない。
「よし! 後は……」
この隙をついて逃げるなり隠れるなりすれば良い。そもそも彼の力で反撃など無理だ。リル自身も分かっていたのか、攻撃する素振りもない。その判断は正しかった、判断自体は。
「ぁ……」
しかし、彼は意識を目の前の敵から一瞬そらしてしまった。どこへ逃げるか、どこへ隠れるかを考えてしまった。
デブの攻撃はまだ終わっておらず、頭突きによる三発目が放たれていた。走馬灯にないそれは彼の反応を遅らせ、もうどうにもできない状況へと持っていかれてしまう。いや走馬灯にあったとしても、彼は体制を崩し、次の行動を即座に移すことはできなかったかもしれない。
なんにせよ、彼の命運はほぼ決まっていた。
デブの頭に潰される。なんともカッコ悪い死に方ではあるが、素人が二回も避けらたのなら上出来だ。
——まだ、まだ!
だが、彼の心は諦めていない。
死にたくない、生きたいなどではなく、もっとその先。このデブを超えたところに彼の固執する理由があるかのよう。目ははっきりと今の現状を捉えている。けれども、焦点自体は別に合わされている。
届かないと分かっていても、掴まずにはいられない。何か方法はないかと模索して、そして……
「隙あり!」
救助者が現れる。
それは上から降ってきたソフィであった。彼女はデブのヘイトが完全にリルへと集中していた瞬間を狙い、頭を大剣で斬る。いや殴った。まさに脳天直下だ。
「グフッ——!」
その衝撃でデブの兜は真っ二つに割れ、さらには脳を揺さぶられたからか、膝から崩れてそのまま倒れてしまう。
リルからすれば急展開に頭が追いついていけないが、とにかく脅威が去ったことは理解できた。そして、安心からまたちょっとチビっていた。
「ふぅ……いやぁナイスだったぜ!」
一体どこに隠れて、どうやって上を取ったのか。突如として姿を現したソフィはデブの体の上に立ち、リルに対して親指を立てる。
「お、お前、一体何処にいたんだ?」
まだ心臓の鼓動はたかぶっており、戦いの余波からの興奮が抑えきれない状態であったが、リルは訊かずにはいられなかった。
「天井だよ、天井。土煙に紛れてあの魔物の視界外に移動して、そのまま上にジャンプしたんだ。
さらに、天井に張り付くためにこの剣をぶっ刺して、機会を伺ってたんだ」
それは耳を疑うような言葉だ。
天井に剣を刺したと、彼女はさも当然のように行ったが、天井は岩だらけだ。彼女にいくらパワーがあるとはいえ、天井に張り付くほどの力というのは人間の力を超えている。
だが、すでに彼女らが人の身を超えているとリルは理解しているので追求はせず、真実だと判断した。
「いやぁ、でも凄かったぜ!」
「何がだよ」
「あいつの攻撃を避けた事がだよ! 一発目は単調だったから分かるとして、二発目は完璧に予測してないと無理な動きだ。私には分かるぜ。
そして、その避け方がこいつの隙をつくようだった。反撃こそはできなかったけど、私に目に狂いはなかったって事だな!」
ニッカリと子供のような笑顔を見せるソフィであったが、彼女の指摘は鋭く、かなり的確だ。彼が走馬灯の行動に沿っただけとは言え、それらは反撃をするためのものだ。
だからこそ、リルはソフィに対する評価を改めた。最初こそ脳筋でただの猪突猛進であるかのように見えて、実は抜け目ない頭の持ち主であった。
「さあ、次はボスだぜ!」
「なんで分かるんだよ」
「そりゃあんなに大層な扉があるからな」
彼女の指差した先、そこには綺麗なはずなのに禍々しいという両極端が混在した雰囲気の大きな扉があった。さっきまではデブで見えなかったが、障害が倒されたことによりその存在が露わとなる。
「この先にルディアもいるはずだ」
側から見れば確証のない言葉ではあるが、リルも扉の向こうにルディアがいると確信、いや感じ取っていた。
何故かは知らない。けれど、彼の第六感はここにきて働く。今まで何も感じなかったはずなのに。
「さあ、行くぜ」
誰に確認を取るまでもなく、ソフィは扉を開ける。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる