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第二章 異次元の魔術師
譲らぬ意地
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「まさか、知恵の象徴として長年崇められてきた私が、人の幼子に裏を書かれたとは」
一体、先の一瞬に何が起こったのか。それは今、メティスが拾い上げた一本の短剣にある。
それはルディアの短剣であった。
カリューオンによって打ち上げられてしまった、いやメティスに落とされるようにされた短剣は、重量に従って落ち、それに宿るツクモの力で彼女の左肩を斬り落としたのだ。
「彼女はこれを狙っていたのね。わざわざ顔の中心ではなく、右側を狙っていたのも、左に避けさせるため。
……考え無しに見えて、意外に聡明な子」
下手すれば、脳天から体が真っ二つになっていたかもしれないのに、戦いの状況を冷静に分析するメティス。どこまで行っても感情的になることはないのか。
そういえば、と彼女はソフィの言葉にハッとする。『その顔を見れただけで』
その顔とは一体どの顔だったのだろうと、自身の顔を触ってみる。
「いつもと変わらない……はずよね。
一体どういう意味だったのかしら」
誰も見ていない。そんな中で彼女はポツンと呟く。
本当にその顔が変わらない物だったのだろうか、それともその一瞬だけは何か変わっていたのだろうか。
その答えはソフィだけが持っている。カリューオンが見ていれば、聞けただろうが。
「——今は彼の事を優先すべきね」
様々な考察を脳内に立てるメティスであったけれども、それを一旦脳内から排除し、最初の目的だけを見据える。
そのために彼女はカリューオンに近づき、凍結した体を火の魔法で溶かす。
「ほら、カリュ。起きなさい」
「ううっ……私は……」
冷凍状態から目覚めたカリューオンは、少し頭が回っていないようで、目の焦点が定まらないでいる。
しかも、直前の記憶までないような素振りだ。
「大丈夫?」
「メ、メティス様!」
主人の姿を見た瞬間に驚くと同時にキリッと姿勢を正し、なんとか体裁を保とうとするカリューオン。
しかし、その一連の動作にメティスは微笑を交えるだけで、なんのお咎めも下そうとはしなかったり。
「申し訳ありません! 何があったのか分かりませんがすぐに命令を……」
「いいえ、構わないわ。彼の動向は随時確認できるようにしてあるから」
「彼……ハッ。少しずつ思い出しできました。確かその彼の事で、ルディア達と戦闘になり、私は凍結されてしまい……」
ようやく、状況整理ができるようになっできたカリューオン。そして、気を失っていた原因をようやく思い出したところで、ある物を視界に入れ、面を食らってしまう。
「メティス様! 腕が……!」
「うん……? ああ、ルディアにやられたのよ。……いえ、これはソフィアネストにしてやられたというべきかしら」
「そんな事を言っているのではなくて!
……ああ、もう! すぐに傷口を見せてください! 治療します!」
銀狼人は自身の主人の大雑把さに呆れ返るも、テキパキと治療の準備をしていく。準備といっても、これから行う治療は手作業ではなく、魔法による物だ。
カリューオンの詠唱とともに傷口から肉が再生し、メティスの左腕を形取っていく。
「いかがでしょう、メティス様?」
メティスは再生した左腕を軽く動かしてみる。
「ええ、袖がない事以外はなんとも」
「それはご勘弁ください。
……というより、メティス様」
ギロリと、カリューオンは立場が上であるはずのメティスを睨む。
「自身の体にはもう少し気を使ってください! 体の一部が欠損したというのに、気にしなさすぎです!」
「あらあら、主人を気に掛けるなんて、使い魔らしくなったわね」
「むうー……話をはぐらかさないでください……」
カリューオンの怒声を浴びせられるメティスであったが、そんなことはどこ吹く風。彼女は微笑み、カリューオンの頭を撫でる事で、叱られた事をうやむやにする。
戦闘中はあれだけ冷酷な表情を見せていたが、身内だけとなるとほがらかとなり、そのギャップは逆に怖いくらいだ。
「……さて、彼女はどうしましょうかね」
彼女、それは地面に倒れているルディアだ。彼女の体はもう凍ってはおらず、カリューオンと同じく、自由に動かせるだろう。意識があればの話だが。
「まったく。他人に諸刃の刃が、とか言っていた割に自分も捨て身だったじゃない」
ルディアの自身ごと凍結させる方法、それはメティスの言うとおり捨て身すぎる方法であった。
人間の体内は多くの水分でできている。それらが凍る、つまり水から氷となる時に膨張し、内側から体が破裂してしまう可能性がある。魔族であるカリューオンならばまだしも、人間ではその物理法則を無視できないだろう。
「とりあえず、彼女達は家に寝かせましょうか。この世界に残らせておくのもかわいそうだし。カリュ」
「はい。では二人の事はお任せを……」
カリュがルディア達を運ぼうとした時、メティスはある事に気がつく。誰かが自身のドレスの裾を引っ張っていた。
「ううっ……まだ……よ……」
それはルディアであった。
意識を失っていた彼女は確固たる信念から、また意識を取り戻したのか。そして僅かな力を振り絞り、抵抗の意思を見せ続ける。
「……そろそろ諦めなさい、ルディア。そのまま続けるなら貴女、死ぬ事になるわよ」
「それは……アンタが……殺すって事……? それとも……」
彼女は息絶え絶えで、最後の方は誰も聞こえないぐらい小さな声だった。けれども、その目には強い殺意がある。
まだ意識を失う事はないだろう。
「……でも、それでも私は……止まらない……。
もし諦めるとしたら……それは、アンタが彼を殺して……私がアンタを殺す、その後よ……」
その答えに、メティスは目を伏せるように複雑な顔をしながら黙るしかなかった。
「そう、なら一生諦めない事ね。私も止める気はないわ」
「……あっそ。でも、一つだけ訂正させて……私、アンタを殺しなんてしないわ。
——喰らう。その体の全てを喰らおう」
ルディアのその言葉に、メティスは本当に自身の体を喰われたかのような感覚に陥る。彼女はルディア達に動揺こそしたが、力の差故に恐怖というものを彼女らから覚えた事はない。
しかし、今だけは違う。ルディアからは放った言葉が現実化するような覇気があり、それにメティスは飲まれてしまった。
本気だ。彼女は、彼女のツクモはあまりに本気なのだ。
だからこそ、彼女の周りに銀色のオーラが見えても、狼の姿が見えようともなんらおかしくはないだろう。
「……ごめんなさい、ルディア」
それに警戒してか、メティスは魔法を放つ。ソフィにも放った不可視の魔法で、当たれば対象の意識を失わせる。
動けないルディアに回避する方法はなく、ただ待つしかないだろう。
「っ……!」
しかし、ルディアはもうそこにはいなかった。
残されていたのは、空間を切り裂いたかのような爪痕と、その先に見える元の世界のみ。
だが、その爪痕はどこかへと続いており、軌跡を追ってみれば、先ほどまで倒れていたルディアが、獣のように前屈みで立っていた。
動けないはずの彼女、それにも関わらず立っているまだ隠されたる力が残っていたからか。
「メティス……」
その姿は確かにルディアだ。けれども、あまりにその雰囲気は荒々しく、いつもの彼女とは思えない。
手からはまるで爪のようなオーラを放ち、空間を切り裂こうとしている。
豹変した彼女は暴走したような目で、メティスを捉える。そして、
「アンタを止める……!」
地面を蹴った。その速さというのは普段の彼女と同じだろう。しかし、パワーは違う。何もかもを、世界そのものを巻き込んでいくかのような迫力、いや全てを斬り裂いているのだ。すべての法則を無視するかのようなそれは神か、それとも鬼神か、あるいは別の何かか……。
一体、先の一瞬に何が起こったのか。それは今、メティスが拾い上げた一本の短剣にある。
それはルディアの短剣であった。
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そういえば、と彼女はソフィの言葉にハッとする。『その顔を見れただけで』
その顔とは一体どの顔だったのだろうと、自身の顔を触ってみる。
「いつもと変わらない……はずよね。
一体どういう意味だったのかしら」
誰も見ていない。そんな中で彼女はポツンと呟く。
本当にその顔が変わらない物だったのだろうか、それともその一瞬だけは何か変わっていたのだろうか。
その答えはソフィだけが持っている。カリューオンが見ていれば、聞けただろうが。
「——今は彼の事を優先すべきね」
様々な考察を脳内に立てるメティスであったけれども、それを一旦脳内から排除し、最初の目的だけを見据える。
そのために彼女はカリューオンに近づき、凍結した体を火の魔法で溶かす。
「ほら、カリュ。起きなさい」
「ううっ……私は……」
冷凍状態から目覚めたカリューオンは、少し頭が回っていないようで、目の焦点が定まらないでいる。
しかも、直前の記憶までないような素振りだ。
「大丈夫?」
「メ、メティス様!」
主人の姿を見た瞬間に驚くと同時にキリッと姿勢を正し、なんとか体裁を保とうとするカリューオン。
しかし、その一連の動作にメティスは微笑を交えるだけで、なんのお咎めも下そうとはしなかったり。
「申し訳ありません! 何があったのか分かりませんがすぐに命令を……」
「いいえ、構わないわ。彼の動向は随時確認できるようにしてあるから」
「彼……ハッ。少しずつ思い出しできました。確かその彼の事で、ルディア達と戦闘になり、私は凍結されてしまい……」
ようやく、状況整理ができるようになっできたカリューオン。そして、気を失っていた原因をようやく思い出したところで、ある物を視界に入れ、面を食らってしまう。
「メティス様! 腕が……!」
「うん……? ああ、ルディアにやられたのよ。……いえ、これはソフィアネストにしてやられたというべきかしら」
「そんな事を言っているのではなくて!
……ああ、もう! すぐに傷口を見せてください! 治療します!」
銀狼人は自身の主人の大雑把さに呆れ返るも、テキパキと治療の準備をしていく。準備といっても、これから行う治療は手作業ではなく、魔法による物だ。
カリューオンの詠唱とともに傷口から肉が再生し、メティスの左腕を形取っていく。
「いかがでしょう、メティス様?」
メティスは再生した左腕を軽く動かしてみる。
「ええ、袖がない事以外はなんとも」
「それはご勘弁ください。
……というより、メティス様」
ギロリと、カリューオンは立場が上であるはずのメティスを睨む。
「自身の体にはもう少し気を使ってください! 体の一部が欠損したというのに、気にしなさすぎです!」
「あらあら、主人を気に掛けるなんて、使い魔らしくなったわね」
「むうー……話をはぐらかさないでください……」
カリューオンの怒声を浴びせられるメティスであったが、そんなことはどこ吹く風。彼女は微笑み、カリューオンの頭を撫でる事で、叱られた事をうやむやにする。
戦闘中はあれだけ冷酷な表情を見せていたが、身内だけとなるとほがらかとなり、そのギャップは逆に怖いくらいだ。
「……さて、彼女はどうしましょうかね」
彼女、それは地面に倒れているルディアだ。彼女の体はもう凍ってはおらず、カリューオンと同じく、自由に動かせるだろう。意識があればの話だが。
「まったく。他人に諸刃の刃が、とか言っていた割に自分も捨て身だったじゃない」
ルディアの自身ごと凍結させる方法、それはメティスの言うとおり捨て身すぎる方法であった。
人間の体内は多くの水分でできている。それらが凍る、つまり水から氷となる時に膨張し、内側から体が破裂してしまう可能性がある。魔族であるカリューオンならばまだしも、人間ではその物理法則を無視できないだろう。
「とりあえず、彼女達は家に寝かせましょうか。この世界に残らせておくのもかわいそうだし。カリュ」
「はい。では二人の事はお任せを……」
カリュがルディア達を運ぼうとした時、メティスはある事に気がつく。誰かが自身のドレスの裾を引っ張っていた。
「ううっ……まだ……よ……」
それはルディアであった。
意識を失っていた彼女は確固たる信念から、また意識を取り戻したのか。そして僅かな力を振り絞り、抵抗の意思を見せ続ける。
「……そろそろ諦めなさい、ルディア。そのまま続けるなら貴女、死ぬ事になるわよ」
「それは……アンタが……殺すって事……? それとも……」
彼女は息絶え絶えで、最後の方は誰も聞こえないぐらい小さな声だった。けれども、その目には強い殺意がある。
まだ意識を失う事はないだろう。
「……でも、それでも私は……止まらない……。
もし諦めるとしたら……それは、アンタが彼を殺して……私がアンタを殺す、その後よ……」
その答えに、メティスは目を伏せるように複雑な顔をしながら黙るしかなかった。
「そう、なら一生諦めない事ね。私も止める気はないわ」
「……あっそ。でも、一つだけ訂正させて……私、アンタを殺しなんてしないわ。
——喰らう。その体の全てを喰らおう」
ルディアのその言葉に、メティスは本当に自身の体を喰われたかのような感覚に陥る。彼女はルディア達に動揺こそしたが、力の差故に恐怖というものを彼女らから覚えた事はない。
しかし、今だけは違う。ルディアからは放った言葉が現実化するような覇気があり、それにメティスは飲まれてしまった。
本気だ。彼女は、彼女のツクモはあまりに本気なのだ。
だからこそ、彼女の周りに銀色のオーラが見えても、狼の姿が見えようともなんらおかしくはないだろう。
「……ごめんなさい、ルディア」
それに警戒してか、メティスは魔法を放つ。ソフィにも放った不可視の魔法で、当たれば対象の意識を失わせる。
動けないルディアに回避する方法はなく、ただ待つしかないだろう。
「っ……!」
しかし、ルディアはもうそこにはいなかった。
残されていたのは、空間を切り裂いたかのような爪痕と、その先に見える元の世界のみ。
だが、その爪痕はどこかへと続いており、軌跡を追ってみれば、先ほどまで倒れていたルディアが、獣のように前屈みで立っていた。
動けないはずの彼女、それにも関わらず立っているまだ隠されたる力が残っていたからか。
「メティス……」
その姿は確かにルディアだ。けれども、あまりにその雰囲気は荒々しく、いつもの彼女とは思えない。
手からはまるで爪のようなオーラを放ち、空間を切り裂こうとしている。
豹変した彼女は暴走したような目で、メティスを捉える。そして、
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