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愛を伴い夜が明けるまで何歩進めるかな?

愛する人との出会い

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 金色の髪はシルクの糸のようで柔らかく艶やかで、瞳は深い海を感じる程に透明で真っ青だ。
 彫りの深い目元や形の良い鼻は繊細な造りの為に柔和な雰囲気を彼に施し、キスをされたいと誰もが思う彼の整った唇は清楚な少年のようでもある。
 そんな素晴らしい彼の笑顔は社交用の作り笑いばかりでもあるが、そこらの女優が敵わない程に魅力的でな凶悪なものである。

 俺は彼がちょっとしたときに浮かべる表情の方が好きでもあるが、その表情はアークロイド少佐と一緒の時にしか浮かべることのないものなのが悲しい所だ。

 けれど、士官学校の研修で初めて出会った頃には、たった二週間だけの邂逅でしかなかったけれど、彼は俺にそんな自然な表情を向けてくれたのである。

 その時の笑顔も社交用の笑顔だと、俺を嫌う今は彼はきっと言い張るだろうが。
 彼は年下の士官候補生に対して、それも目立たない俺に対して、他の監督官には無い優しさを見せていたのである。

 彼は覚えていないだろうが、俺は彼に助けられたのだ。
 何が起きたのかとは、簡単に言えば、俺は目立たない候補生どころか、下手をすればいじめの対象となり得る存在でもあったと言えばわかるだろう。

 実業家の父を持って金はあるが、俺は貴族の出では無いのだ。
 そんな俺に対して周囲は社交マナーも知らない下卑た猿と見下していたが、金があるという事はそれなりな席に顔を出す機会はあるし、マナーもそれなりに身に着けているものだ。
 いや、それを知っているからこそ、俺を貶めるために俺のディナー皿にスプーンで食べれるチーズマカロニの山を作ったのだろう。

――第一の皿が空にならないと次の皿は来ないぞ、メイヤー。

――お子様メイヤーはチーズマカロニだけあれば幸せじゃないか?

 俺に嫌がらせを仕組んだのは監督官として研修に呼ばれてきていた男達であり、俺は彼等によって今後四年間いじめの標的にしていいと烙印を押されたようなものだった。
 揶揄いの嘲笑の中、俺は研修というこの場で暴れる事がためらわれ、どうしたものかとほんの一瞬考え込んだ。
 額に手をやったから泣いたと思われたのだろうか?

「おやおやおや。いいものを食べているね。それを俺も貰っていいかな。」

 顔を上げたら、そこには金色の天使だ。
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