意味が分かると怖い話【祝：お気に入り数130突破！】

■フェーズ：056『価値のない未来』

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Title：『価値のない未来』

「よう、おやっさん！
面白い獲物を捕まえてきたんだが
ちょっくら査定してもらってもいいかい？」

「あいよ。そこのカウンターに置いてくんな」

大銀河を股にかけるスペースカウボーイ。
それがオレの職業だ。
今日は辺境の惑星で珍しい獲物に出くわしたから、
自慢の銃でババンと射止めたってわけさ。

さぁてと、気になる値段は如何ほどかねぇ。

「う～ん、そうさなぁ。
酸素45.5kg、炭素12.6kgで、
水素7kg、窒素が2.1kg……。

それからカルシウム1.05kg、
リン0.7kgでイオウが175gっと……。

カリウム140gでナトリウムが105g、
ふむふむ……塩素が105gで
マグネシウム35gだね。

そんで鉄が6gにフッ素が3g。
コバルト1.5mgとバナジウム0.2mg。
ケイ素が2gで亜鉛が2gぽっちか……。

で……ストロンチウムが320mg、
ルビジウム320mgで鉛が120mg。

ええっと、残りは……。
マンガン100mg、銅80mg、
アルミニウム60mgにカドミウムが50mg。

後はスズ20mgとバリウム17mg、
クロム2mgとヒ素2mg。
水銀13mgにセレンが12mgか。

うん？　おっと……あやうく
ヨウ素11mgとモリブデン10mg、
ニッケル10mgとホウ素10mgを
見逃すところだったわい……」

「へへっ！　ずいぶんと時間がかかったが、
買い取り価格はどんなもんだい？」

「悪いが1万ゼニ―だね」

「はぁ！？　1万ゼニ―だと！？
そんなはした金じゃ飯食って酒でも飲んだら
一瞬でなくなっちまうじゃねぇか！」

「まぁ、その程度の獲物ってこったな。
どうだいカウボーイ？　売るのか？
売らねぇのかい？」

「ちきしょう……足元見やがって」

背に腹は代えられない。
なんせ愛馬のエナジー代や、
メンテナンス費用もバカにならねぇからだ。

俺は性悪なおやっさんから金を受け取り、
愛馬へと急いだ。

「こうなりゃ数で勝負だ！
大量に獲物を捕らえて
ガッポリ稼ぐっきゃねぇ！」

俺は自慢の銃を丹念に磨き、
超大質量ブラックホールを抱いた
棒渦巻銀河を目指した。

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