意味が分かると怖い話【祝:お気に入り数130突破!】

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■フェーズ:055『H26年4月1日 私達が泣いた日』

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Title:『H26年4月1日 私達が泣いた日』

『本当に……このお店、閉めちゃうんですか?』

「ああ、時代の波には逆らえないからね……」

『マスターがいなくなったら、
私達は誰を頼れば……』

「大丈夫、すぐに代わりの店ができるよ。
さぁ、泣いてないで閉店パーティーを楽しもう」

H26年4月1日――。
私は大勢の客に愛されてきた
小さなアロマショップを畳むことにした。

だが、たださよならするだけじゃ
世話になった常連のみんなに申し訳ないので
在庫を格安で処分するというDMを送り
ささやかな閉店パーティーを
開くことにしたというわけだ。

『私……このバスソルト大好きでした』

「特別に調合したバスソルトを用意したから、
これを持って帰りなさい。
会社で辛いことがあったら使うといい」

『俺、このお香にマジで救われました……』

「キミに元気になって欲しくて調合したんだ。
でも、できれば……これからは
お香に頼らず頑張るんだよ」

『マスター……体が重いの。
最後に何かおすすめはないかしら?』

「じゃあこの観賞キットはどうかな?
少し値段は高いが長く楽しめると思うよ」

『へ、へびがいる! ああああああ虫が虫が!
虫がいる! マスタああああああ!』

「今日は具合が悪いのかい?
そういえばキミは、
ケンジくんに次ぐ常連さんだったね……」

常連さんがいてくれたから
この店を長く続けてこられた。
私は感慨にふけりながら
店の片づけを続けた。
すると――。

「しぇしぇしぇしぇしぇ~~~!
ピースピースピース!
今から悪魔を殺しちゃいまーす!
しぇしぇしぇしぇしぇ~~~!
ピースピース! うへへへへ!」

金属バットを持ったケンジくんが
店に飛び込んできた。

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