異世界探偵・不知火 明

不報 刀姫

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ピィ

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「推理なんて大層なもんじゃないよ。
あくまでも予想と想像の範疇。」

「…?」

「リーシャがなくした指輪は…」

「ピッギャァァアアア」

「ピィちゃんの喉にある」

「……え、のど?」

「そもそも異世界の生物といえど繁殖期の周期が乱れるのがおかしいと思ったんだ、鳴き声が繁殖期同様荒々しくなったのは喉に指輪が詰まったからじゃないか?」

リーシャが指輪をなくしたのが一週間前。
ピィちゃんのこの状態がここ数日。
一応辻褄つじつまは合う。

「で、でもピィちゃんの喉の大きさで
指輪が詰まることはないのではないか?
ピィちゃんは動物を丸飲みする肉食植物……」

「お前の育ての甲斐あって果物中心の食生活になったんだろ?」

「…それが一体なんなのだ?」

「動物より遥かに小さい果物ばかり食べて
ピィちゃんの喉は徐々に狭くなっていたとしたら?」

「え、いやでも…」

「まあ確かめないことにはわからないけどな。
最初に言ったろ、あくまでも予想と想像の範疇」

「……ピィちゃん!少しじっとしててくれ!」



ピィちゃんの喉から指輪が発見された。
俺も正直なところ『まさか』とは思っていた。
というのも指輪は文字通り輪になっている。
呼吸はなんなく出来るだろう、鳴き声が変わっても微々たる変化であってあそこまで荒っぽく鳴かないと思った。
あと、自分で解いておいて言うのも変だが喉が狭くなっていたとしても指輪が喉に留まるだろうかとか色々考えていた。
そして、真相。
リーシャがピィちゃんの喉に
手を突っ込むさまを見させてもらった。
俺の予想より事態は深刻だった。
ピィちゃんは植物、それは外側だけでなく内側も。
リーシャの指輪は…

「ごめんな、ピィちゃん。私が今取るから」

ピィちゃんの喉には無数のツルがあって、
指輪はそのツルに絡まり大きな塊と化していた。
リーシャは手に力を込めた。

ブチブチッ!ブッチブチ!

「え、リーシャそんな強引に…」

「えぇい!捕ったどぉおお」

リーシャさんのキャラわかんないよ。
ピィちゃん大丈夫か?

「ピィちゃんのこのツルは時間がたてばすぐ生えるのだ
特に痛みもないらしい」

「あぁ…そうなの」

「だがピィちゃんはずっと苦しんでいたのだろう。
辛かったろう、ごめんな気づいてあげられなくて」

「ピィ!」

可愛い鳴き声が聞こえた。
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