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第一章ルーカスage16
第一話ルーカスの諸事情①
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僕はフランシス王国の貴族である
ブルーミア家の長男ルーカス・ドルチェ・ブルーミア
ちょっとだけ僕の過去を話そうと思います
僕の母であるイザベラ・ドルチェ・ブルーミアは僕を生んだ年にになくなってしまいました
若くに未亡人となってしまった父、
アーサー・ソルト・ファ・ブルーミアは母の一回忌が
終わってすぐにアンドリュー伯爵家の
チェリー・ジェラート・アンドリュー様を後妻として娶られました。
その1年後に僕の弟であるアルバルト・ディー・ブルーミアが生まれました
父上は僕のことを伯爵家から追い出さなかったし、
チェリー様も僕を実の息子のように育ててくれました
弟のアルも僕のことを慕ってくれています
母が亡くなって14年経った今も同様に
そんな家族のことが僕はとても大好きです
家族のためなら何でも出来ると思えるほどに
でも、そんなある日事件は起きました
僕は14歳、アルが12歳の時の話です
アルは家族から見てもイケメンという部類の男の子で12歳になったらみんな入る学園でも多くの令嬢・令息を虜にしてきました
その中にフランシス王国の第二王女殿下
ドルチェラ・アルスラン・フランシス殿下がいたのです
殿下は温室育ちのボンボンですから
望めば全ての物が手に入ると思っていたようです
(ボンボンなのは僕も同じですが…)
ドルチェラ様はブルーミア伯爵家にアルとの婚約を強制してきました
でも、ブルーミア伯爵家はあろうことかその求婚を断ってしまったのです
そのことがドルチェラ様の怒りを買わないはずがなく、ブルーミア家は領地の約3分の2を王家に返上することになりブルーミア家はあっさりと没落してしまいました
長男である僕はアルの学費を払うために偽りの名前「ルース」を名乗り平民として働くことになりました
「ルース、13番テーブルにお冷やとお絞り持って行ってくれる?」
「はいっ!分かりました!」
僕のことを貴族と知りながら雇ってくれた店長さんには感謝してもしきれません
「ルースは俺たちの癒やしだからな」
「そうそう、ルースにはずっと元気でいてもらわねーと」
お客さんもとても親切で優しい言葉を書けてもらうといつも心がぽかぽかしました
そんな日がずっと続いてくれればいいなと思いました。
でも、神様というのは無情です
このお店で働き始めて半年が経った頃
ブルーミア家にさらなる不幸が舞い降りました
「父上、話とはなんでしょうか」
「ルーカス、落ち着いて聞いてね
執事長のマイクが我が家の財産を横領していたことが分かったんだ」
マイクというのは父上の側近で僕が生まれる前から父上に仕えていた執事のことです
そんな彼が裏切ったというのは俄に信じがたい話でした。
彼は僕がアルのためにためていた貯金にまで手を出していて、借金までしていたそうでそれを聞いたときは珍しく怒りを露わにするところでした
それ以上にアルが
「おれも働いた方がいいか?」
と行ったときの衝撃の方が凄かったですが…
僕はアルが大好きなのです
まだ学生のアルが働くなんて言ったので本当にビックリしました
「アルが働く必要はないよ
僕が仕事を増やせばいいだけだから」
そう僕は言いました
アルを働かせるくらいなら僕がもっと働いた方がいいに決まっているからです
アルには
「何言ってんだよ!今でも二個掛け持ちしてんだろ
そんなんじゃ兄さんの体が持たねえよ!」
と怒鳴られたけど僕も無理だって分かっていました
でも、アルを守るために頑張ろうと決断したのです
僕はまだ何か言いたげなアルを置いて部屋に戻りました
早く雇ってくれるところを探さないと…
♢♢♢
これでいったん過去は終わりです
どう?少しは僕のことを分かってくれましたか?
ブルーミア家の長男ルーカス・ドルチェ・ブルーミア
ちょっとだけ僕の過去を話そうと思います
僕の母であるイザベラ・ドルチェ・ブルーミアは僕を生んだ年にになくなってしまいました
若くに未亡人となってしまった父、
アーサー・ソルト・ファ・ブルーミアは母の一回忌が
終わってすぐにアンドリュー伯爵家の
チェリー・ジェラート・アンドリュー様を後妻として娶られました。
その1年後に僕の弟であるアルバルト・ディー・ブルーミアが生まれました
父上は僕のことを伯爵家から追い出さなかったし、
チェリー様も僕を実の息子のように育ててくれました
弟のアルも僕のことを慕ってくれています
母が亡くなって14年経った今も同様に
そんな家族のことが僕はとても大好きです
家族のためなら何でも出来ると思えるほどに
でも、そんなある日事件は起きました
僕は14歳、アルが12歳の時の話です
アルは家族から見てもイケメンという部類の男の子で12歳になったらみんな入る学園でも多くの令嬢・令息を虜にしてきました
その中にフランシス王国の第二王女殿下
ドルチェラ・アルスラン・フランシス殿下がいたのです
殿下は温室育ちのボンボンですから
望めば全ての物が手に入ると思っていたようです
(ボンボンなのは僕も同じですが…)
ドルチェラ様はブルーミア伯爵家にアルとの婚約を強制してきました
でも、ブルーミア伯爵家はあろうことかその求婚を断ってしまったのです
そのことがドルチェラ様の怒りを買わないはずがなく、ブルーミア家は領地の約3分の2を王家に返上することになりブルーミア家はあっさりと没落してしまいました
長男である僕はアルの学費を払うために偽りの名前「ルース」を名乗り平民として働くことになりました
「ルース、13番テーブルにお冷やとお絞り持って行ってくれる?」
「はいっ!分かりました!」
僕のことを貴族と知りながら雇ってくれた店長さんには感謝してもしきれません
「ルースは俺たちの癒やしだからな」
「そうそう、ルースにはずっと元気でいてもらわねーと」
お客さんもとても親切で優しい言葉を書けてもらうといつも心がぽかぽかしました
そんな日がずっと続いてくれればいいなと思いました。
でも、神様というのは無情です
このお店で働き始めて半年が経った頃
ブルーミア家にさらなる不幸が舞い降りました
「父上、話とはなんでしょうか」
「ルーカス、落ち着いて聞いてね
執事長のマイクが我が家の財産を横領していたことが分かったんだ」
マイクというのは父上の側近で僕が生まれる前から父上に仕えていた執事のことです
そんな彼が裏切ったというのは俄に信じがたい話でした。
彼は僕がアルのためにためていた貯金にまで手を出していて、借金までしていたそうでそれを聞いたときは珍しく怒りを露わにするところでした
それ以上にアルが
「おれも働いた方がいいか?」
と行ったときの衝撃の方が凄かったですが…
僕はアルが大好きなのです
まだ学生のアルが働くなんて言ったので本当にビックリしました
「アルが働く必要はないよ
僕が仕事を増やせばいいだけだから」
そう僕は言いました
アルを働かせるくらいなら僕がもっと働いた方がいいに決まっているからです
アルには
「何言ってんだよ!今でも二個掛け持ちしてんだろ
そんなんじゃ兄さんの体が持たねえよ!」
と怒鳴られたけど僕も無理だって分かっていました
でも、アルを守るために頑張ろうと決断したのです
僕はまだ何か言いたげなアルを置いて部屋に戻りました
早く雇ってくれるところを探さないと…
♢♢♢
これでいったん過去は終わりです
どう?少しは僕のことを分かってくれましたか?
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